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議論再び…『バイオハザード5』と歴史的背景の問題をニューズウィークの記者が追求

April 13, 2008(Sun) 03:40 / by Rio Tani

過去にも散々取り沙汰されてきたバイオハザード5のトレイラーと人種差別の問題に、海外でまたしても火がついて激しく議論されているようです。今回発端となったのは、MTV Multiplayerというサイトが掲載した人種問題とビデオゲームの関係を取り上げた連載インタビュー企画。ニューズウィーク誌でも人気のゲーム系[url=http://blog.newsweek.com/blogs/levelup/]Blog[/url]を担当しているアフリカ系アメリカ人記者N'Gai Croal氏は、このインタビューの中で、バイオハザード5の舞台や歴史の設定は問題点が多く、マーケティングにも説明が不足していたのではないかと再びゲーマーやパブリッシャーに疑問を投げかけています。

以下、ソースのインタビュー中から要所を抜粋。(かなり長文)

* * * * *


N'Gai Croal: 歴史、それも(アフリカの)植民地独立後からそう遠くない歴史を踏まえれば、あなたは自分自身に問いかけるでしょう。なぜ、批判を受けることなくこのような映像を公開したのかを。「バイオハザード4ではスペイン人のゾンビを倒していたのに、バイオハザード5で黒人のゾンビが出てきたら怒るのか?」と反論する人もいるでしょうが、これはそのように単純な問題ではありません。(二つのゲームの)舞台設定は同じではなく、題材としている歴史も、またその重みも異なります。残念ながら私は、これ以上明確に説明する方法がわかりません。


(中略)


N'Gai Croal: ゲームの舞台は、アフリカではなく、ハイチやカリブのどこかだと言う人もいますが、トレイラーで使われている音楽は、アフリカのソマリアを舞台にした映画『ブラックホークダウン』で使われていた曲に酷似しています。そしてそれは、あるとても不安な一つの考えを思い浮かべさせます。「Wow、開発チームは一体どんなリサーチをやったんだ?彼らはただブラックホークダウンを観て、あの曲を使ったのか?」と。

私はカプコンのチームの開発を妨げることは望んでいません。私はもっと彼らにリサーチをしてほしかったのです。しかし、あのトレイラーを見る限り、それはとても難しかったようです。ブラックホークダウンは、狭い焦点で描かれ、歴史への忠実性を欠いていたとして、公開当初は一握りのメディアと多くのアフリカ系アメリカ人、そしてアフリカ人から問題視された映画です。



[size=x-small]ゲームの舞台がアフリカだということは、最近英語に翻訳もされた開発者インタビュー映像から既知の事実に[/size]


(中略)


N'Gai Croal: 重要な点は、多くの住民が黒人で貧窮化した国(らしき場所)を舞台にしたゾンビゲームを、カプコンが作るべきではない、と言っているのではありません。私が言いたいのはつまり、もし私がカプコンに勤めていたら、あのトレイラーを公開しろとは指示しなかったでしょう。私ならこう言います、「あのね、このトレイラーは途方もなく多大な誤解を招く要素があるから、ちょっと先に誤解を招かないように警告する必要があるよ」と。

それは、あなたが注意を払って扱わなければならない設定です。例えばあなたが、1940年代のヨーロッパを舞台に、衰弱してやつれたユダヤ人のようなゾンビが登場する映画を作ろうとしていたら、周囲から「あんた狂ってるのか?」と言われるでしょう。これは、それと同じことのように見えます。このゲームの舞台設定には歴史があります。他に偽りようのない現実の歴史的背景を持っているのです。そうしたポテンシャルを秘めた題材を扱うのなら、マーケットにおいて予期しない反響が起こることを認識する義務がクリエイターにはあります。 

カプコンがどう考えているのか私にはわかりません。私にはあのゲームを発売することがとても難しいように思えます。世の中には、このような題材を持ったゲームのことをよく理解していない人々や団体が存在します。彼らは、大手小売店がゲームを販売することに疑問を持つかもしれません。



* * * * *



このように様々な観点から、Croal氏はバイオハザード5のトレイラーについて警告ともいえる発言をしています。ソースの記事には賛否両論のコメントが大量に寄せられて激しく討論されており、Croal氏はコメント欄の中でも、バイオハザード5の舞台設定に関して以下のような視点を変えた別の指摘をしています。

もし、バイオハザードの舞台設定が1940年代の中国や朝鮮で、日本人の主人公が中国人や朝鮮人のゾンビをなぎ倒していくという内容だとしたら、日本の植民地支配の歴史からも、それが好意的に見られるとは思えません。


欧米に比べ、人種問題に関する議論が行われることは少ない日本でも、バイオハザード5の舞台設定に関しては様々な意見を聞くことができそうです。しかし、Croal氏の着眼点は、決して人種差別という単純な言葉だけではなく、バイオハザード5のトレイラー映像を、ゲームのストーリー背景や設定をしっかりと説明することなくプレゼンした、メーカーのマーケティングにも向けられていることは理解する必要がありそうです。

そうはいってもまだ発売日も決まっていないバイオハザード5。Croal氏の指摘するように、欧米をはじめとする海外での発売が茨の道になるのかどうかは、メーカーの配慮や対応次第で、まだ充分に選択の余地が残されているようにも思えます。[size=x-small](ソース&イメージ: [url=http://multiplayerblog.mtv.com/2008/04/10/newsweeks-ngai-croal-on-the-resident-evil-5-trailer-this-imagery-has-a-history/]MTV Multiplayer: Newsweek’s N’Gai Croal On The ‘Resident Evil 5′ Trailer: ‘This Imagery Has A History’[/url], via [url=http://www.joystiq.com/2008/04/11/newsweeks-croal-on-re5-wow-clearly-no-one-black-worked-on-th/]Joystiq[/url])[/size]

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