E3 2007で初めてトレイラーが公開されて以来、海外で度々議論が繰り返されてきた、バイオハザード5の人種差別問題。
ゲーマーの間では、人種差別でははないとの見解でほぼ一致している中、「主人公が黒人女性の頭部を踏みつけて粉砕する過激なゲーム中の表現は、ただのゲームだから、という単純な説明だけでは済まされない。」とUKのサイトがプレビューで追及。それを発端に、アフリカ系のジャーナリストが便乗してブログで批判するなど、来週に迫った海外リリースを目前に、再びあちこちで議論が巻き起こっていました。
この議論に終止符を打つべく、今週VideoGamer.comが、ケント大学で人類学科を担当するGlenn Bowman氏に調査を依頼。人種差別問題のプロフェッショナルだという氏に、バイオハザード5の最初の3ステージを実際に見てもらい、ゲームに人種差別の要素があるかどうかをズバリ質問。
インタビュー形式で語られるBowman氏の入念な分析は2ページに及び、最終的には「人種差別ではない」とはっきり結論付けています。
ゲームの出演者も人種差別論を否定。
黒人のキャラクターが悪役として描かれるのを人種差別だと認識するのは、愚かな過剰反応だと反論するBowman氏。バイオハザード5が人種差別的要素を持たないポイントとして、ゲーム中に登場するアフリカ系のゾンビ達は、自らの意思ではなく、第三者のテロ企業によって操られる、ある種の犠牲者であることを指摘。こうしたストーリー設定に加え、恐怖を演出するためにゲーム中で語られる神話的(非現実的)な要素は、植民地化の歴史や貧困の問題を抱える現実のアフリカとはかけ離れていることなどを挙げています。
また、AP通信の記事では、プロデューサーの竹内氏が自らこの問題を弁護しています。
“我々は、社会のある部分を侮辱するようなものを作ることは望んでいません。同時に、アフリカやアラブ諸国をゲームの舞台にすることが人種差別だと言われるのも疑問です。娯楽を生み出すクリエイターとして、その問題に向き合い、適正なバランスを取ることは重要です。”
発売されたゲームをプレイすれば、人種差別問題は誤解であることが気付いてもらえるはずだと竹内氏。あとは各ユーザーが実際にその目で確かめて、判断するべきかもしれません。
日本では3月5日に先行リリースされ、早くも好調な売れ行きを見せているバイオハザード5。北米やヨーロッパでは一週間遅い3月13日に発売されます。(ソース: VideoGamer: Expert delivers verdict on Resi 5 racism row, イメージ: Penny Arcade!)
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