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『ドラゴンクエスト』ロトシリーズ駅伝大会が本日正午から開催、ドラクエI・II・IIIでリレー方式RTA

ゲーム文化 カルチャー


国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズでの駅伝方式タイムアタック大会が本日3月16日正午から開催されます。採用タイトルはいわゆる「ロトシリーズ」、三部作(に後付設定された)ドラクエ『1』『2』『3』です。プラットフォームはいずれもSFC版を採用。プレイは3→1→2の順。予選を勝ち抜いた猛者9名が鎬を削ります。

と、いきなり紹介したところで「わけがわからないよ」な方も多々いらっしゃると思いますので解説。『ドラクエ』シリーズのリアルタイムアタック(RTA、英語ではSpeedrunなどとも呼ばれる)の歴史は長く、じつはその発祥地は不明です。

海外にはこんなサイトもあります。

『ドラクエ』の考察が形のある成果物としてアウトプットされ始めたのはパソコン通信の時代にまで巻き戻るものと推測されますが、記者が知る限り揺籃の地は東京大学ゲーム研究会や、極限攻略研究会です。当時は今ほど情報が流通していなかったにもかかわらず、数式やゲーム内パラメータ分析など、定量的なデータに基づいたアプローチを実践。当初の主な「攻略」は低レベルクリアでした。

そして時代は流れ、ゲームプレイ配信の時代に突入します。最初に火付け役となったのはおそらくPeercast。P2P方式のストリーミング配信ツールです。有名匿名掲示板の某スレッドで取り扱われはじめ、瞬く間に配信者が増えました。
※映像にかかる権利等に繊細な部分があることをご理解ください

リアルタイムで視聴者とやり取りをする形式がもたらす独特の一体感と共に、副次的にではあるものの「ズルや詐称のし辛いタイムアタックプレイ」をすることができるようになるという革命が起きました。それまでにもタイムアタックに挑戦していた豪の者はいましたが、如何せん証明手段に乏しくマイナーの領域から脱することができませんでした。しかしここで一躍脚光を浴びるプレイングへと変質します。

中でも注目を集めたのがSFC版『ドラゴンクエストIII』。ありとあらゆる調査がなされ、3時間台でのクリアが一般化します。この時点で常軌を逸していますが、さらに進化は止まりませんでした。ほぼすべての『ドラクエ』シリーズ作品がRTAの対象となり、研究されていくことに。同時に、他のあらゆる有名タイトルも攻略されていきましたが、それは今回はさておきます。


上掲スクリーンショットの動画。記録2時間41分26秒。

そして現在。ニコニコ生放送、USTREAM、Livetube、TwitchTVといった翼を獲得したゲーマー達が日夜RTAに没頭しています。とくにニコニコ生放送では「RTA」で検索すれば正気を疑うくらいバラエティ豊かな挑戦が配信されています。中にはクリアまで10時間以上かかるものも。

さて、前振りが長くなりすぎましたが、一言でまとめると「RTAは芸術」ということです。今回のロト駅伝に参加するアーティスト9名は先程もご紹介した通り、ふるいに掛けられた猛者ばかり。1位のタイムは、『1』が1時間22分・『2』が3時間17分・『3』が2時間41分。フレーム単位にまで精密なレギュレーションや、世界的なリーダーボード、正当性の証明手段等があるわけではないので厳密な部分で断言はできないものの、とくに『3』のタイムは世界記録級です。皆さん、最初に『ドラクエ3』をプレイした時クリアまでどれくらいかかったか思い出してみてください。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


視聴にあたり細かな説明をしてしまうのも無粋ですが、せっかくですので見所をいくつか簡単にピックアップします。

ドラクエ3

  • 最初のルイーダの酒場でのキャラメイク。全てスタミナの種に振ることで"タフガイ"を目指しますが、ここは運です。記録狙いのプレイではリセットもザラ。しかし一発勝負の駅伝ではそうはいきません。いきなり地獄が始まる可能性も。

  • ピラミッドで魔法の鍵や金策アイテム回収まで。レベル2くらいで突っ込むため、「にげる」に連続して失敗すると軽く全滅します。この後、ようやく「はがねのムチ」などを購入し戦闘できるように。

  • 「ニフラム」をガンガン使います。経験値がもらえなくなることから使用を敬遠していたゲーマーも多いかと思われますが、ことRTAでは話は別。片端から光の彼方へ消し去ります。こんなヤツにまで使うのか、というくらい有効。

  • フラグは当然最低限しか回収しません。たとえば、カンダタを倒して回収するはずの王冠は放置して進みます。

  • フラグが立ったからだ!

  • 「メタルスライム」を狩ってのレベル上げ。大きな関門です。敵を混乱させるアイテム「どくがのこな」を駆使して倒していきます。目標はレベル21で最重要呪文の1つ「バイキルト」を覚えること。ここにランダム性があるので、しばしば地獄の釜の底になります。

  • 「バラモス」戦。盛り上がりポイントです。ご存じの方も多いかと思いますが、この魔王には「ラリホー」が通ります。そこで「ねむりのつえ」と「ラリホー」を連打して無力化を試みます。前日バラモス様が睡眠不足気味か、気力充実しているかが勝負の分かれ目。

  • 「ゾーマ」戦。RTAでは確実に魔王の名に恥じない壁となります。攻撃パターンにローテーションがあるわけではないため、通常攻撃が2連続で飛んできただけで半壊しかねません。そこであらゆる手段で対策を講じます。たとえば「やいばのよろい」の反射ダメージをダメージソースにする、呪われた装備「ふこうのかぶと」を防御役に敢えて装備させるなど。「マヒャド」は優しさです。倒したら無事エンディングへ。

  • ほかにも見所としては、"相手にバイキルトをかけると痛恨の一撃を出さなくなる"という仕様を突いて倒す「ボストロール」戦、シリーズ中でも数少ない3回攻撃を繰り出してくる「バラモスブロス」戦や、MP回復アイテム「いのりのゆびわ」が運悪く全て壊れてしまった場合ほぼ代替案がなく事実上のリタイアになることなど、いろいろありますが省きます。

    ドラクエ1

  • じつはパターンが煮詰まっており、終始安定したプレイングになります。それゆえ、プレイヤーの技量や操作スピードが要求されることになるでしょう。最大の盛り上がりは「りゅうおう」戦。MP及び「やくそう」枯渇が先か、竜王が倒れるのが先かのチキンレースになります。


  • ドラクエ2

  • 「ムーンペタの町」付近で出てくる最悪の敵「マンドリル」。『2』をプレイしたことのあるゲーマーならその名を聞くだけで悶死するとか。

  • レベル5までムーンブルクの王女は即死。

  • 「はぐれメタル」を狩れるかどうか。あまりにも影響が大きく、かつ運に左右されるためニコニコ動画の記録では何体はぐれメタルを倒したかで区分するほどです。

  • いかずちの杖目当てで戦うローレシア地下の「あくましんかん」。「マホトーン」が即座に通らなかったらそれだけで全滅します。

  • ロンダルキアへの洞窟。幼少期にFC版で狂気を植え付けられた方もいらっしゃることでしょう。SFC版でもやはり洒落になっていません。

  • ハーゴン城までの道のり。知る人ぞ知る「ブリザード」と「ギガンテス」が立ちはだかります(ただしザコ)。ブリザードの「ザラキ」は対処法が一切無く、死ぬときは死にます。今回は駅伝ですから、どれだけアドバンテージがあっても最後の最後まで気が抜けません。

  • ほかには、「パズズ」にザラキが通るかどうかが運頼みであること、「シドー」の機嫌もとい攻撃パターン次第ではMPが枯渇し全滅することなどが見所。特にラスボス戦は、サマルトリアの王子による「ザオリク」なくしては成立しません。ゲーム開始直後にイライラするイベントと意外なほど戦力にならない彼へ不平を漏らしたことがある場合、今一度再評価の必要があります。

    長くなりましたが、ドラクエRTA界の概略と本イベント見所の解説でした。今回ご紹介したのはロト3作駅伝ですが、じつはつい先日2月9日に第10回ドラゴンクエストRTA駅伝対決ロト&天空シリーズが実施されたばかり。苛烈を極めた戦いの様子はニコニコ動画などにアップロードされています。興味がわいた方はぜひチェックしてみてください。そして「はんにゃのめん」を装備させられ混乱し孤独に肉の壁を果たすトルネコあたりで涙しましょう。

    ※UPDATE: 記事初出時、「マンドリルが出現するのはベラヌール」と記載していましたが、「ムーンペタ」の誤りでした。訂正してお詫び致します。コメント欄でのご指摘に感謝します。
    (ソース: ニコニコミュニティ)
    《Gokubuto.S》

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