【GDC 14】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

【GDC 14】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ

既報の通り、ソニー・コンピュータエンタテインメントはGDC 2014で3月18日(現地時間)、PlayStation 4対応のVRヘッドセット「Project Morpheus」(プロジェクト モーフィアス)を正式発表しました。

ニュース 最新ニュース
【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
  • 【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ
既報の通り、ソニー・コンピュータエンタテインメントはGDC 2014で3月18日(現地時間)、PlayStation 4対応のVRヘッドセット「Project Morpheus」(プロジェクト モーフィアス)を正式発表しました。

会場ではSCE Worldwide Studiosの吉田修平プレジデント、SCE Research and Developmentのリチャード・マークス氏、アントン・ミハイロフ氏が登壇し、ビジョンや開発機のスペックについて説明しました。

PS4には有線で接続され、解像度は1080Pで視野角は90度以上。スピーカー機能を内蔵し、3Dサウンドの出力に対応し、頭の向きによってサウンドの方向が変化します。ヘッドトラッキングは内蔵の加速度センサーとジャイロセンサー、そしてPlayStation Cameraによって行われ、リアルタイムに映像に反映されます。

デュアルショック4だけでなく、PlayStation Moveでの操作にも対応し、モーフィアスでVRの映像を体験しながら、実際に腕を振って剣を振るうなどの操作も可能。ユニークなところではゲーム画面をテレビにミラーリング出力して、他のプレイヤーと協力・対戦プレーなどもできます。なお、これらのスペックは今後修正される可能性があります。

はじめに吉田氏は「ゲーム業界では技術の進化が梃子となって、新しい体験を創出してきた」と切り出し、PSが切り開いてきた、さまざまな技術オリエンテッドな体験(3Dグラフィックス、ブルーレイ、シェアボタンなど)について振り返りました。そして「これらの新体験が次の標準となり、ブランドを作り上げる」と続け、「次のイノベーションはVRだ」と説明しました。VRは「存在感」を提供する上で最も良いイリュージョン(魔法)を提供するといいます。

もっともSCEはVRに関して、さまざまな研究開発を行ってきました。PlayStation MoveをHMDに装着して、ヘッドトラッキングに使用するなどは、その一例です。これらの成果は、2012年に配信されたPS3向けアクションアドベンチャー『DATURA』で、その一部が垣間見られました。その後も社内で研究開発が続けられ、このたびはれて一般向けに披露。吉田氏は「多くのディベロッパーからフィードバックを受けて、プロトタイプを改善していきたい。それがGDCで発表した理由だ」と語ります。

■PlayStation Moveでの操作にも対応し、さらなる没入感を提供
続いてリチャード・マークス氏がモーフィアスのコンセプトを「サイト」「サウンド」「トラッキング」「コントロール」「イージーオブユース」「コンテンツ」という、6つのキーワードで表現しました。

「サイト」とは文字通り視界のことで、これまでにもソニーではさまざまなHMDを発売してきましたが、モーフィアスはゲームに最適化されているため、それらとは一線を画す体験になるとのこと。ヘッドマウントユニットを頭部に被ると、プレイヤーの眼前に迫力ある広大な3D空間が出現します。

VR体験には「サウンド」の要素も欠かせず、SCE独自の3Dオーディオ技術が採用されます。映像とサウンドはトラッキングによって追随。前述の通りPlayStation Moveでの操作と併用すれば、実際に異世界に入り込んだかのような感覚で楽しめるといいます。

一方で使い勝手が良くなくては、ゲーム機の周辺器機としては失格で、電源オンでの抜き差しなどにも対応。質疑応答では「開発機は有線接続だが、ワイアレス化は大きな技術的挑戦だ」というコメントも聞かれました。またプラットフォームホルダーとしてSDKなどを早期に提供すると共に、業界内でエコシステムを作り上げたいと抱負が語られました。

最後にモーフィアスでゲームデザインがどのように変わるか、アントン・ミハイロフ氏がキーワードをあげて説明しました。

一般的にモーフィアスのようなHMDは周辺器機だと捉えられがちですが、実際にはそれによってゲームデザインがガラッと変わってしまうため、考え方の変化が必要だとミハイロフ氏は語ります。ミハイロフ氏曰く「VRは周辺器機ではなく、メディアだ」とのこと。中でも一番重要なのが、何度も登場した「存在感」で、これを軸にしたゲームデザインが求められます。

■ゲームをVRの世界に牽引するために業界で盛り上げていきたい
存在感は単に視覚的表現に留まりません。例としてPlayStation Moveと併用する場合、手の動きもセンシングされます。このとき壁に向かって手を突き出すとどうでしょうか。プレイヤーの手はまっすぐ伸びても、キャラクターの手は壁にめり込まないように、手を途中で止めるなどの配慮が必要になります。つまりVRで本当に存在感を尊重するためには、細かいところでさまざまな配慮が必要になるというわけです。3D酔いについて、さらなる配慮も必要でしょう。

一方で視界や聴覚が高いレベルで支配されているため、ふだんのゲームとは比べものにならないほど、感情が刺激されることは言うまでもありません。ホラーゲームなどと非常に相性が良いことは、すぐに想像がつくのではないでしょうか。他にモーフィアスを装着してのMMORPGなどは、誰でも考えつくところ。初心者が上級者に、バーチャル世界で実際にコーチを受けながらプレイする、などもあり得るでしょう。

さらにミハイロフ氏はモーフィアスを装着しているプレイヤーと、それ以外のプレイヤーによる対戦・協力プレイなどのアイディアも披露しました。ゲーム中に役割を変えて、モーフィアスを装着しなおして続きをプレイ、といった展開もあり得ます。ミハイロフ氏は「VR体験はソーシャルなもの」として、一人でもくもくと遊ぶだけのモノではないといいます。

ゲーム業界でバーチャルリアリティといえば、昨年のGCCで一躍目玉となったオキュラスリフトがあります。同社に協力してソフトウェアを作り込んでいるのが、FPS『ハーフライフ』などで知られるバルブです。吉田氏は「彼らのプロトタイプをいち早くリリースして、情報や技術を共有していく姿勢をリスペクトしています」といいます。

実際、オキュラスリフトは発売前にもかかわらず、すでにディベロッパーや研究者が入手し、さまざまなコンテンツを開発するなどして、たくさんのフィードバックを提供しています。吉田氏は「そうした姿勢に私たちは大きなインスパイアを受けると共に、励まされました」とコメント。ゲームをVRの世界に持っていくために、もっともっと議論していきたいと語りました。

【GDC 2014】「Project Morpheus」は「周辺器機」ではなく「メディア」で、すべてを変えていく…SCEセッションレポ

《小野憲史》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

ニュース アクセスランキング

  1. Epic GamesストアにおけるPCゲーム無料配布の今週分は日本対象外―4月5日はSFRPG『アウター・ワールド』&アクションADV『Thief』予定

    Epic GamesストアにおけるPCゲーム無料配布の今週分は日本対象外―4月5日はSFRPG『アウター・ワールド』&アクションADV『Thief』予定

  2. “ゲーム中毒になったから”訴訟します!…米で相次ぐ訴訟に大手ゲーム会社反論「憲法に違反する」

    “ゲーム中毒になったから”訴訟します!…米で相次ぐ訴訟に大手ゲーム会社反論「憲法に違反する」

  3. 3分の2近くの人員を投入し『ウィッチャー』新作開発が本格化か?CD PROJEKT REDの2024年度人員配置が明らかに

    3分の2近くの人員を投入し『ウィッチャー』新作開発が本格化か?CD PROJEKT REDの2024年度人員配置が明らかに

  4. 2023年ゲーム賞を席巻した『バルダーズ・ゲート3』が3,828円!『スーパーマリオRPG』『テイルズ オブ アライズ』もお買い得なゲオ店舗セールを現地調査

  5. 『AC6』や『Ghostwire: Tokyo』が3,499円、スイッチの新品ソフトも2,999円! PS4は2,000円以下も豊作─ゲオ オンラインの新セール対象をチェック

  6. 『Hellgate』またもや復活!?ハクスラシューター『Hellgate: Redemption』発表―「やり残したこと」を生みの親自身による清算へ

  7. 『Risk of Rain 2』や『Vampire Survivors』などの開発が参加する謎のプロジェクト「iii initiative」が進行中―29日午前3時に新情報公開

  8. 賞金稼ぎRPGシリーズ最新作『メタルサーガ ~叛逆ノ狼火~』最新プロモーション映像公開!音楽はベイシスケイプの工藤吉三氏が全楽曲担当

  9. 『ライフ イズ ストレンジ』などで知られるDON'T NODが「RPG」「ナラティブADV」「アクションADV」に特化した3つの部門を新設

  10. ニンテンドースイッチ後継機2025年3月発売へ―日本経済新聞が報じる

アクセスランキングをもっと見る

page top