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今、ゲーム文化のあり方が問われる―「GamerGate」が向かう先に何があるのか

最近、「GamerGate」関連のニュースが海外の大手メディアで取り上げられることが多くなっています。

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今、ゲーム文化のあり方が問われる―「GamerGate」が向かう先に何があるのか
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最近、「GamerGate」関連のニュースが海外の大手メディアで取り上げられることが多くなっています。「#GamerGate」ハッシュタグとともに、ゲームやゲームメディアのあり方についての議論がTwitterやインターネット掲示板上で交わされていましたが、議論が活発になるにつれて現れた一部の過激なユーザーによる殺害・暴行予告や差別的発言などが大きく報じられている状況です。


今年8月下旬頃、Zoe Quinn氏やAnita Sarkeesian氏の事件を受けてゲームメディアのあり方やゲームの多様化の必要性が「#GamerGate」ハッシュタグとともにネット上で議論されるようになりました。ゲームキャラクターの声優も務めているハリウッド俳優アダム・ボールドウィンが同ハッシュタグを用いて発言したことから一気に拡散し、Twitterや4chan、redditなどのネット掲示板でさらに議論が盛り上がったものと見られています。

しかし議論が過熱しすぎた結果、今年9月には大手掲示板の4chanが、掲示板が荒れてしまったことを理由に「GamerGate」関連のスレッドを確認し、排除を始めました。反発したユーザーは8chanに活動の場を移し、さらに議論を続けました。余談ですが、8chanのドメイン自体は昨年の10月には取得されていたものの掲示板としての歴史は浅く、現在同サイトは日本の2ちゃんねるとのパートナーシップを結ぶ活動などを行っているとされています。

「GamerGate」コミュニティーでは、女性のゲームプレイヤーが半数を占める欧米のゲーム市場に向けた提言や、ジャーナリズムについての真摯な意見も多く見られます。しかし、一部のネットユーザーによる反フェミニズム的な過激な発言や、IntelへのニュースサイトGamasutraからの広告取り下げキャンペーンなど、悪い部分が目立つようになってしまいました。

今月に入ってからも、テロ予告によりユタ州立大学でSarkeesian氏の講演がキャンセルされた事件や、独立系ゲーム会社の創始者で開発者のBrianna Wu氏のツイートに対し「GamerGate」コミュニティーからDoxxing攻撃と暴行・殺害予告が送られる事件などが相次いでいます。


Wu氏はワシントン・ポスト紙に自身の意見を寄稿しています。「レイプや殺害予告という脅迫行為が女性ゲーマーを恐怖に陥れている。なぜテック業界の男性は何も言わないのか?」という見出しで、「ビデオゲームは30年の間、男性が開発し男性向けに売られて来たこともあり、男性の倫理観に基づいた女性の表現が多く目立ちます。その結果、多くの人がゲームは男性のものであるという意識を持ってしまいました。GamerGate(による過激な活動)を止めるには、女性だけでなく、男性も関わっていく必要があるのではないでしょうか」と語っています。

10月21日には、米大手ニュースTV局MSNBCが番組内で「#GamerGateはゲーム文化のティーパーティー運動か?」というタイトルで討論を行うなど、英語圏のメディアは引き続き事態の展開に注目しているようです。

女性差別や過激なユーザーによる好ましくない行為がクローズアップされがちではありますが、先に述べた通り 「GamerGate」は様々な側面を持っており、真面目で真摯な議論が交わされてるもの事実です。ゲームを愛する全ての人が冷静に良識を持って、ゲーム文化を良い方向へ導く議論が多く交わされることを願うばかりです。
《Daisuke Sato》
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