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【特集】『Hearthstone』座談会―新拡張「The Grand Tournament」を日本のトップ選手3人が語る

8月25日、Blizzardのデジタルカードゲーム『Hearthstone』に拡張セット「The Grand Tournament」が登場し、新カードが132枚追加されました。国内トップの3人が新要素の感想や最強のデッキとその対策、そして今週に控える世界大会日本予選への意気込みなどを語ります。

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■シークレットパラディンとの対戦

――それでは現環境最強のデッキ「シークレットパラディン」とその他のデッキの相性について見ていきましょう。まず一部流行を見せている「ドラゴンプリースト」はいかがですか?

koroneko: 手札にドラゴンがいると3/6 トーントになる「Twilight Guardian」を4ターン目に出して、除去されなかったらドラゴンプリーストが有利、除去されたら不利、という感じですね。

――Twilight Guardianがキーカード、ということですか。

koroneko: シークレットパラディンはTwilight Guardianのヘルス6を削るのがなかなか大変なんです。1撃で6点を与えるカードもないので。

cross7224: 一応、「Bressing of Kings」という突破手段はあります。それでTwilight Guardinを突破されるとドラゴンプリーストはつらいですね。

civila: ドラゴンプリーストって、ミニオンで押していくデッキなんですよ。序盤でコケちゃうと、挽回のスペルが少ないので全体除去のHoly Nova頼みになったりします。パラディン側もそれはわかっているので、一度盤面で有利になったらミニオンを強化したり、細かいミニオンを交換したりして全体除去1発で潰されようにします。


――結局のところ、ドラゴンプリーストも不利なんですか?

koroneko: cross7224さんのミッドレンジ型なら不利だと思います。Mysterious Challenger 1枚だけならなんとかならなくもないんですが、その後に大型ミニオンが来るともうお手上げなんですよ。


cross7224選手のミッドレンジシークレットパラディンと海外プロのRdu選手によるアグロシークレットパラディン、一般ユーザーによるレジェンダリー到達のドラゴンプリースト(リンクは外部サイト「Hearthpwn」のデッキガイド)

cross7224: Dr.Boomのほか、Mind Controlが入っていないせいでTirion Fordingも辛いんですよね。

――Mysterious Challenger 1枚で終わらないのは厄介ですね。

koroneko: Mysterious Challengerの強さは盤面の制圧力だけじゃなくて、「シークレットを5枚展開することでデッキを圧縮できる」点もあります。つまり、出した後にDr.BoomやTirion Fordingといった優秀なミニオンを引ける確率が上がるんですよ。

civila: デッキ圧縮って本当に強いですよね。TGT前にシークレットパラディンをやっていた時期もあるんですけど、序盤はまあまあ強いんですよ。ただ終盤でお互いトップデッキ対決になったときにシークレットを引いちゃうのがすごく弱い。Mysterious Challengerはそこが改善されているのが恐ろしく強いです。


――重いミニオンが入っていない、アグロ型のシークレットパラディンとドラゴンプリーストなら?

civila: ドローの回り方で勝負が付くケースが多いですね。パラディンが展開したミニオンをHoly Novaでリセットはできるんですけど、そこから手札を補充されちゃうとまた展開されるじゃないですか。2回目となるとプリーストの除去が追いつかなくなるんですよ。

――アグロ側がドローできるかどうか、ということですか。

civila: 手札がなくなれば押し戻せるんですけど、補充されるとこっちのヘルスがなくなりますね。それと、地味にMuster for Battleのおまけハンマー計4点とか、Coghammerの計6点とか、暇なときにぽんぽん殴られてフェイスダメージ、というのも痛いです。

――シークレットパラディンに有利なデッキは?

cross7224: 今のところフェイスハンターだけですね。

koroneko: シークレットパラディンって回復もトーントもないし、入れてるタイプもあるけど大抵はそんなに強いトーントじゃない。cross7224さんのタイプだとConsecrationが1枚しかないから、序盤にミニオンを並べられると取り返しに苦労する。だからフェイスハンターだけは有利なんですよ。

――フェイスハンター以外では?

koroneko: それが、ピンと来ないんですよね。それがシークレットパラディンの強さなのかなっていう気がします。

――パトロンウォリアーなどは?

civila: アグロ型には全体打点が刺さるので結構勝てますね。ただPiloted ShredderとかLoathebとかDr.Boomといった重たいミニオンが出てくるとヘルスが持たなかったりして、コンボするまで我慢できずに負けちゃったりします。

――シークレットパラディン対決はどちらの型が有利なんでしょう?

koroneko: アグロが確実に有利だと思いますよ。

cross7224:特にDivine Favorが入っていないタイプの、Secretkeeperを入れたシークレットパラディンが同系では一番強いですね。基本的にはアグロのほうが有利なんですけど、Divine Favorがミラーマッチだと刺さらないので、それが足かせになって返されるときがあります。Divine Favorがほかの4マナコストミニオンになっているのが理想でしょうか。

――ちょうどフェイスハンターとミッドレンジハンターの違いのようですね。同系ではフェイスが有利だけど、ドラゴンプリーストなど重めのデッキにはミッドレンジが有利。

cross7224: 似てますね。

civila: 戦い方もハンター対決とほぼ同じですね。先手を取った側、つまりはミニオンの処理を相手に押し付けたほうが有利なんですよ。アグロのほうが事故が少ない分、ミニオンを先に置けますし、特にSecretkeeperを先に出したら相手だけシークレットを使えなくなるので、そこが大きいですね。


――そういえば、Secretkeeperは相手のシークレットにも反応するんですね。

koroneko: そうなんですよね。僕もシークレットパラディンを始めたばかりの頃に同系と当たって、Secretkeeperを出してきた相手に「ああ、アグロ系か……」と思いながらシークレットを置いたら強化されてしまって(笑)。あれ!? と思いました(笑)。

――ありますね(笑)。

koroneko: 大会では強化したSecretkeeperでディバインシールドをつけられたこともあります。そのままサンドバッグになって負けました(笑)。

■対策のカード

――なんだかんだでシークレットパラディンは強い、ということですか。

cross7224: あまりにも弱点が少なすぎますね。

civila: 特にTGT実装直後のランクドマッチで言えたんですけど、「新カードを使っているデッキ」に強いんですよね。「ドラゴンデッキ」とか、皆が遊びたいデッキに強い。それにシークレットパラディンも新しいデッキじゃないですか。「新カード楽しみながらゲームを回しているのに勝てちゃう」みたいなところがあります。

TGT直後はドラゴンウォリアーとかいましたけど、全部シークレットパラディンに食われていなくなっちゃいましたからね……。

――対策としては……デッキにディバインシールド持ちが多いので、吸収できるBlood Knightを入れるのもありですか?

koroneko: 1枚挿しならぜんぜんありだと思いますよ。

cross7224: 最近はArgent Squireを入れたタイプも増えてきましたし、割と刺さりやすいと思います。

civila: シークレットパラディン側がミラーを考えてBlood Knightを入れるのはいいと思うんですけど、ほかのデッキだとシークレットパラディン以外のデッキに対する勝率が落ちるんですよね。

koroneko: シークレットパラディンが流行りすぎてるせいか、最近はランクドでFlareを入れたハンターと当たるようになりましたね(笑)。


――Flareは実際、シークレットパラディンに有効なんですか?

koroneko: うーん……という感じですね(笑)。

civila:序盤に相手がミニオンを出さずに2枚、3枚とシークレットを張ってきたら当然Flareは刺さりますけど、基本的にはフィニッシャーというか。「トーントにサイレンスを撃つ」みたいな感じで、「シークレットにFlareで攻撃を通す」ために使う場合が多いですね。

――「Mysterious Challengerを出された返しのターンにFlareを使っても有利にならない」ということですよね。

civila: 先にこちらがSavannah Highmaneといった大きなミニオンを出していれば別ですけどね。相手が返しに出したMysterious Challengerのシークレットをカウンターして、自分のミニオンを活かすことができるので。

こちらにミニオンがいない場合、「シークレットを破壊しても6/6が残る」という点がやはり厄介です。

cross7224: Mysterious Challengerが出てくる前に盤面を取れればいいんですけど、そもそもハンターがパラディン相手に盤面を取るのが難しいんですよね。それが前提のFlareは……やはり怪しいですね。テックカードとして入れるのはありだと思いますが、信用しきらないほうがいいでしょう。

――Blood KnightとFlareだったらどっちを入れたいですか?

koroneko: ランクドならFlare入れたいですね(笑)。

civila: 僕も同じです(笑)。

■BO5(5本勝負)の試合での対応方法

――大会ではシークレットパラディンにどう対応しますか?

koroneko: そのことについて僕もcross7224さんと一緒に話してたんですけど……。今は「シークレットパラディンの明確な対策はないから相手に1勝あげます」ってcross7224さんが言ってて、僕も同じ意見なんです(笑)。対策がないんですよ。

cross7224: 大会のBO5だとデッキを3つ用意するんですけど、今の公式フォーマットのコンクエストだと勝ったデッキが使えなくなるので、選択したデッキ3つ全てがシークレットパラディンに強くないと対策にならないんですよ。それで、今の環境だと「シークレットパラディンに強いデッキを3つ用意する」のが不可能に近いので……。相手のシークレットパラディンに1勝渡すこと前提でデッキを組んだほうが楽なんですよね、正直。

――TGT前に猛威を振るっていたパトロンウォリアー以上に凶悪、ということですか?

cross7224: 個人的にはパトロンウォリアー以上だと思ってます。

civila: 大会だと、フリーズメイジぐらい特殊なデッキだと「それを絶対に通さない」というデッキ選択もありだと思うんですが、シークレットパラディンって序盤から並べて勝つデッキなので、いくら対策しても相手が回ったらお終いなんですよね。だからピンポイントの対策が無駄になる可能性がある。結局、単純に強いデッキを3つ選んで勝ちにいったほうがいいのかな、という感じはしますね。

――「対策したけどこちらが事故で終わる」という展開もあり得るわけですね。

civila: 当たったときの立ち回りは覚えておいたほうがいいですけど、「絶対に勝つ」というよりはある程度はあきらめて、ほかのデッキとの試合をがんばる、もしくは自分もシークレットパラディンで戦う、という感じですね。

cross7224: シークレットパラディンにそこそこ戦えるデッキを3つ用意することはできるんですけど、それでも「負けたらしょうがない」という感じですね。

※次ページ: 世界大会の日本予選に向けて、トッププレイヤー3人が準備するデッキとは?

《nemuke》
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