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Blizzardに『ハースストーン』日本上陸の真意を訊く―「ぐったりガブ飲み亭の常連」は意図された翻訳なのか

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Blizzardに『ハースストーン』日本上陸の真意を訊く―「ぐったりガブ飲み亭の常連」は意図された翻訳なのか
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今月、Blizzard Entertainmentより、フルローカライズバージョンのリリースおよび正式な日本展開が発表された、PC/モバイル対応のFree-to-Playオンライン対戦カードゲーム『Hearthstone(ハースストーン)』。すでにローカライズ前から幅広いユーザーに遊ばれており、アジア地区予選を突破し世界大会に進出する日本人プレイヤーも現れるなど、徐々に熱を帯びてきています。

Game*Sparkとインサイドでは、Blizzardに長年在籍し、現在『ハースストーン』のエグゼクティブプロデューサーとして開発やビジネス面を統括するHamilton Chu氏にインタビューを行い、日本進出の真意や、ローカライズの具体的な仕様やこだわりまで、詳しい話を聞いてきました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

――最初に、Blizzardが『Hearthstone』というゲームを作ることになった理由を教えてください。

Hamilton Chu氏(以下Hamilton): Blizzardには、古くから本作のようなカードゲームが大好きなスタッフがたくさんいたのですが、カードゲームはどれもルールが複雑で敬遠されがちなのを残念に感じていました。そこで、もっとシンプルで誰でも楽しめるようなカードゲームが作れるんじゃないかという話になり、『Hearthstone』の開発が始まったのです。

――“Hearthstone”は『World of Warcraft』にも登場する、使用すると街など(Bind point)に戻れるアイテムですが、本作のコンセプトと関わりがあるのでしょうか。

Hamilton: ネーミングは難しかったのですが、フィーリングが合ったものを選びました。“Hearthstone”の安全な拠点に戻るというコンセプトは、ゲームが気持ちよく遊べること、安心して遊べるということ、ストレスフリーという3つの大きなポイントが反映されていると思います。でも、『Hearthstone』と『World of Warcraft』は世界観は共通でありながら、ゲーム性は全く違います。MurlocがRagnarosを倒したり、楽しくておかしなことがたくさん起こりますから。


――日本展開を決断した理由と、目指す方向は。

Hamilton: 以前から日本の市場はターゲットにしていました。トーナメントも開催され、今年はKno選手のようなプレイヤーも活躍しています。何より重要視しているからこそ、時間をかけてローカライズしてきました。本作ではゲームのフィーリングだったり、キャラクターの声だったり、ユーモアが重要なので、そこも大切にして日本語にしています。目指す方向としては、クロスプラットフォームもひとつですが、やはりグローバルに『Hearthstone』のコミュニティーを拡大していきたいというのがあります。また、新しいコンテンツを提供する際も、時差やタイムラグをなくして日本にも届けていきたいです。

――現在、日本人の『Hearthstone』プレイヤーはどれくらいいるのでしょうか。

Hamilton: ユーザー数は開示していません。しかしながら『Hearthstone』世界大会アジア太平洋地区予選では日本人プレイヤーに参加してもらっていることもあり、我々が日本を重要だと考えているのはお分かりいただけるはずです。


――10月にリリース予定の日本語版について。日本の人気声優を多数起用している意図を教えてください。

Hamilton:ボイスは『Hearthstone』にとって大きな役割を占めるため、クオリティーを追求した結果、必然的に有名声優さんにたどり着くでしょう。

――先日のイベントで日本語版のカードも一部披露されました。翻訳に関して、「Grim Patron」が「ぐったりガブ飲み亭の常連」だったり、「Loot Hoarder」が「戦利品クレクレ君」、「Shiv」が「ドス」だったりと、単純な直訳とは違った、独特で個性を感じさせるものになっていて、日本のプレイヤーたちも話題にしています。これは意図されたものなのか、調整中なのかどちらでしょうか。

Hamilton: 翻訳するのはひとつの挑戦です。もともと直訳するのは望んでいませんでした。理由としては、ゲームのフィーリングを伝えたいという考えもあってのことです。もちろん、うまく翻訳できているものと、違和感のあるものがあると思うので、日本のプレイヤーのフィードバックをもらいながら、時間をかけて良くしていこうと思っています。

――サーバーについて教えてください。先日のアナウンスでは、日本語版がアジアサーバーで利用可能になるという話もありましたが、実際のところはどうなのでしょうか。現状、Americas(NA)サーバーを選んでいるユーザーは日本語版を利用できますか。

Hamilton: サーバーは今まで通り自由に選んでいただけます。また、Americas/Asia/Europeどのサーバーを選んでも日本語版を利用できますし、これまで通り英語や他の言語も選択可能です。ただ、アジアサーバーは、コンテンツの配信タイミングや時差、トーナメント、マッチメイキングなどの関係上、全体的にメリットがあるのではと考えています。一方で、既存の北米サーバーを選択したユーザーとコミュニティーが分断されてしまうのを懸念していて、解決法を探っているところです。


――2015年8月には第3弾の拡張パック「The Grand Tournament」が配信され、カードのバリエーションは非常に幅広くなっています。今後もさらに拡張パックやアドベンチャーモードが追加されていくと、カードが多くなりすぎてデッキ構築や要素が複雑になる恐れも考えられます。例えば、大会などで使用カードを制限するといった方針は検討されていますか?

Hamilton: この問題は社内でもよく協議していますよ。例えば、ゲームをダイナミックにするにはカードを増やし、デッキバリエーションを多くするのが大切で、同時に増えたものをどうやって学んで、集めてもらうのかも大切で、その2つのバランスを常々考えています。もちろんカードセットを制限するのも選択肢のひとつですが、現時点で明確な答えは出ていません。『Hearthstone』が誰でも遊びやすくかつ手応えのあるものにするためのバランスは我々にとって需要な課題です。それに、Blizzardとしては大きなトーナメントだけに注力するのではなく、一般のプレイヤーも参加して楽しんでもらうのが一番大切です。

――ところで、新しいクラスとして(World of Warcraftに存在する)モンクやデスナイトは追加されないでしょうか?

Hamilton: (笑)。今のところ計画はありません。理由としては、現状、それぞれ異なる特性を持った9つのクラスがある中で、さらに新しいクラスが加わると、ユーザーの覚えることが増えてストレスになってしまう懸念もあるためです。

――最後に、今後の日本展開に向けてと、日本のプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

Hamilton: 今までローカライズされていないのに、長く遊んでくださっている日本のプレイヤーに感謝しています。日本のプレイヤーベースはとても規模が大きく、かつ情熱的なコミュニティーも作ってもらってありがたいです。日本語になって、これまで以上に友人同士で楽しんでほしいと思います。今後、日本だけのコミュニティーマネージャーを配属し、日本公式Twitterも用意するので、いろいろフィードバックをいただいて、改善点も見えてくると思うので期待しています。

――わかりました。本日はありがとうございました。

《Rio Tani》

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