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『Need for Speed』の日本人開発者インタビュー、歴史あるシリーズの完成形謳うリブート

2015年11月12日にいよいよ発売が迫る新作オープンワールドレーシングゲーム『Need for Speed(ニード・フォー・スピード)』。今回は10月26日に行われた日本発表会に来日した開発スタッフ、中村雄太氏に話を伺い、本作に込めた思いと魅力を語っていただきました。

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2015年11月12日にいよいよ発売が迫る新作オープンワールドレーシングゲーム『Need for Speed(ニード・フォー・スピード)』。架空の街を舞台に、ストーリーあり、オンラインでのコミュニケーションありと"ただ速く走る"だけではないのが本作の魅力といえます。

今作では、2人の実在の日本人が物語の重要人物として登場し、合わせて日本車も多数収録。圧倒的グラフィックを武器に、まるで映画のような演出で作品への没入を誘います。今回は10月26日に行われた日本発表会に来日した開発スタッフ、中村雄太氏に話を伺い、本作に込めた思いと魅力を語っていただきました。



◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

――はじめに自己紹介をお願いします。

中村雄太氏(以下、中村): みなさま初めまして。『Need for Speed』のアートディレクターを担当した、Ghost Gamesの中村雄太と申します。EAではかれこれ13年のキャリアがあり、過去には『Need for Speed』シリーズ計6作、他にもF1のゲームや『Burnout』にも携わりました。レースゲームばかりです(笑)。

EAでは唯一の日本人スタッフで、『Need for Speed』のフランチャイズをGhost Gamesに移行した時に一緒に移籍し、現在はスウェーデンに住んでいます。

――アートディレクターとは具体的にどんなお仕事なのですか?

中村: ゲームのビジュアルの監修が主な仕事です。『Need for Speed』はビッグタイトルなので、例えばクルマ専門、ユーザーインタフェース専門というふうに、セクションごとに担当アートディレクターがいます。私はその中で、世界観やムードを出す「ライティング」を主に担当しました。

具体的には、夜のクルマの輝きやライトの反射などに物理ベースのライティングを施すことで、現実の世界でクルマが動いているかのようなのようなフォトリアルなゲーム画面を構築。ストリートレーサーの夜の雰囲気を徹底的に表現し、濡れた路面などの細かい箇所にもこだわるなど、まるで映画のようで、かつ一目で『Need for Speed』と分かるような映像を目指しました。



――今回はサブタイトルがなくなり、タイトルが単に『Need for Speed』となりましたね。その意図を教えてください。

中村: 『Need for Speed』は、これまで毎年新作を発表してきましたが、実はこの1年お休みをいただいていました。毎作ごとに毛色の違う内容で発表してきた本作ですが、今回は過去作品の良いポイントや、ユーザーから評価が高かったポイントを改めて洗い出し、作品を煮詰めるうちに「これは続編ではなく完全に新作」「完成系だ」とスタッフから声が上がり、再出発、原点回帰という意味を込めてサブタイトルを省きました。

――対応機種もPS4、Xbox Oneなど新世代機ですね。

中村: 海外では、新世代機に乗り換えたユーザもかなり増えてきています。旧世代機にも対応させるとなると、我慢しなければならない部分が出てきて、せっかくの新世代機の足を引っ張ってしまいます。今回は再出発ですから、究極のグラフィックなどを追求し、ユーザーに最高の体験を提供したいと新世代機にフォーカスしました。



――新たな『Need for Speed』はどのような世界観なのでしょうか?

中村: ロサンゼルスをモデルにした架空都市「ベンチュラ・ベイ」が舞台となります。ただ街を再現するだけではなく、市街地はもちろん山のエリア、日本で言えば峠エリアも設定。エリアごとにそれぞれのドライビングスタイルでの走りを楽しめると思います。

シチュエーションは基本的に夜です。ストリートレーサーやアウトローたちがが実際に動き出すのはやはり夕方からですからゲーム世界でもその時間帯を再現しました。ただ、エリアによっては夕方や朝方のシチュエーションも再現していますので、街の様々な風景を楽しんでいただけます。

舞台はクローズドコースではなく街すべてです。バトル以外にも警察とのカーチェイスなどアクション要素もあり、他のカーアクションゲームにはない自由な世界が広がっています。



――新たに設けられた機能、そのほか注目のポイントを教えてください。

中村: まずはカスタマイズ機能の強化です。カラーリングの変更をはじめ、カウル、リヤウイング、ホイールなど様々なパーツが取り付けられ、世界で一台だけのオリジナルマシンを作り上げることも可能です。しかも実在のメーカーのパーツなのでリアル感たっぷりです。

それから新機能として「ラップエディター」を実装しました。用意されている様々なロゴやレイヤーを自由に組み合わせて車体にグラフィックを描けるので、ゲーム内でカスタマイズをする楽しみがより増えたと言えるでしょう。ユーザーがどのようなグラフィックを製作してくるかスタッフ側も楽しみですね。

ドライビングについては、クルマの挙動の計算は物理に基づいて行っていますが、あまりシミュレーションに偏ると操作が難しくなってしまいますので、ほどほどのところで楽しく運転できるような設定となっています。また、サスペンションなどを調整できるなど細かいセッティングも楽しめますが、ゲーム任せでドリフト寄り、グリップ寄りとハンドリングを設定することもできます。

『Need for Speed』はオンラインのゲームです。1人で遊ぶこともできますが、ネットに繋げば、街には常にフレンドがいます。クルーモードではチームを組んでのドリフトイベントなどもあるので、ただ速さを求めるだけではなく、様々なスタイルでゲームを楽しんでいただけるでしょう。



――ひと口に「クルマ」と言っても様々な車種がありますが、どういう視点で絞り込んだのですか?

中村: スポーツカーが基本なのですが、その中でカーカルチャーに影響を与えた車種を絞り込みました。新型車に限らず、日産・R32型スカイラインGT-Rやトヨタ・AE86型スプリンタートレノといった歴代の名車も収録。そのほかフェラーリやポルシェ、BMWなど多数のメーカーから合計51車種を収録しています。

51車種と聞くと少ないようにも思えますが、EAのクルマ情報専門のスタッフが厳選したものであり、それぞれの車種に豊富なカスタムメニューも用意しているので、飽きずに楽しんでいただけると確信しています。

――日本車だけではなく、ストーリモードには実在の日本人も2人登場しますね。

中村: 日本車はカーカルチャーにとってなくてはならない存在ですが、そのカルチャーの重要人物にも実は日本人が多いということが調べていくうちに分かりました。ビルドのカリスマとして登場する中井啓さんは、『Need for Speed』のなかでも重要なメーカーであるポルシェのカリスマビルダーですし、諸星さんは、YouTubeの動画にも取り上げられるようなアウトローで、しかもランボルギーニカスタムの世界でも有名です。

それにお2人は『Need for Speed』が求める人物像にも合致しました。そのストーリモードは、人物はすべて実在かつ実写ですので、かなりリアルなストーリーに仕上がっています。物語を追うごとに、プレイヤのモチベーションが上がること間違いなしです。



――発売後のDLCやアップデートの展開は考えていますか?

中村: もちろんです。カスタマイズの部分では、ラップエディターもアップグレードをしていく予定ですし、それ以外のダウンロードコンテンツも煮詰まってきています。しかもそれらはすべて無料で提供予定です。発売後もどんどん進化を続けていきます。

それから来年にはPC版も控えています。現在も開発が続いていますが、グラフィックの強化やフレームレートのアンロックなど、コンソール版よりもさらなる高みを目指し、ステアリングホイールやシフトノブなどのハードにも対応するなど、できる限りユーザーからの要望も拾い上げた上で、来年3月にリリースしたいと考えています。

――最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。

中村: 今回の『Need for Speed』はシリーズの完成系です。日本人もキーパーソンとして出演しますし、数多くの日本車も登場するため、国内のファンの方にも親しみを持ていただける作品に仕上がりました。11月12日、是非オンラインのストリートでお会いしましょう。

――本日はありがとうございました。
《阿部哲也》
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