「日本でBlizzardゲームを出すのが夢だった」『Overwatch』開発責任者が熱く語る | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「日本でBlizzardゲームを出すのが夢だった」『Overwatch』開発責任者が熱く語る

BlizzCon 2015会期中、『Overwatch』の開発を指揮するゲームディレクターJeffrey Kaplan氏の合同インタビューに立ち会い、様々な話を聞くことができたので、その内容をお送りします。

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Blizzard Entertainment初のFPS作品として、BlizzCon 2014で正式発表された『Overwatch(オーバーウォッチ)』。先日のBlizzCon 2015では、PS4/Xbox Oneコンソール版の発売を含む数々の新情報が解禁され、待望の日本語版もスクウェア・エニックスから発売が決定しました。

Game*Spark編集部は、BlizzCon 2015会期中、本作の開発を指揮するゲームディレクターJeffrey Kaplan氏の合同インタビューに立ち会い、本作の開発経緯からゲームプレイデザインの詳細、さらにはお蔵入りMMO『Titan』の裏話まで、様々な話を聞くことができたので、その内容をお送りします。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆



Jeff Kaplan: みなさん、本日はよろしくお願いします。インタビューの前に、BlizzConでの発表内容や本作の概要を説明します。この度、『Overwatch』は2016年春のローンチが決まって、予約も開始しました。製品版では21人のヒーローがフィーチャーされ、このBlizzConでもプレイアブルです。

『Overwatch』は本当にユニークな作品だと我々も感じていて、純粋なFPSでありながら、ゲーマーが好む様々なゲーム要素が踏襲されています。チームプレイ要素が存在するのは、MOBAプレイヤーの多くが興味を持つでしょう。キャラクターたちは力強く描かれています。アシスタントアートディレクターを務めるArnold Tsangは、『ストリートファイター』を死ぬほどプレイしている対戦格闘ゲームのファンで、そうしたジャンルからの影響があるのも明白です。

『Overwatch』の舞台は、明るくて美しく、希望に満ちた、色彩豊かな未来の地球で、美しいながらも一部では争いが起こっています。未来の地球を舞台にしたゲームの多くは、ポストアポカリプスやディストピアな世界観を採用していますが、本作ではBlizzardらしい自由なアイデアで、実在のロケーションを描いています。



BlizzConでは、3人の新しいヒーローを発表しました。メックパイロットのD.Va。彼女はメックが壊されても脱出して、走り回って戦い続けられます。Genjiは、半分人間、半分機械の強力なサイボーグ。彼の手裏剣の腕は殺人的に正確で、前に立ちふさがるものをはねのけるでしょう。MeiはOverwatchの科学者であり冒険家で、巨大な氷の壁を設置したり、自らが氷の中に包まれて身を守ったり、様々な凍結の能力を操ります。

BlizzConでの最も大きな発表のひとつは、『Overwatch』のコンソール版発売です。さらに、スクウェア・エニックスとパートナーシップを結び、日本でも発売できることに大変興奮しています。

――『Overwatch』が(発売前から)これほどファンに愛されているのはなぜでしょうか?

Jeff Kaplan: 本作では、それぞれのヒーローがとても個性的で、まったく異なるゲームプレイを味わえます。あるヒーローを使ってみてしっくりこなければ、別のヒーローを試してみればいい。もし体力の高いキャラがプレイしたければ、自分にバリアーを張って長く生き続けられるZaryaをプレイすればいい。ゲームプレイよりとにかくキャラの見た目を重視するなら、でかいアーマータンクのReinhardtがゴツくてクールだし、美女のSymmetraがしっくりくるかもしれない。ゲームプレイとビジュアルの幅広さ、そしてチームプレイが、ファンが『Overwatch』に強く惹きつけられている理由だと願っています。



チームベースのシューターはすでにたくさん存在しますが、そのほとんどはデスマッチに時間を費やすことになり、チームにいるにも関わらず試合後にスコアボードを見て、「いちばんキル数多くを取れたか」と言うでしょう。『Overwatch』はそのようなゲームではないのです。本作をプレイする時は、スコアボードで全員のキル数を見ることすらありません。『Overwatch』の対戦においては、「チームワークが成功して勝利できたか、全員で失敗したか」、チーム構成の要素、組み合わせ、それぞれの役割を果たせたかが全てです。ZaryaがGraviton Surgeで5人の敵を一箇所にかき集めて、HanzoがそこにSpirit Dragonを叩き込んで全滅させる―チームゲームプレイにフォーカスした本当にアメージングな瞬間です。

――製品版に収録されるヒーロー数は21体ですが、なぜその数字にたどり着いたのでしょう? 最初は12体でしたよね。

Jeff Kaplan: 数字に大きな意味はありませんが、ゲームが12体以上のヒーローをサポートできるか、判断しかねることが何度かありました。しかし開発のある地点、おそらくZaryaとMcCreeを発表したあたりですが、BastionやTorbjornの設置型の防御に対してプレイヤーが手こずっていて、我々は、関節射撃力を持つタイプのヒーローが不足していると気づいたのです。そこで追加されたヒーローが、壁に跳ね返るFrag Granadeや遠隔操作の爆弾を使用するJunkratです。



つまり、ヒーローの数は、その時にゲームが必要とするゲームプレイのバリエーションであって、21という数字が特別というわけではありません。ゲームプレイに十分なバリエーションと多様性があって、様々なタイプのプレイヤーに応じられると感じた着地点が、21だったのです。

――Jeffさんの役職や経歴など、自己紹介をお願いします。

Jeff Kaplan: 『Overwatch』のゲームディレクターを担当しています。他にプロダクションディレクターもいて、そちらはプロジェクト自体やチームおよびビジネスの責任者です。ゲームディレクターは、ゲームのクリエイティブ面に関する全ての責任者で、もしあなたがゲーム中の何かがダメだと感じたり、失敗していると思ったら、それは私の責任です。私を責めてください。

私はBlizzardに2002年5月に入社し、13年半在籍していることになります。最初は、『World of Warcraft』の開発のために雇われました。『WoW』開発初期の段階です。なぜ雇われたかというと、私は当時、意見を盛んに発する主張の強い『EverQuest』のプレイヤーだったので、Blizzardから『World of Warcraft』のデザイナーとして貢献できると判断されたのです。そして2004年の『World of Warcraft』ローンチに従事しました。その後、2007年には、Tom ChiltonとRob Pardoと共に、拡張パック『The Burning Crusade』のリードデザイナーを、2008年には次の拡張パック『Wrath of the Lich King』のゲームディレクターを務めました。

私は三重県に交換留学生をしていたことがあり、日本はとても馴染み深い場所です。鈴鹿市に近い磯山に3ヶ月ほど住んでいました。そんな事情もあり、Blizzardのゲームを日本で発売するのは、私のゴールだったのです。日本にいる間は、ステイ先の家族とファミコンやゲームボーイで遊びまくりました。当時アメリカで発売されていないゲームもたくさんありました。

私は日本におけるゲームの熱がどんなものか分かって、Blizzardに入社してからも、「どうやったら日本で愛されるゲームが作れるか、どうしたら日本で発売されるか?」を自分に問いかけていました。ですので『Overwatch』を発売できるのは、個人的にも本当にうれしいです。

次ページ: オーバーウォッチの更なるゲームプレイ詳細や開発裏話に迫る

《Rio Tani》
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