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【特集】『エースコンバット』歴代シリーズ解説―最新作『7』との関係は?(11/7更新)

この特集では人気フライトシューティングシリーズ『エースコンバット』の歴代シリーズを一挙に紹介し、新作がどのような立ち位置にあるのかを解説します。

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【特集】『エースコンバット』歴代シリーズ解説―最新作『7』との関係は?(11/7更新)
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■『エースコンバット04 シャッタードスカイ』


2001年9月13日にPlayStation 2で発売されたシリーズ4作品目。前作のSF展開から大きく変わり、ユリシーズ災害後に発生したUSEA大陸におけるエルジアとISAF(独立国家連合軍)との戦争を舞台にしたタイトルです。あらすじは、1999年に落下した小惑星ユリシーズ(1994XF04)による災害から4年後にエルジアが、諸外国との様々な対立や問題から中立国のサンサルバシオンへ侵攻し大陸戦争が始まるというもの。エルジアは、隕石対空砲ストーンヘンジを用いたことで優位性を発揮し、USEA大陸全土を手中に収めようとするべく各所へ侵攻します。ISAFが次々と領土を失うなかプレイヤーは、パイロット“メビウス1”となりISAFによる反抗作戦に参加します。

AWACSの通信や敵味方による無線セリフの入り交じる事が初実装となった他にも、映画『ラ・ジュテ』風の止め絵と片渕須直監督によるサイドストーリーが盛り込まれています(イラスト制作はSTUDIO 4°C)。登場機体的には日本とアメリカの共同開発による国産機F-2が初めて収録された作品です。ゲームシステムに大きな変化はありませんでした(特殊兵装といった別種のミサイルや爆弾を追加出来るようになった)が、グラフィックが向上し60fpsでの動作に加え、翼に発生する雲など飛行機が動くことで生まれる大気の現象も表現しています。

■『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー』


USEA大陸から舞台をオーシア大陸とベルーサ大陸に移し2004年10月にPlayStation 2で発売されたシリーズ5作目。あらすじは、プレイヤーはオーシア連邦サンド島のウォードッグ隊に所属する空軍パイロット“ブレイズ”となり、2010年に勃発したユークトバニア連邦共和国との環太平洋戦争に飲み込まれていきます。

脚本は片渕須直監督が続投され、英雄譚な物語が展開します。ツリー構造による機体のアンロックや4機による部隊運用、英語と日本語音声切り替え機能、『AC04』の後日談となるカティーナ作戦を描く「アーケードモード」も収録したタイトルです。またキャンペーンは、シリーズ最長となる27ミッション(分岐も含めると32)が収録されています。

■『エースコンバットZERO ザ・ベルカン・ウォー』


前作『エースコンバット5』で言及された1995年のベルカ戦争を題材としたシリーズ第6作目。本作は、シリーズだけでなくフライトシューティングゲームとしても原点回帰を目指したタイトル(そのため名前も「ゼロ」が含まれている)で、スタッフも従来作に参加していた者ではなく、新しい人員を迎え入れています。ベルカ戦争当時を回想するドキュメンタリー風の実写映像とラテン風な音楽も含め、『AC5』とは別方向のベクトルで高い人気を持っています。

プレイヤーはウスティオ空軍に所属する傭兵パイロットの“サイファー”となり、相棒の同空軍所属のパイロット“ピクシー(本名: ラリー・フォルク、通称: 片羽の妖精)”と共に、様々なエースと対決を繰り広げていきます。前作では英雄譚的な展開が多かったのですが、今作では戦争の闇や個人と個人のぶつかり合いに焦点を定めており、熱い展開が繰り広げられることも特徴的です。また国産機F-1も初めて導入されたタイトルです。

■『エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション』


2006年にPSPで発売されたアクセスゲームズ開発のシリーズ第7作目。舞台を南国のオーレリア連邦共和国に移し、プレイヤーは“グリフィス1”となりレサス共和国が占領した領土を解放し、戦争終結までを目指します。サイドストーリーでは、『AC5』で登場した記者のアルベール・ジュネットが再び登場し、止め絵演出を用いて戦争の細部についての調査を進めます。特徴としては悲劇でもなければ英雄譚とも一味違う、ノリの軽いストーリーや、『エースコンバット3』並に架空機が登場することです。なお2009年にはシリーズ第9作目となる前日譚の『エースコンバットXi スカイズ・オブ・インカージョン』が、iOS向けにリリースされていましたが現在は配信を終了しています。



■『エースコンバット6 解放への戦火』


2007年にXbox 360で発売されたシリーズ第8作目。舞台を2015年のベルーサ大陸北方にあるアネア大陸に移し、プレイヤーはパイロットの“ガルーダ1”となり突如侵攻してきたエストバキア連邦の攻撃から祖国のエメリア共和国を奪還するというもの。初めてオンラインマルチプレイヤーが実装された事に加え、DLCによる機体展開も実施されタイトルでした。コックピット視点の視野角が広がり、パイロットの膝あたりまで見えるようになりましたが、本作以降は再びHUD寄りの視野角に戻っています。

PS2で展開された3部作は止め絵や実写、そしてフルCGのプリレンダリングでカットシーンが表現されていましたが、今作で初のリアルタイムレンダリングを実現しています。グラフィックやフライトモデルは大きく向上。しかしながらフレームレートが30fpsへと半分になってしまった事に加え(当時は30fps動作になったことから、PS2での60fpsとプレイ感覚が違ってしまうことでも話題となった)、ゲームプレイも広大なフィールドで初期配置された大量の敵を制圧していくという進行感覚の違いや、ボム的存在の「支援要請」機能が議論を呼びました。

※次ページ: シリーズの方向性の変化を現実世界と架空世界(ストレンジリアルワールド)で表現した3タイトルを解説!
《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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