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IGA氏直撃インタビュー!『Bloodstained: Curse of the Moon』や今後の展開について訊いた―Kickstarter秘話も【Bitsummit Vol.6】

「Bitsummit Vol.6」では、IGA氏とインティ・クリエイツによる8bit風アクション『Bloodstained: Curse of the Moon』が電撃発表され、大きな話題を呼びました。本項では、今回発表された『 Curse of the Moon』の他に、本編の進捗についても話を伺ってきました

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IGA氏直撃インタビュー!『Bloodstained: Curse of the Moon』や今後の展開について訊いた―Kickstarter秘話も【Bitsummit Vol.6】
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5月12日から13日まで京都・みやこめっせにて開催されたインディーゲームの祭典「Bitsummit Vol.6」。本イベントでは、IGA氏こと五十嵐孝司氏とインティ・クリエイツによる8bit風アクション『Bloodstained: Curse of the Moon(ブラッドステインド:カース・オブ・ザ・ムーン)』も電撃発表され、大きな話題を呼びました。本項では、今回発表された『 Curse of the Moon』の他に、本編となる『Bloodstained: Ritual of the Night(ブラッドステインド:リチュアル・オブ・ザ・ナイト)』の進捗についても五十嵐氏に話を伺ってきました。




――まず、『Bloodstained: Curse of the Moon』を今回のBitSummitで発表することになった経緯を教えてください。

五十嵐孝司氏(以下、五十嵐):『Bloodstained: Curse of the Moon』は、いろいろな調整をした結果、インティ・クリエイツさんが開発とパブリッシングを担当してくれることになりました。そこでインティ・クリエイツさんからBitsummitで発表したいという話がでたんです。

――『 Curse of the Moon』では五十嵐さんは物語と世界観の監修とのことですが、具体的にどのような形で関わっているのでしょうか。

五十嵐:1番最初にKickstarterキャンペーンで目標を達成した時に、ストレッチゴールとして8bit版をやりますと発表しました。『Ritual of the Night』は探索型なので、8bit版は最初から面クリ型にしてくださいというオーダーは出しています。主人公は本編と同じキャラクターだとつまらないので残月を主人公にしてください、とも。残月を主人公にして、ストーリーを10年前の話にしましょうと。ゲーム部分については、インティさんが2Dゲームを得意とされていましたので、お任せする形になりました。インティさん側からこういう風に作っていきたいと要望も受けました。僕はストーリーやシナリオよりも、先にゲームでやりたいことをどうやったら実現できるかを優先してしまうので、10年前というコンセプトだとちょっと整合性がとれなくなったりして大変でした。キャラクターの感情としてはこの時代はこうはならないんじゃないか、みたいな。今回は、ちゃんと本編に接続するような近しい物語が展開します。近しいと言っても、本編をプレイしていないとわからないようなストーリーではなく、単独でちゃんとわかるようにしました。あとで本編をプレイした時に、「あ、この部分の話なの?」と感じ取れるような形になっています。そういった物語や設定のチューニングは僕が中心になって行いました。


――4人のキャラを切り替えるというのもインティさんのアイディアだったと。

五十嵐:そうですね。

――なぜKickstarterキャンペーンの時点で8bit風ゲームを作ろうとしたのでしょう。

五十嵐:大きな理由が1つありまして、Kickstarter開始時点で実は『Ritual of the Night』には3DS版が入ってなかったんですよ。3DSでの開発が本編では難しかったので、だったら8bit版で出せたらいいんじゃないかと考えたのが元々の始まりでした。僕が作ってきた『悪魔城』シリーズはDSや3DSでいくつも出していますので、やはり僕の作品が好きなお客さんは3DSに結構いるのかなと。そこに対しては何らかのケアがいるだろうと考えていたので、そういう形を取らせていただきました。


――発売の約2週間前という急な発表だったわけですが、Kickstarterに出資してくれたバッカーたちも発売日に手に入るのでしょうか。

五十嵐:これはダウンロードコードが発行されるタイミングというのがありまして、24日に間に合うもののあれば、ちょっとズレ込むものも出てくるかもしれません。なるべく早くお届けするような形で考えています。

――多くの人が気になっている『Ritual of the Night』の進捗はいかがでしょうか。

五十嵐:開発はかなり終盤に近づいていまして、グラフィック素材はほぼ出来上がっている状況です。それを組み込んでちゃんとゲームとして成り立つようにしたり、各ポーティングとか、そういった作業を進めています。

――『Ritual of the Night』が完成した後はどのような作品を手がけたいですか。

五十嵐:弊社はArtPlayという会社なのですが、元々コンシューマー向けゲームだけを作ろうと立ち上げた会社ではありません。僕はコンシューマー向けを作るためにコナミを辞めたのですが、会社を立ち上げるにあたってはゲームというジャンルに垣根はないと考えているので、スマートフォンもきちんとやっていきたいと考えています。

当然、『Ritual of the Night』はうちの大事なコンテンツだと考えていますので、きちんとフランチャイズ化をやっていきたいと思います。それ以外にも、隙あらばコンシューマー向けの作品を入れていきたいですし、いろんな野望はあるのですが、我々の会社は小さい会社です。なので、一緒にやってくれるパートナーさんとかがきちんと見つかれば、そういう展開も期待できるかなと。

――現在の『Ritual of the Night』の開発体制はどれくらいの規模で行われているのでしょう。

五十嵐:『Ritual of the Night』は外部の会社を使っていますので、2、30人くらいの中規模体制のプロジェクトチームになっています。ArtPlayには実は6人しかいませんので、ほとんどが『Ritual of the Night』に携わっています。


――当初の制作スケジュールより遅れている原因は。

五十嵐:いろいろあります。Kickstarterでは元々このくらいの規模でやろうと考えてスケジュールを組んだのですが、僕らはうまく行きすぎた部分があって、どんどんコンテンツが増えていってしまったんです。コンテンツも、やることも増えてしまったのですが、やることって横に増えるものと伸びるものがあって、伸びる側に寄って行ってしまったのが大きな要因としてあります。あと、ゲームの表現的な部分で、想定をしていたよりも意外と手間がかかってしまっていることもあり、それも含めて伸びてしまっています。

――Kickstarterキャンペーンのプロモーション映像ですが、非常に手がこんだあの映像はどのようにして作られたのでしょうか。

五十嵐:あれはいろいろなマジックがありまして、いくつもの会社が協力してくれていて、自分たちの会社のリスクとしてやってくれたんです。ありがたい話なのですが。「Kickstarterが失敗したらみんな損をする」という覚悟でやってくれたんです。


――すごいですね!

五十嵐:すごいんです!だから僕がお金を払ってやってもらったものではないんです。Kickstarterで成功したらこれだけのお金が入ります、という話で進んでいました。なので、あれで成功していなかったら関わった会社はみんな泣き寝入りするしかなかったんです(笑)。そのリスクを払って、みんな参加してくれたんです。

「同じようなKickstarterキャンペーンを自分たちもできますか」という質問されることがあるのですが、本来のやり方と大きく違うので、あれができる人は数が限られてくると思います。本来はプロトタイプまで作って、それを見せてそこから先の資金が必要なので出資をお願いする形です。プロトタイプが面白そうなら出資してくれる、という。僕だけでなく、稲船さんや鈴木裕さんもそうですが、ぺら一枚持って戦地に赴くような感じですよね。それなのにみんなが成功すると思ってキャンペーンに乗っかってくれたんです。だからと言って大きなお金が入るわけではないんですよ。ありがたかったです。


――つまり、多くの人が五十嵐さんが成功すると信じて協力してくれていたと。

五十嵐:そうなりますね。あと、一緒にやってくれた人たちがノウハウを沢山持っていました。Kickstarterって北米のキャンペーン(クラウドファンディング)じゃないですか。北米のコアユーザーの気持ちがわかるというか、その人たち自体がコアユーザーだったので、「こういう風にしてくれたら俺たちは嬉しい!」という風な意見をくれました。協力してくれた彼らもKickstarterの成功に自信があったんだと思います。

――そうやってキャンペーンが成功した時の気持ちはいかがでしたか。

五十嵐:ストレッチゴールをちゃんと考えていなかったので、「どうするどうする?ストレッチゴール考えなきゃ!」って言ってたのが印象に残ってます(笑)。お祭り騒ぎ的なものもあったので、今だにあれは現実だったのかと思うような勢いがありました。1日で目標金額を達成した時は驚きましたね。ちょうどTwitchで数時間ぶっ通しの企画をやっていたのですが、それに出ている間に達成しましたから。

――キャンペーンで集まった約550万ドルですが、ゲーム開発においてその予算は十分なものなのでしょうか。

五十嵐:キャンペーンで集まった金額が丸ごと開発費だと考えれば、そんなに少ないわけではないです。ただ、昨今のグラフィックレベルを考えると、ちょっと足りないくらいですね。しかし、Kickstarterで集まったお金は全額開発費になるわけではありません。先ほど言ったように協力してくれた関係各社の取り分がありますし、リワードも作らないといけませんので、それに対しての費用も発生してきます。そうなると、皆さんが思っているよりも少ない金額が開発予算となります。それだけだと予算が足りないので、今回はパブリッシャーさんを募り、505Gamesさんから資金援助をしてもらって開発しています。

――本編『Bloodstained: Ritual of the Night』と『Bloodstained: Curse of the Moon』を期待しているファンへ一言お願いします。

五十嵐:『Ritual of the Night』に関しては、皆さんの期待に答えるゲームになるべく頑張って制作してますので、ぜひご期待ください。『Curse of the Moon』に関しては、もうすぐ発売になりますが、昔ながらの良き2Dアクションゲームというノスタルジックに浸りながらも、やりごたえを再認識することができると思います。まずは『Curse of the Moon』をプレイして気持ちを高めつつ、『Ritual of the Night』に挑んでもらえればと思っていますので、発売までもうしばらくお待ちください。

――本日はありがとうございました。

《Daisuke Sato》
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