文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】

絵本のような優しい世界で、おじいちゃんの人生を辿る穏やかなゲームです。

連載・特集 プレイレポート
文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
  • 文字のない世界で何を思う?『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はプレイヤーの解釈次第で色を変える切ない旅路【プレイレポ】
突然ですが、読者の皆様はどんな人生を送っていますか?まだ若い方が多いと思いますが、歳を取って若い頃を思い返した時、自分の人生はどんなものになっているでしょうか。うれしいこと、悲しいこと、恥ずかしいこと、きっと色々あると思います。

今回は、2020年6月1日23時59分までニンテンドーeショップで80%オフになっている、ニンテンドースイッチ『おじいちゃんの記憶を巡る旅』を通じて、人生について考えていきたいと思います。

文字が一切出てこない、絵本のような世界観



タイトル画面で目に入るのは、絵本のようなテイストの世界。家のバルコニーには、おじいちゃんがひとりポツンと立っています。しばらくすると、郵便屋さんがやってきて手紙を受け取るのですが、台詞はおろか手紙の内容すら一切文字は出てきません。一体手紙には何が書いてあったのか、そしておじいちゃんは何を思ったのか。おじいちゃんはおもむろに旅支度をして家を出るのでした。


このゲームはとてもシンプルです。画面には手のマークが表示され、十字キー・LRスティックのいずれかで動かせます。そして、ABYXボタンのいずれかでおじいちゃんを導いたり、特定のギミックに触れられます。メニューを開くのは+-ボタン。つまり、ゲームで操作するボタンは実質2種類だけなのです。


プレイヤーに要求される操作はとてもシンプルですが、鳥に手のマークを合わせると羽ばたいていったり、窓に手を合わせてボタンを押すと窓が閉まったりと、あちこちに細かいギミックが仕掛けられています。物語の進行には関係がないものの、つい興味本位で色々触ってみたくなりますね。

BGMも優しいカントリー調など場面にあったものになっており、実にのんびりとゲームを進められます。時にはのんびりとできない場面もあったりしますが……これらはおじいちゃんの心情を表しているのでしょうか。

おじいちゃんの進む道は困難。道を整備して助けてあげよう!



プレイヤーはボタンを押した場所へおじいちゃんを導いていくのですが、おじいちゃんは特別な能力を持っているわけではありません。少しくらいの段差ならジャンプで飛び移れますが、ある程度高さのある丘になると立ち往生してしまいます。

そんな時は、飛びたい先の場所を低くしたり高くしたりと調整してあげましょう。すると、おじいちゃんがジャンプで飛び移れるようになります。こうして、おじいちゃんの旅の手助けをしてあげるのがプレイヤーの役割なのです。


尻餅こそつくものの、流れの激しい滝を下ったりはできます。若い頃の名残でしょうか、おじいちゃんは運動神経には自信があるようです。旅をするくらいですものね。


時には頭を使う場面にも遭遇します。タルが出現するシーンでは、一度失敗したら元には戻せません。そんな時はメニュー画面の右側のドアマークを押せばチェックポイントからゲームを再開できます。何度でも挑戦できるので、ゲームに慣れていないプレイヤーでも安心して旅に出られますね。

その名の通り、おじいちゃんの記憶を巡る物語。ただしその解釈はプレイヤーに委ねられる!



旅の途中、おじいちゃんの若き日と思しき1枚の絵を見ました。ひとりの男性と女性が見つめあっています。恋が芽生えた瞬間でしょうか。見つめあう2人は何を思っているのでしょうか。こういった場面にも、一切文字は出てきません。おじいちゃんの記憶が要所に登場しながら、物語は進んでいきます。


おじいちゃんは特定の場所で腰をかけたり、髭を撫でたりと、さまざまな動作を見せてくれます。これがまた可愛らしいのです。アクションの後、モヤモヤとおじいちゃんの記憶が見えてきたり、電車がやってきたり、さまざまなことが起こります。

おじいちゃんの人生は幸せに満ち溢れていたものだったのか、それとも波乱に満ちたものだったのか、そして最初の手紙の内容はどんなものだったのか……。ゲームをクリアする頃にはすべて感じ取れると思いますが、それはプレイヤー自身の解釈によってどうとでも捉えられるのです。


あくまで筆者個人の感覚ですが、なんとなく今の自分と重なる部分があるような気がして、ゲームを進めるにつれて切ない気分になってきました。おじいちゃんに比べたら、筆者の人生なんてまだまだ短いものではありますが、最後はうるっときました。



おじいちゃんの記憶を巡る旅』のプレイレポをお届けしました。高度なプレイは何も必要ありません。ただおじいちゃんの進む道を切り開きながら、おじいちゃんの人生を振り返るだけです。それだけなのに、なんだかほっこりするのです。

個人的には、文字がないからこそ気が向いた時にまたプレイしてみて、その都度さまざまな見方ができるゲームなのではと思いました。そしてその解釈は、プレイヤー自身の置かれた立場などでも変わってくるのではないでしょうか。つらつらと書いていますが、文字のない世界はとても美しく、感動的でした

のんびりしたい時、頭の切り替えをしたい時、少し心が疲れてしまった時などにオススメのゲームです。冒頭でも触れましたが、ニンテンドーeショップでは2020年6月1日23時59分まで80%オフで購入できますので、この機会にプレイしてみても良いかもしれませんね。また、セールにはなっていませんが、スマートフォン/Steam/PS4などでも配信されていますので、ぜひお手持ちのデバイスでプレイしてみてください!
《森野べぼ》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top