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崩壊したアジア風世界での大冒険!美麗ピクセルアートARPG『イーストワード(Eastward)』【中華ゲーム見聞録】

「中華ゲーム見聞録」第90回目は、描き込まれた美麗なピクセルアートによる、崩壊したアジア風世界を旅するアクションRPG『イーストワード(Eastward)』(中国名『風来之国』)をお届けします。

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中華ゲーム見聞録」第90回目は、描き込まれた美麗なピクセルアートによる、崩壊したアジア風世界を旅するアクションRPG『イーストワード(Eastward)』(中国名『風来之国』)をお届けします。

本作は上海のインディーデベロッパーPixpilが開発し、Chucklefish(海外)/架け橋ゲームズ(日本)によって2021年9月16日にSteam/ニンテンドースイッチ(パッケージ版は11月25日発売)で配信されました。90年代日本アニメを意識したノスタルジックなピクセルアートが特徴的な作品で、開発に6年の歳月を費やしたとのことです。

筆者は本作がSteamストアに登場した2018年からウィッシュリストに入れており、「いつリリースされるんだろう」と思いながら、実に3年近くが経ちました。「中華ゲーム見聞録」が始まって、一カ月程が過ぎた時期でもあります。本連載もいまや90回目、月日の流れの速さを感じます。ウィッシュリスト的には相当長い付き合いだったので、無事リリースされて万々歳ですね。

本作の内容ですが、『ゼルダの伝説』リスペクトなARPGになっているとのこと。アジア風の独特な世界観の中、建物や住人達、こまごまとした小道具などを、美麗なピクセルアートで描き出しています。いったいどんなゲームになったのか、早速プレイしていきましょう!

描き込まれたピクセルアート

ゲームを起動すると、手書きによるアニメーションムービーが流れます。街の風景なども出てきますが、なかなか味のあるイラストですね。Steamストアページで、初めて本作のスクリーンショットを見た時も、結構なインパクトがありました。

ゲームスタート。ピクセルアートが良い味を出していますね。ちょっとぼやかした感じのフィルタが入っているようで、ブラウン管テレビを見ているようなノスタルジックで温かみのある画面になっています。会話は吹き出し式ですが、設定で字幕をオンにすれば、画面下にもセリフが表示されます。

画面にいる白髪の少女が、本作の主人公である珊(サン)。先程まで一緒にいた友達は学校へ行きましたが、珊だけ取り残されました。これから起こしに行くジョンは、本作のもう一人の主人公です。

そして画面が切り替わり、もう一人の主人公であるジョンが登場。ひげ面のおっさんです。室内の雑然とした風景も見ていて楽しい。ここからジョンを操作できます。家の外に出るとプロローグ「頭上の世界」が開始です。

起こしに来た珊と合流しました。冷蔵庫を調べると、ゲームデータのセーブが行えます。グラフィックも良いのですが、BGMも心地よく世界観にマッチしています。調べてみたら、『Death Stranding』のBGMを担当したJoel Corelitz氏が作曲しているとのこと。

人々に話しかけて温かい交流を……と思ったら、口の悪い住人が結構多い。生意気そうな子供に「おじさん、仕事に行かなくてもいいの?」と指摘されるジョン。珊も学校に行っていませんね。

無職だと思ったら、ジョンのことを「エース採掘者」と誉めそやす人も。ジョンと珊の関係や、2人がどういう役割なのかはまだ語られていません。珊に「まだ上の世界へ行きたいのか?」という人もいます。住民との会話で段々と明らかになっていくのでしょう。それにしても、やはり背景の描き込まれたゲームは遊んでいて楽しさ倍増です。

どうやらジョンは採掘者で、仕事に遅刻していたようです。「見なかったことにするから早く仕事に行け」と、なかなかに寛容なタイガー隊長。それと、酒の飲みすぎや、子供の前で酒を飲まないよう注意されます。

蛇口をひねると水が出る。もう一回ひねると水が止まる。ただそれだけですが、こういう遊びがあるのは良いですね。その世界で生活しているような気分になってきます。

戦闘開始!

重役出勤を同僚にからかわれるジョン。一応同僚達からは頼りにされているようです。珊もみんなから可愛がられていますね。ここで事件が発生。ナメクジが発生したとのことで、ジョン達は急いで現場に駆け付けます。

同僚はナメクジを恐れて誰も付いてきてくれず、結局ジョン一人で対処することに。ここからは『ゼルダの伝説』リスペクトなアクションバトルが始まります。箱は押して動かすことができますね。パズル要素がありそうです。

ジョンの武器は剣……ではなくてフライパン。本作はパッドでの操作が推奨されており、筆者はXboxパッドを使っています。Xボタンで攻撃ですね。HPは画面左下に、ハートマークで表示されています。

ナメクジは大して強くないので、フライパンを振りつつどんどん進んでいったところ、背景に隠れていたナメクジにぶつかってダメージを受けました。ハートが1つ減りましたね。慎重に進んだ方が良さそうです。

ドアを開けるためには、機械に電気を通さなくてはなりません。コードを繋いでみましたが、途中でコードが発火しているので、こちらまで電気が届きませんね。何とか消火しましょう。

発電機の電源を一旦止めます。発火していた地点にいたのは、3匹のナメクジでした。電気を食っていたようですね。こいつらを倒してから、また電源を入れましょう。

ドアを開けることができました。部屋にあるロッカーから「鍵」をゲット。これで爆弾のある倉庫にアクセスできます。ナメクジの巣があるかぎり、ナメクジは無限に湧き出てきます。壊すには爆弾が必要なので急ぎましょう。

倉庫のドアを開けて「爆弾」をゲット。最大で10個まで持ち運べます(アイテムで拡張可能)。すぐ左に見えるのがナメクジの巣ですね。さっさと破壊してしまいましょう。

巣からはナメクジがどんどん出てきます。ナメクジをフライパンで倒しつつ接近し、Yボタンで爆弾を設置。爆発に巻き込まれないよう、急いで退散しましょう。ちなみに爆弾は、箱や壁を壊すこともできます。

ナメクジの巣を爆破したものの、どうやら巣は何カ所もあるようです。坑道の奥へと進んでいき、巣を見つけてはどんどん爆破していきます。樽や敵をフライパンで打つと、爆弾やハートなど、アイテムを落としてくれることがあります。

洞窟の突き当りで人を発見。自ら「やぶ医者」と名乗るボグダ医師です。ナメクジの粘液は傷を塞ぐ薬に使えるのでここまで採取に来たものの、ナメクジが思いのほか凶暴で、戻れなくなっていたそうです。助けに来てくれたお礼として、HPを回復するアイテム「ホットドッグ」をもらいました。

坑道のナメクジの巣を一掃して戻ってくると、またもや別の場所から大量にナメクジが発生したようです。同僚達のためにナメクジと戦いに行くと、背後のドアを閉められてしまいました。逃げ道を塞がれましたね。ナメクジ達を倒さない限り、開けてもらえなさそうです。

最後の戦いに突入。ラスボスらしく、結構な数のナメクジをバラまいてきます。フライパンで処理しつつ、近づいて爆弾を置いてやりましょう。これで坑道ステージクリアです。

フライパンを修理しよう!

ナメクジのラスボスを撃破して戻ってくると、ドアを閉めてジョンの退路を断ったにもかかわらず、「ちょうど助けに行こうって話してたんだ」と調子の良いことを言い始める同僚のヨン

ナメクジ騒動で本来の採掘の仕事ができず、町長のホフマンからお叱りを受ける採掘者たち。また、珊が学校に行かずジョンの仕事場に来ていることも注意され、明日から学校へ通うことになりました。学費はジョンの給料から天引きだそうです。

珊が明日から採掘場に来られなくなるので、採掘者達は寂しがっています。それと先程の戦闘で、ジョンのフライパンが壊れてしまいました。サニーサイドの農場にいるメイソン爺さんが直せるとのこと。さっそく行ってみましょう。

採掘場を出ると、店の前のテレビに子供達が集まっていました。ゲーム原作の人気アニメ「大地の子」がちょうど終わったところです。子供達はジョンに、「大地の子」を遊ぶために必要な「メモリーカード」を珊に買ってあげるよう言います。学校で友達を作るためにも、メモリーカードは必要とのことです。

店に入り、メモリーカードを購入。この世界のゲームソフトのようなものですね。珊はすごく喜んでくれました。ゲームは子供同士のコミュニケーションツールでもありますしね。

メモリーカードを購入したことを子供達に報告する珊。ちょうど子供達は「大地の子」を遊んでおり、魔王との戦いまで進んだようです。そこで珊に、魔王と戦ってみるよう言いました。

そしてまさかのコマンド式バトルがスタート。しかもメンバーチェンジや技・アイテムの使用など、なかなか本格的な内容です。死闘の末、魔王は倒せずパーティは全滅してしまいました。しかし「初心者にしては上出来」と褒められます。

もう日も暮れてきたので、子供達は家に帰ってしまいました。当初の目的であるフライパンの修理へ向かいましょう。メニューのマップ画面では、次の目的地がわかりやすく表示されています。ただ、人々の会話はこまめに変化するので、一直線に目的地へ向かうよりも会話を楽しみながらまったりプレイした方が良いかと。

メイソン爺さんを発見。やたらとダジャレを言ってきますが、修理の腕は一流です。フライパンを直しただけでなく、Xボタン押しっぱなしでの溜め攻撃ができるようになりました。

フライパンが直ったので、家に戻って夕食の準備。食材を組み合わせることで料理を作れます。「クラブアップル」が3つあるので、すべて使ったところ「クラブアップルパスタ」ができました。

食事が終わってベッドに就くとプロローグが終了。翌朝になると第1章がスタートし、珊を学校へ連れていくことになります。しかし校長は、町長の推薦状が無ければ学校に入れないとのこと。果たして珊は学校に通えるのか。続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

歩いているだけで楽しいARPG

本作はやはり、描き込まれたピクセルアートのグラフィックが良いですね。背景や人物など、とにかく細かい所まで描き込まれています。本作の世界を歩いているだけで色々な発見があり、楽しい気分になります。

ゲーム中ゲームのRPG「大地の子」ですが、実際に最初からプレイすることが可能です。冒険の合間にでも遊んでみるといいでしょう。他にもガチャガチャなど、懐かしさのあるミニゲームも揃っています。

日本語もサポートされていますし、時間が掛かっただけあって良い作品に仕上がっています。グラフィックを見て興味を持った方や、『MOTHER』『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』『ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ』など、90年代頃のゲームが好きだった方はぜひ本作をプレイしてみてください。

製品情報

『イーストワード(Eastward)』
開発・販売:Pixpil、Chucklefish、架け橋ゲームズ
対象ハード:PC(Windows、macOS)、ニンテンドースイッチ
通常価格:2,680円
サポート言語:日本語、中国語(簡体字、繁体字)、英語、フランス語
ストアページ:Steamニンテンドースイッチ
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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