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「世界最高のゲーム」を何故“積んで”しまったのか―今改めて向き合う『ダークソウル』

Golden Joystick Awards「史上最高のゲーム」賞を『ダークソウル』が受賞。かつて同作を「つんだ」筆者が再び向き合います。

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「世界最高のゲーム」を何故“積んで”しまったのか―今改めて向き合う『ダークソウル』
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死にゲーという言葉で大体のゲームプレイヤーが挙げるのは『ソウル』シリーズでしょう。PS3で発売された『デモンズソウル』から始まり、『ダークソウル』とゲーム中何度も死に続けることで技術を積み重ね、達成感を得るゲーム性は世界中で大ヒット。2021年のGolden Joystick Awardsでは2012年に発売された『ダークソウル』が「Ultimate Game of All Time(史上最高のゲーム)」として受賞することになりました。

筆者はリマスター版が発売される以前の2012年の段階でSteam版を購入(発売当初はゲームキーにリージョンロックがありませんでした。)していたのですが、当時「山羊頭のデーモン」で心が折れて詰んでいました。“死にゲー”の代名詞は当時の忙しさの中で継続の難しさと、何度もソウルを失う消失感でライブラリに積まれることになってしまったのです。

同社の死にゲーで生を見いだす

2021年の年末、『ダークソウル』が同賞を受賞したとき、筆者の頭によぎったのが後にプレイした『Sekiro: Shadows Die Twice』でした。当時『Sekiro』をプレイし始めたときには、過去にこびりついた苦手意識というものはまだ根深く「苦手だけど話題のゲームからやっとかなあかんよな」という、その程度でした。

「フロムゲーは一定のラインを越えると何かに取り憑かれたような面白さを感じてくる」と知り合いに昔に言われたことがあるのですが、『Sekiro』に対しても、その言葉を信じることが困難なくらいには序盤から死亡画面をずっと眺めるだけの展開に、同作もまた“積みゲー”になりかけていました。

しかし転機は序盤の大ボスを越えた時でした。この時ようやく筆者は「もしかしたら頑張ればこのゲームはクリアできるのは……?」と根深い抵抗感を拭い去ることに成功したのです。その後筆者は苦難の末『Sekiro』を無事クリア。この成功体験で死にゲーに対する印象が大きく変わっていたこともあり、受賞で“世界最高のゲーム”と称されるようになった『ダークソウル』に対しても「リベンジしてぇ」という感情が沸々と湧き上ったのです。

ラスボスまでサシでの読みあいに全てを賭け、忍殺を決めた瞬間のカタルシスは筆舌に尽くしがたい快感でした。

感情は薄れたが新たな障壁が・・・

ですが年末に『ダークソウル』へのリベンジを決めた際、大きな壁になったのは「時間」と「不具合」でした。時間はいうまでもなく、プレイ「しなければ」ならないゲームは本作品だけではありませんし、ライブラリにあるプレイしたいゲームもあります。年末の忙しい中、本作品で一番障壁になったのが後者でした。

「リマスター版でコントローラーが使えない」これがまさか年が明けるまで苦しめられる要因になるとは誰が考えたでしょうか・・・

設定ミスを疑い、散々Steamでコントローラー設定を繰り返しても動作しなかったため、とりあえずオリジナル版でプレイを始めましたが、攻略もコントローラー設定のように芳しくなく、序盤で死に続けただけで年末は終わってしまいました……。

大きく本作品の攻略が動いたのは年明けのSteamフォーラムの書き込みからでした。

Ghislain & Marie David de Lossy/The Image Bank/ゲッティイメージズ

リマスター版でのコントローラーの不具合に関して「起動後にCtrl+Alt+Delを押してキャンセルを押せば90%解決する」そんな書き込みを見つけたことが光明になりました。

そんな嘘みたいな話が……本当だったことで、リマスター版をようやくプレイできるようになったのですが、筆者の感覚ではリマスター版はオリジナル版よりパリィが入りやすい様に感じました。

あれだけオリジナルで苦労していた不死街もほとんど詰まること無く牛頭のデーモンにもなんなく勝利。

誰かの残した声に励まされながら、年明けから頑張って攻略を続け、ようやく過去に心を折られた山羊頭のデーモンまでたどり着くことができました。

当時の苦戦の記憶はやはり正しく、今回もリトライすること60回以上。しかし、今回はかつてとは違います。諦めずトライし続け遂にデーモンにリベンジを果たすことに成功しました。『Sekiro』が諦めない心を教えてくれたのです。

難関さえクリアさえしてしまえば、自信もつくものです。よほどの事が無ければ死亡画面を見る数も減ってきました。『ダークソウル』において前述の「一定のラインを越えると何かに取り憑かれたような面白さ」を感じられるのは、筆者にとっては山羊頭のデーモン以降だったようです。

正直なことを言えば、壁を越えても、執筆段階でクリアまでは辿り着いていません。ですが、モチベーションという意味ではかなり高くなっており、『Sekiro』をプレイしたときに覚えた「絶対にクリアしてやる」というあの感情が今大きく筆者を支配しています。

改めて向き合って得た物

もう年始期間も終わり、新年の新しい日常がやってこようとしています。ですが本作品と『Sekiro』で得た諦めない心は新年から前に進む活力を与えてくれました。

かつて世界最高のゲームで詰んで、見事に積んでしまった私ですが、後続の『Sekiro』を通じ死の中で生を得て、再び死を積み上げながらも『ダークソウル』にようやく真っ向から向き合うことができました。今年は本作品で得た諦めない心で頑張ろうと思います。

「ぜってぇクリアしたるからな!」


《rate-dat》

面白そうなことに頭を突っ込んで火傷してます rate-dat

本業はデザイナー。 印刷物やWeb、写真加工など色々とやっています。

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