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軽量コンパクト・5Kヘッドセット「arpara VR」は革命起こすか!?6月発売直前、最新実機レビュー&販売情報をお届け

『arpara VR』は、本体200gで5K解像度を実現した野心的なVRヘッドセットです。

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本体200g、5K解像度を実現し、アルファなVRユーザーから熱い視線を集める野心的なVRヘッドセット「arpara VR」。既に多くのメディアで体験記やレビューが公開されていますが、本記事では更に一歩踏み込み、開発者に聞いた裏事情や、VRヘッドセットのデファクトとなった「Meta Quetst2」との比較、先行レビューで問題になった点、販売予定情報も含めて、最新の実機によるレビューをお届けします。

さらなるVR体験を求める人に


「arpara VR」は中国系のARPARA GLOBAL TECHNOLOGYが開発・販売するVRヘッドセットで、Meta Quest2のようなオールインワン型ではなく、PCやスマホにケーブルで接続して利用するタイプです。その最大の特徴は200gの軽量コンパクトな本体と両目で5120×2560ドットの高解像度ディスプレイです。

より詳細に説明すると、2560×2560ドットの1.03インチのマイクロOLEDを片目づつ2基搭載し、単焦点のパンケーキレンズを組み合わせることで軽量コンパクトな3D VRを実現しています。

現在普及しているMeta Quest2はオールインワンならではの手軽さとコストパフォーマンスが魅力ですが、VRに慣れてくると、より良い体験を求めたくなります。arpara VRは、Meta Quest2の次のステップとして導入を検討すべきVRヘッドセットになるかもしれません。ただ、現状ではまだいくつかのハードルがあるのも事実です。それを確認していきましょう。

arpara VRには2つの商品ラインナップがあります。「arpara Tetherd 5K」と「arpara Gaming kit」です。「Tethered」とは「繋がれた」という意味で、恐らくPCやスマホとケーブルで接続する利用形態からきたものでしょう。

Tetherd 5Kは、arpara VRのヘッドセット本体と、標準マスク(目の周りの顔が当たるクッション部)、ヘッドバンド(ソフトストラップ)、Type Cケーブルの4つからなります。トラッキング面は、arpara VR本体の3DoF(3自由度)の内蔵トラッカーを用いる形。顔の前後・左右・回転のみを検知します。小売予定価格は108,999円。

Gaming kitには、ヘッドセット本体とアップグレードマスク、ヘッドストラップ(ハードタイプ)、外付け6DoFトラッカー、Display Port ケーブル、Type-Cケーブルが含まれます。Display Portケーブルはarpara VR専用と思しき特殊なケーブルで、ヘッドセット側はType-C、PC接続側は、Display Port 1.4 × 1、USB 2.0 Type-A × 2になっています。小売予定価格は158,800円。

Tetherd 5Kの購入者向けに、トラッカーとアップグレードマスクを別途販売する計画もあるそうです。

「arpara Tetherd 5K」のブラックモデル(左)と「arpara Gaming kit」のホワイトモデル、外付けトラッカーを外した状態(右)。

arpara VRでVRゲームを遊ぶためには、Gaming Kitに加えて、SteamVRに対応したベースステーション × 2と手持ちのコントローラー× 2も必要になります。今回は、Tetherd 5K、Gaming KitおよびHTC VIVE用のベースステーションとコントローラー、さらにベースステーション設置用三脚も貸与いただき、自宅のリビングでSteamVRゲームをいくつか遊んでみました。

大きな体験の差になるスペック差

arpara VRの解像度は5120×2560ドット。今回比較するQuest2は3664×1920ドット。具体的な画総数にすると13,107,200ドット対7,034,880ドットで倍近い解像度です。

(現状でarapra VRを5120×2560ドットで使用するとリフレッシュレートは70Hzに固定されます。Quest2では3664×1920ドットで公式スペックで90Hz、試験的機能で120Hzまで上げられます)

VRアドベンチャーゲームの金字塔とされる『Half-Life Alyx』をやってみると、Quest2でも美しいと感じたCGによる仮想世界が、一層きめ細かい質感を伴って眼前に広がります。

また視野角もarpara VRの95度に対して、Quest2は実質87度程度と言われています。この差は実際のゲーム体験では、大きくはなくとも確実な差となって感じられます。筆者の感覚では、arpara VRからQuest2に換えると双眼鏡を覗き込んでいるような印象がいつも以上に強調されて感じられてしまいました。

ヘッドセットの重量差も予想以上に大きな違いを感じました。arpara VRに外付け6DoFトラッカーとアップグレードマスクとハードストラップを付けると重量は443gになります。一方、私物のQuest2は3rd Party製のハードストラップを付けて689g(いずれも実測)。

僅か246gの差ですし、Quest2はVirtual Desktopを使って無線化できる一方、arpara VRは太いDisplay Port 1.4ケーブルでPCに繋がった状態です。差し引きでの体感はあまり変わらないのではないかと予想しましたが、実際に長時間VRヘッドセットを付けて遊んでいるとarpara VRのほうが身体の負担は少ないと感じました。

標準マスクとソフトバンドの「arpara Tetherd 5K」。実測274g。現状ではスマホの映画ビューアぐらいしか使い道がないけど、なかなか快適でした。
SteamVR対応の外付けトラッカー、アップグレードマスク、ハードストラップを付けた「arpara Gaming Kit」。(ハードストラップが上下逆でした。すみません)だいぶゴツくなりますが、実測443gでQuest2よちはだいぶ軽い。ただし、実際にはこれにDisplay Port 1.4対応の太めのType-Cケーブルが付きます。
比較として私物のMeta Quest2+3rd Party製エリートストラップ。Quest2の標準ソフトバンドは、フロントヘビーなQuest2を長時間使うには頼りないので、「エリートストラップ」というハードストラップ(ほぼヘッドギア)が必須です。純正は高い割りに壊れるとレビューを読み、約半額だったこれを買いました。実測で計689g。

アウトサイドインのarpara VRとインサイドアウトのMeta Quest2

arapara VRは、Steamの運営元であるVALVE社が策定し公開している「Lighthouse」方式のアウトサイドインのトラッキングを採用しています。これは外部に置いた2つのベースステーションから発信したレーザー光線をヘッドセットやコントローラーに搭載されたトラッカーで受けることでユーザーの動作をVR空間に反映しています。

一方、Quest2はヘッドセットに搭載した4つのカメラでユーザーや手の動きを追跡するインサイドアウト方式です。双方を比較すると、アウトサイドインは高精度で自由度が高いのが魅力ですが、高価なベースステーションが必要で、設置するスペースの制約も発生します。インサイドアウトは高精度の実現が難しくなりますが、システムがコンパクト・低価格で済みます。

さらにQuest2ではトラッキングカメラを使ってモノクロながら外部の様子をヘッドセット内に投影してARをしたり、コントローラー不要のハンドトラッキングも実験レベルですが実現しつつあります。

arpara VRの実際のゲーム体験は?

今回、比較に使用したのは以下の4つのゲームです。
・『Half-Life Alyx』
・『VR JAPAN』
・『VR SUPER SPORTS』
・『Rocket Skates VR』

『Half-Life Alyx』arpara VRの5K映像の威力を一番堪能できました。動作も安定しているし、さすが傑作ゲームと言われるだけあります。
『VR JAPAN』架空の東京の街を探索する。ゲーム性はほぼゼロ。
『VR SUPER SPORTS』の弓道。複数のゲームの中ではこれが一番好きだけど、Quest2では矢がうまく持てない。
『Rocket Skates VR』セールで見つけてたまたま購入。シンプルだけど面白い。まっすぐ立っていられない。身体がぐるんぐるんよろめき、最後には倒れそうになる。とても疲れます。無線で使えるQuest2向きですが、arpara VRでも楽しめました。

『Half-Life Alyx』と『VR JAPAN』は5K解像度の表示の美しさの検証のためです。前述のようにarpara VRは画像の美しさと視野角で優れています。『Half-Life Alyx』ではゲーム内の本やバッグなどの物体を自由に手で持ち上げることができます。これについては、arpara VRとQuest2で大きな差は感じませんでした。

『VR SUPER SPORTS』と『Rocket Skates VR』はアクションゲームの操作感を検証するために使用しました。『VR SUPER SPORTS』は、『Wii Sports』や『Swicth Sports』を思わせるスポーツ系ミニゲームのセットで、ボクシング、ボウリング、バッティング練習、クレー射撃、弓道などが楽しめます。

弓道では左手で弓を持ち、右手で矢立から矢を取り、引き絞って発射するのですが、Quest2では矢立から矢をうまく持ちあげることができず落としてしまうことが多発しました。右肩の上に手を持ち上げるという動作が、Quest2では苦手だったのか、それともQuest2向けのチューニングの問題だったのか。

クレー射撃では、arpara VRではクレーを何枚か撃ち落とせましたが、Quest2では偶然命中した1枚だけ。たまたまかもしれませんが、視野角の差が影響しているかもしれません。

一方、ワインディングロードをロケットエンジンとスケートで駆け抜ける『Rocket Skates VR』では、頻繁に身体の向きを変える必要があり、ときに一回転することもあります。ケーブルでPCと繋がっているarpara VRでは、ケーブルが身体に巻き付かないように意識して動く必要があり、やや不便に感じました。

日本の狭い家屋でもアウトサイドインは有りか?

今回ちょっと苦労したのはVRを遊ぶ空間の確保です。SteamVRでは最低でも2m四方のプレイエリアを設定する必要があります。

我が家は都内の狭小住宅なので2m四方の空間を確保でき、かつPCを接続できる有線LANがあるのはリビングだけ。広くないリビングの対角に貸与されたスタンドを設置し、コントローラーでプレイエリアを描きますが、なかなか2m四方の下限を超えられず、ベースステーションの位置を調整しながら何度かリトライしました。

なぜなら、アウトサイドインであるLighthouse方式ではベースステーションが発信するレーザー光線の届く範囲で無いと認識できないからです。

Quest2だとSteamVRでプレイエリアを設定しなくても、Quest2単体でのインサイドアウトの設定がそのまま使われるようで、この苦労はありませんでした。

我が家の狭いダイニングになんとかゲーミングPCとベースステーション2基を設置し、SteamVRで必要とされる2m×2mのプレイエリアを確保。椅子がある辺りがゲーム中の立ち位置になります。
今回、評価用に貸与されたベースステーション。付属のACアダプタのケーブル部分は実測で約294cm。ベースステーションは2mの高さに置くことが推奨されるので、余りは50cm足らず。家を建てるとき、部屋中にコンセントを付けておいて大正解でした。※ベースステーションは製品に含まれません。
本来、ベースステーションは、下に向けて斜めに傾けて設置するのですが、プレイエリアが狭いせいか、まっすぐでもプレイに支障はありませんでした。※ベースステーションは製品に含まれません。
こちらも貸与されたVIVE用の手持ちコントローラーをQuest2のコントローラーと比較。ボタンの数や配置が違うので同じゲームでも細かい操作が少し変わったりします。※VIVEコントローラーは製品に含まれません。

スマホ用の映像ビューアとしての魅力

VRヘッドセットの主な用途はVRゲームやVRSNSですが、もうひとつの重要な用途に映像鑑賞があります。Quest2の場合は、単体でYouTube、Amazon Prime、Netflix、Huluなどのアプリを使用して、動画や映画を楽しめます。

arpara VRもスマホをType-Cケーブルで繋いで再生することで映像ビューアとして使えます。単に動かず寝っ転がって映画を見るだけなら、外部トラッカーもハードストラップも不要です。標準のマスクなら274g、アップグレードマスクを付けても282gとQuest2よりだいぶ軽くなります。

Quest2での映画鑑賞は確かに没入感が高いのですが、ヘッドセットがフロントヘビーすぎて、長時間の鑑賞はエリートストラップがあっても顔が痛くなってきます。
その点、arpara VRをスマホに繋げての鑑賞はかなり快適でした。とくに標準マスクよりもアップグレードマスクに変えたほうがより無理がないと感じました。

今回は「Galaxy note 20 Ultra 5G」をType-Cケーブルで接続して試しました。YouTube、Netflix、Hulu、DMM動画のビューアは問題なく映像再生できましたが、Amazon Primeのアプリはarpara VRを接続して再生しようとするとアプリがエラーで止まってしまいました。

Netflixのアプリは、arpara VRを接続して映画を再生すると、スマホが縦位置のままでも自動的に横画面で再生してくれるので特に快適でした。

YouTubeアプリはVR動画にも対応していますが、ヘッドセットを動かしても視点は変わりません。逆にスマホを動かすことで視点を変えることができました。試しにDMM動画のVRプレイヤーもインストールしてアダルトVR動画を再生してみましたが、VR視点では再生されず同じ映像が2つ左右に並んで再生されるだけでした(ちょっと残念)。

高画質と軽量・コンパクト両立の秘密

【2022/6/13 12:30訂正】初出では、SoCに「SnapDragon XR2」が使われているとしましたが、Gaming Kitのarpara VRではなく、今後発売されるarpara AIO 5K(一体型)に使われているそうです。謹んで訂正します。

Quest2などのVRヘッドセットは厚いレンズと同様の屈折率をより薄く実現するフレネルレンズを採用していますが、arpara VRはさらに薄いパンケーキレンズを接眼部に採用することで、さらなる軽量コンパクト化を可能にしています。

手前がパンケーキレンズを採用したarpara VR、奥がフレネルレンズを採用したMeta Quest2。フレネルレンズは昔から灯台など使われてきた薄いレンズで高い屈折率を実現するもの。今回のパンケーキレンズは、システム全体でそれを越える薄さを実現している。

ARPARA社は元々映像ビューアを長く手がけてきた背景があり、近年のメタバース・ブームを受けて「ARPARALAND」という独自メタバースサービスの提供を計画し、そのための機器としてarpara VRの開発・販売を企画したそうです。

arpara VRが他社と同じSoCを使いながら高画質化と軽量コンパクト化という相反する条件を進化させることができたのは、ARPARA社の過去の映像機器開発のノウハウがあるから、とのことでした。

【2022/6/13 12:30訂正】初出では、95度の視野角からKopinの「P95 All-Plastic Pancake Optics」がレンズとして使われているのではないかと推測しましたが、こちらはKopinではなく中国製のレンズだとのことでした(メーカー名は開示されませんでした)。

ARPARA社としては、VR市場のデファクトスタンダードであるSteamVR用にヘッドセットを普及させることを第一歩として、後にそのヘッドセット用に独自サービスを提供することを目指しています。arpara VRは単体で3DoFのトラッキング機能がありますが、これを活かすには独自アプリ「arparahome」が提供されるのを待つ必要があります。

arparahomeは、海外ではiOS版、android版、Windows版が提供されているようですが、日本ではいずれも未提供です。

HTC VIVEやVALVE INDEXの置き換えがターゲットか?

arpara VRは表示の美しさ、ヘッドセットの軽さとコンパクトさ、スマホの映画ビューワとしての快適さなど魅力的な点があり、個人的には気に入りました。

ただ、現状では問題がいくつかあり、VRヘッドセットの初心者が買うには敷居が高く、VRヘッドセット経験者でかつ、デジタルガジェット全体の上級者に向きの製品だと思えました。

問題のひとつは価格で、arpara VRでSteamVRを楽しむには155,800円の「Gaming Kit」に加えてベースステーション × 2とコントローラー × 2を用意する必要があり、総額は250,000円前後になる可能性があります。

SteamVRでLighthouse方式のVRを使う際の現在の標準機と言える「HTC VIVE Pro 2」なら、178,990円でベースステーションとコントローラーまでがセットされています。VIVE Pro 2は解像度は4896×2448ドットとarpara VRの91%の画素数ですが、視野角が120度と広くリフレッシュレートも120Hzです。

VIVE Pro 2のヘッドセット重量は815gとかなり重く大きいこと、PCとの接続時でもヘッドセット用に別途電源アダプタが必要で、複数のケーブルを接続するためのリンクボックス(これも本体に同梱)も必要など、arpara VRより複雑ですが、コスト的なハードルは低くなります。

すでにHTC VIVEシリーズやVALVE INDEXを所有していて、ヘッドセットをより軽くて高画質なものにアップグレードしたいというニーズがもっともarpara VRのマーケットとして確実そうです。

arpara Gaming Kitと、Meta Quest2、HTC VIVE Pro 2のスペックと価格比較。arpara VRは高画質と軽量コンパクトがどれだけ市場に価値として認められるかで評価が決まりそう。

arpara VRは上級者向けか?

それに加えて、現状のarpara VRには動作がやや不安定という問題もあります。当記事より先行して公開されているレビュー記事や動画では、使用中にブラックアウトする問題が指摘されていました。今回、最初に借りた個体は同じ問題があり、SteamVRを使用して数分でブラックアウトしましたが、あとから借りたもう1台は安定して1~2時間利用することができました(それ以上は筆者側の体力がもたないです)。

さらにVR使用時に突然片目がぼやけて見えなくなるという問題が2台とも発生しました。これについては、今回はSteamVR側のゲーム(『Half-Life Alyx』)を再起動することで解消しましたが、原因は不明です。

他にも『VR SUPER SPORTS』のボクシングや『Rocket Skates VR』で激しく動き回るとType-Cケーブルの接続が緩んでヘッドセット内が突然真っ暗になることがありました。ヘッドセットの下からケーブルを挿す構造で、重力の影響を受けるのも原因かもしれません。

arpara VRの下部にDisplay Port 1.4互換のType-Cケーブルを下から挿したところ。それなりにしっかりした作りだが、激しく動くと緩んでしまうようだ。

3D用と2D用の解像度切り替えスイッチで、それぞれの解像度を4段階程度に切り替えられますが、3D用解像度を切り替えるときは外付けトラッカーの解像度も切り替えないとSteamVR側からヘッドセットが認識されません。トラッカーの解像度はARPARAのWebサイトで5K用と4K用のバッチプログラムが提供されています。これも将来的にはGUIのアプリで提供して欲しいところです。

スマホに接続する際は2D用のスイッチで解像度を切り替えますが、ボタンを押してから切り替わる反応が遅く、しかも解像度設定によってはスマホ側が対応しておらず画面が真っ暗で表示されないこともあります。

これらの問題は、ある程度経験を積んだガジェットマニアなら自分で解決できることですが、そうでない人だと機器の故障だと思ってしまう可能性もあります。

arpara VRはヘビーユーザーの福音となるか?

ひとりのVRユーザーとして、apara VRとQuest2の2台があるなら、arpara VRを使いたいです。いくつかの不便はあるにしても、数値や文字で表現しにくい体験の質の高さがあると思うからです。

ただ、自分で30万円近く出費することは、家族持ちの身ではほぼ不可能です。VR空間でずっと生活するようなVR廃人の人なら、HTC VIVE Pro 2の半分近いarpara VRの軽量コンパクトさは大きな価値がある可能性があるでしょう。

arpara VRは6月上旬から中旬にかけてAmazonで販売される予定です。

「arpara Tetherd 5K」108,999円 6月初旬~中旬発売

「arpara Gaming kit」158,800円 6月初旬~中旬発売

《根岸智幸》

編集者、ライター、ソフトウェアエンジニア、メディアビジネス企画開発 根岸智幸

ITと出版とオタクの何でも屋。グルメや女性誌や芸能やBLマンガもやりました。キャンギャルやコンパニオンの写真も撮ったりします。
・インターネットアスキー編集長(1997-1999)
・アスキーPC Explorer編集長(2002-2004)
・東京グルメ/ライブドアグルメ企画開発運営(2000-2008)
・本が好き!企画開発運営(2008-2013)
・BWインディーズ企画運営(2015-2017)
・Webメディア運営&グロース(2017-)
著書
・Twitter使いこなし術(2010)
・facebook使いこなし術(2011)
・ほんの1秒もムダなく片づく情報整理術の教科書(2015)
など

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