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難度高め、歯ごたえ抜群SRPG『戦国異聞録』中国戦国時代を駆ける複数の主人公たちの物語【中華ゲーム見聞録】

「中華ゲーム見聞録」第111回目は、中国の戦国時代を舞台にした、アニメスタイルのSRPG『戦国異聞録』をお届けします。

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難度高め、歯ごたえ抜群SRPG『戦国異聞録』中国戦国時代を駆ける複数の主人公たちの物語【中華ゲーム見聞録】
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中華ゲーム見聞録」第111回目は、中国の戦国時代を舞台にした、アニメスタイルのSRPG『戦国異聞録』をお届けします。

本作は上海酷兔網絡科技有限公司が開発し、深セン市数湾科技有限公司によって2022年11月16日にSteamで配信されました。本作の舞台となる戦国時代ですが、秦の始皇帝が中国を統一する前の時代で、春秋時代と合わせて「春秋戦国時代」とも呼ばれています。

ただ近年の中華ゲームは、架空の世界を舞台にしたファンタジー寄りの武侠物が多く、歴史物もほとんどが三国志をテーマにしており、戦国時代を舞台にした作品はあまりありません。

日本だと漫画「キングダム」の影響で、中国の戦国時代に興味を持つ方も増えてきていますが、ゲームではなかなか使われない時代ですね。筆者がプレイしたことのある戦国時代のゲームと言えば、初代プレイステーションで発売されていたシミュレーションゲーム『秦始皇帝』ぐらいです(今でも持っています)。

本作では、中華ゲームでも稀に見る戦国時代を舞台に戦うSRPGです。人だけでなく妖魔も登場し、法術も飛び交うエンタメ性の高い作品になっているとのことですが、一体どんな内容なのか、早速プレイしていきましょう!

中山国の政変

まずは名前の入力。いつものように「スパくん」にしておきましょう。日本語入力も受け付けるようですね。ただ、これは主人公の名前ではなく、プレイヤーネームになります。

カラクリ人形「木人」を相手に訓練をする主人公の衛斬。古代中国を舞台にしたファンタジー物では、よく木人がロボットの代わりとして出てきますね。本作だと、戦国時代に活躍した墨子を開祖とする集団「墨家」がこれらカラクリを造っています。

墨家は平和主義の集団で、戦争から城を守るために様々な仕掛けを開発したと言われます(「墨守」という言葉も墨家から来ています)。そのため、中国の歴史ファンタジー物では「カラクリを操るエンジニア集団」みたいな描かれ方をされることも多いですね。

そこへ友人の毛遂がやってきました。史実では趙国の人で、平原君の食客となっていました。弁舌に優れ、説客として名を馳せた人物です。毛遂の仕える趙国と、衛斬が仕える中山国は友好関係でした。しかし毛遂が言うには、「中山国王の姫尚が魏国と手を結び、趙国と敵対するようになった」との噂が流れているとのことです。

中山国は河北省南部を領土とする小国で、「戦国七雄」(秦・楚・斉・燕・趙・魏・韓)に次ぐ八番目の国とされています。史実では紀元前296年頃、趙に滅ぼされてしまいました。戦国時代の名将・楽毅も、趙国に滅ぼされる前まで、中山国に仕えていたと言われています。

こちらが主人公・衛斬。中山国の貴族の出で、幼い頃から武術を学び、究極の剣術を追い求めていました。やがて国内に敵がいなくなり、さらなる強敵を求めて天下を旅しています。いわゆる「俺より強い奴に会いに行く」ですね。現在は友人である毛遂の元で、しばらく世話になっています。

毛遂から事情を聞いた衛斬は、噂が本当なのかを確認するため、中山国へ向かいます。もし噂が本当だった場合、衛家は趙国と関係が深いことから、衛斬の家族に被害が及ぶ可能性があります。毛遂も趙国に仕える身であることから、情報収集のため、衛斬に付いていくこととなりました。

中山国の都が近づいてきたとき、兵士たちがいました。「反乱分子を捕らえる」との名目から、村を襲っているようです。衛斬は「衛家は国に尽くしてきたから、家族が襲われることはないだろう」と言いますが、毛遂は「そうであれば良いが、準備はしておいた方がいい」と言います。

宋玉という書生姿の男が、兵士たちに絡まれていました。宋玉は、史実では戦国時代末期の楚の文人で、屈原の弟子とされる人物です。兵士たちの非道を咎めたことから怒りを買い、兵士たちに周囲を囲まれてしまいました。衛斬たちは宋玉を救うため、戦いに乗り出します。

バトル開始!

戦闘はヘクスマップ上でのターン制バトルになります。システム自体はオーソドックスなスタイルで、移動後に敵への攻撃、もしくは画面下中央に並ぶ4つのスキルから1つを選んで使用します。

衛斬で敵側まで移動し、スキル「三斬」を使用。3回攻撃する技ですが、仕留め切れませんでした。スキルの使用には、画面左上の「軍令」を必要数消費します(「三斬」は3軍令必要)。

次は毛遂を移動させ、法術「竜巻」で攻撃。直線上の複数の敵にダメージを与えます。本作ではHP以外に「意志」ゲージがあります。法術攻撃を行うと、まず意志ゲージが優先的に減り、その後でHPが減ります。意志ゲージが低下すると「脆弱状態」や「気絶状態」になりますので、上手く使っていきましょう。

宋玉も操作可能です。職業は「医者」。自身のHPが減っているので、スキル「治療」で回復しておきましょう。ちなみにスキル使用は、軍令を消費する以外に、クールダウン時間もあります。強力なスキルほど、クールダウン時間も長くなります。

敵の増援がやってきました。敵兵は結構硬く、攻撃力もあるため、チュートリアルとは思えないほどのガチ対応を迫られます。結構難度は高めですね。

軍令も残り1となってしまいました。マップ上にある兵糧運搬車を攻撃することで、軍令を5増やせます。敵は火矢などの状態異常攻撃を使ってきたり、戈で引っ掛けて強制移動させ、敵兵の多い場所に引きずり込んできたりなど、初戦とは思えない攻撃の数々を仕掛けてきます。

宋玉の「治療」を駆使し、何とか勝利。毛遂は死にかけていますね。宋玉が言うには、「中山国王・姫尚は兵士を各地に派遣し、趙国の人たちを捕らえている」とのこと。しかし趙国人は見つからず、兵士たちは村人を手当たり次第に捕らえ、数合わせにしているそうです。

戦闘のリザルト画面。戦闘参加キャラの経験値増加、アイテムの獲得があります。また宋玉が仲間に加わりました。敵からのダメージが大きいので、回復役がいないと戦闘はかなりきついですね。

中山国王を追え!

戦闘参加キャラの編集画面。最大で8人まで参加できますが、現在は3人だけ。キャラにはそれぞれコストがあり、出撃コストを超えての編成はできません。

衛斬は友人の鄭安平の家へ向かいました。鄭安平は、史実では魏国の人で、後に秦国や趙国に仕えた将軍です。鄭安平が言うには、「中山国王は趙国に親しい貴族たちを捕らえている」とのこと。城内にいる衛斬の家族にも危機が及んでいる可能性があります。すぐに助けに向かいましょう。

城内に潜入した衛斬たち。しかし衛斬の家はすでに兵士たちに取り囲まれており、火を放たれてしまっています。しかも敵は衛斬が来ることを予測し、周囲に兵を伏せていました。

バトル開始!今回の戦闘では、鄭安平も参戦してくれます。ただNPCキャラなので操作は不可。近接攻撃ユニットのため、敵の側のマスを空けておきましょう。今回の戦闘は、敵が結構多いですね。

敵兵を蹴散らしたものの、衛斬の家族はすでに死んでしまいました。衛斬は中山国王への復讐を誓い、宮殿に乗り込もうとします。「私怨なので付いてこなくてもいい」と言いますが、仲間たちも協力してくれるとのこと。

ゲームは章立てになっており、次は第3章ですね。過去の章もプレイ可能(クリア報酬は出ませんが)。衛斬の物語は全11章で、クリアすれば別の主人公での物語をプレイできるようになります。

王都へ殴り込みをかける衛斬の一行。敵は火焔の罠を仕掛けてきました。火焔のあるマスに留まるとダメージを受けてしまいます。行動範囲が制限されますが、逆に敵を火焔のマスに誘導すればダメージを与えられます。上手く活用しましょう。

火焔マスに向かって毛遂のスキル「竜巻」を放ったところ、風で火焔も燃え広がって敵にダメージを与えました。軍略ゲームの火計みたいで面白いですね。それにしても敵の多いステージです。

敵は遠距離攻撃ユニットまで持ち出してきました。火焔で先に進みづらい状況の中、敵の背後から妖狐の白魅が登場。仲間になってくれるようなので、早速加勢してもらいましょう。スキルはありませんが、通常攻撃で敵の意志ゲージを削ることができます。

さらに進んでいくと、敵側には矢を放出する櫓や、妖獣までもが出てきました。さらにマップ南側からは増援も。何も考えないで突っ込んでいくと、あっと言う間にHPを削られてしまいます。果たして勝ち残ることができるのか、続きはぜひ自身でプレイしてみてください。

遊びやすく骨のある戦略ゲーム

本作は初戦から、プレイヤー側が一方的に敵に勝てるようにはなっておらず、考えて進まないと全滅の憂き目にあってしまいます。戦略ゲームとしては骨のある内容になっており、ユニットの特徴を活かしてクリアを目指さなければなりません。

本作はモバイルゲームのように、デイリークエストも用意されています。ただ開発者が言うには「課金は絶対に行わない」とのこと。中国の戦国時代に活躍した武将も出てきますので、戦国時代好きな人には楽しめますが、残念ながら現在は中国語のみとなっています。シミュレーションゲームなので遊べない事も無いですが、ストーリーが分かった方が面白いかと。今後の展開に期待しましょう。

製品情報

『戦国異聞録』
開発・販売:上海酷兔網絡科技有限公司、深セン市数湾科技有限公司
対象OS:Windows
リリース日:2022年11月16日
サポート言語:中国語(簡体字)
通常価格:1,520円
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1733680/_/
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字・繁体字を日本の漢字に置き換えています。

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《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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