It is getting worse day by day.
byu/ArupDnath inpcmasterrace
海外掲示板Redditにて、とある1枚の画像が議論を巻き起こしています。「日に日に悪化している」というタイトルが打たれ、「左:以前のゲーム 右:現在のゲーム」と書かれているこの画像は、左側がはっきりくっきりとした画像なのに対し、右側が全体的にぼやけた画像になっている……というものです。
くっきりはっきりした画像が良いのか、動かしたときに見栄えがする映像が良いのか
どうして「現在のゲーム」の方が全体的にぼやけた印象となっているのでしょうか。現在の高性能なグラフィックボードには「アップスケーリング」の設定があり、内部的に低解像度のゲームの表示解像度を引き延ばす技術が搭載されています。これにより高解像度のモニターでも低解像度のゲームを映し出すことができますが、アップスケーリング設定によっては色の境目がぼんやりと引き延ばされ、ぼやけた印象になってしまうこともあります。
それ以外にも、「テンポラルアンチエイリアス(TAA)」と呼ばれる技法が近年のゲームでは多く採用されています。これは「色の境目のギザギザをリアルタイムで目立たなくする」画像補正機能ですが、これを有効にするとくっきりはっきり表示されていたものがぼやけた印象になるという副作用も抱えています。
また、近年のグラフィックボードではDLSS、FSR、XeSSと呼ばれる各種「フレーム生成」も用いられています。これは画面に表示される画像の合間にグラフィックボードに搭載されたAIで自動生成された画像を挟み、1秒間に画面上に表示されるフレームレートを増やすという技術ですが、フレーム生成された画像は実際のゲームの状態を反映した画像ではないため、状況によってはぼやけた画像も生成されます。
これらの近年のグラフィック生成技術が相まって、「近年のゲームはぼやけている!」という印象を端的に表したのが今回話題になっている画像です。この画像を見て、掲示板上では「昔のゲームの画像はくっきりはっきりしていてよかった」「今のゲームの画像はピンボケしすぎだ」という論調のレスが見られました。


中には、『Metro Exodus』(2019年発売)と『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』(2024年発売)の画像を比較し、「『Metro Exodus』の方が見た目もゲーム性も優れています」と主張するゲーマーも現れました。
しかしながら、これらの画像の比較はあくまでもゲームの一瞬を切り抜いた「静止画を比較したとき」であり、動いている画面を見るとまた違う印象を受ける可能性があります。先述したTAAにしても、細かい部分が動いたときにそこに現れるギザギザ感を無くすために生まれた技術であり、またフレーム生成にしてもより高い動画フレームレートを目指して生まれた技術です。
時折アニメの一部分の静止画を切り抜いて「作画崩壊!」と騒ぐ人が現れるものの、プロのアニメーターや熟練のアニメ視聴者から「これはアニメの中割り(動いたときにアニメーションを滑らかに見せるために意図的に挟まれる、写実的要素を無視した絵のこと)だ」……と指摘されるようなことがありますが、今回の議論の発端となった画像も、そういったものと類似している面があることは否定できないでしょう。
今回の掲示板の議論の中でも、「静止画前提で話を進めるのはちょっと」「過去のゲームには思い出補正で美しく見えるという点も含まれているだろう」「過去のゲームにもひどいグラフィックのものはたくさんあった。ただそれらは現代では話題にならなくなっただけの話だ」といった冷静な意見も見られました。
読者の皆様は近年のアップスケーリングやフレーム生成が使用されるゲームのグラフィックについてどう思われますか?是非ともコメント欄でお伝えください。