なぜ『Mecha BREAK』のリリース前に大会を?―Amazing Seasun Games・CEO兼プロデューサーKris氏にOBTのフィードバックから“作品にかける想い”までを聞いた【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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なぜ『Mecha BREAK』のリリース前に大会を?―Amazing Seasun Games・CEO兼プロデューサーKris氏にOBTのフィードバックから“作品にかける想い”までを聞いた【インタビュー】

『Mecha BREAK』に関するインタビューをAmazing Seasun GamesのCEOでありエグゼクティブプロデューサーも自ら務めるKris Kwokさんへ実施

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なぜ『Mecha BREAK』のリリース前に大会を?―Amazing Seasun Games・CEO兼プロデューサーKris氏にOBTのフィードバックから“作品にかける想い”までを聞いた【インタビュー】
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中国、珠海にて3月13日から16日にかけてAmazing Seasun Gamesが2025年にリリース予定のメカアクションシューティングゲーム『Mecha BREAK』にて、OBT段階での公式交流大会「グローバル先駆者開拓戦」が開催されました。

本稿ではそれにあわせて、Amazing Seasun GamesのCEOであり『Mecha BREAK』のエグゼクティブプロデューサーも自ら務めるKris Kwokさんへのインタビューを実施。3月17日に終了したOBTのフィードバックについてや、リリース前の段階で大会を開催した理由、さらには『Mecha BREAK』にかけるKrisさんの想いまで質問してきました。

◆OBTのフィードバックから「グローバル先駆者開拓戦」開催の理由まで―メカファンの夢が結実した『Mecha BREAK』

――まずは今回のOBTで得られたフィードバックについてお聞かせください。

Kris Kwok氏(以下、Kris):フィードバックは多岐にわたりますが、大きく分類すると「部品」(※機体のステータスを変化させるシステム)の問題と、機体の入手方法にまつわるスピード感ですね。

まず、「部品」システムの方についてですが、これは2つの方向に意見が分かれていまして、ひとつは6vs6モードにどのように反映させるのかという方向での考え。もう1つは、そもそも「部品」システムというものは競技性の高いモードに入れるべきではないという意見です。この数日間、これについて総合的な視野で思考を巡らせておりまして、最終的な結論はまだ出していません。ただ、今現在での方向としては、6vs6モードをeスポーツ的な方向に向かわせていきたいと考えていますので、「部品」を6vs6から取り除く方向に進んでいます。

機体の入手法については、初期に解放できるプレイアブル機体の少なさから同じ機体での対戦が増えてしまっていて、これを問題視しています。フレンドと機体が被さって上手くプレイできないなんて事例もあるので、これを踏まえて序盤から12機ぐらいは全て無料で解禁、解放するという方向に動いてます。

――新機体追加に関するスパンはどのようになるのでしょうか。

Kris:今のところ製作が完了したストックは20機体ほどあり、これからは1年間4シーズン、1シーズン3ヶ月くらいで3機ずつ、徐々にリリースしていくという形になりますね。

――かなり早いペースですね。

Kris:そうですね。1つの理由としては、今の機体の役割分担にちょっと偏りがあるからです。例えば“近接戦をこなせるタンク”となれる機体はまだ「赤霄」だけで、今は替えがいない。ですのでOBTでは赤霄への搭乗率が異様に高くなっています。

正式リリース後はもっと、例えば赤霄と同じ役割を担えるような機体をもっとハイペースで出していき、同じ遊びでも多くの選択肢が取れるようにしていきたいなと考えています。その方がより楽しいんじゃないでしょうか。

――PvPvEコンテンツ「マシュマーク」では新マップなどは投入されるのでしょうか。

Kris:実はマシュマーク自体は、まだ30パーセントほどしか完成していないコンテンツです。これから、新しいボスや新しいモード、特にシナリオやミッションがあるモノなどを追加していきます。キーコードを入手することによって新しいエリアを解放して、そこでシナリオ付きのモードをプレイをして貰うことになるでしょう。

今回のOBTをプレイしていただいたら分かると思いますが、色々なところに閉じた門があって、これからはその内部も入れるようになります。チームとしてPvEチャレンジをしていくモードを考えていますね。

――マシュマークや格納庫巡回などはどのようなビジョンで実装されたのでしょう。

Kris:マシュマークの目的としては、6vs6モードとは別の楽しみ方を想定して作成しました。6vs6モードはeスポーツ向けということもあって、多くの一般プレイヤーはある程度のランクまで上がったらどうしても「これ以上は太刀打ちできない」となってしまいます。

そこでマシュマークのようにPvPvEの「Enemy」を重視することで、より多くのプレイヤーが自由に遊べるようになるんじゃないかと考えています。マシュマークにソロモードも追加されたので、よりカジュアルにプレイできるようになったのじゃないでしょうか。

「格納庫巡回」においての最大の目的は、「プレイヤーはメカではなくて、ひとりのパイロットである」と意識させたいという理由です。プレイヤーとしては、自分のパイロットキャラをキャラクリで作り込むことによって、より愛着が湧いて満足感も湧くんじゃないでしょうか。

やっぱり冷たい機械として敵を撃墜したりされたりするよりも、ひとりのパイロットとして敵を撃墜し、撃墜されるという方が、ずっと熱いと思っています。

また、ゲームの全体的な世界観とかシナリオをいかにユーザーに伝えるべきかと考えた結果、プレイヤーが自分で様々な情報を閲覧して理解するのが良いのではと考えました。「格納庫巡回」でかけらのような情報を集積していって、自分で真相を発掘していくというスタイルです。

――今回、OBT段階で大規模な大会「グローバル先駆者開拓戦」を催した理由をお聞かせください。

Kris:『Mecha BREAK』では、実は去年の8月に民間のeスポーツ大会を開催させていただいてました。さらに言うなら、4年の開発期間で大なり小なりの内部クローズドテストや内部大会を行ってブラッシュアップしてきたタイトルです。大会を行うと、より色々と問題やフィードバックを発見できるため、更なるブラッシュアップができます。

さらには勤務環境自体をeスポーツ向けにすることで、社員にもっとやる気が出ますね。「仕事のためのテストプレイ」ではなくて、「勝負の危機感があるテストプレイ」のほうが、よりプレイに積極的になるんじゃないでしょうか。勝った人間にはそれなりのボーナスも出ていますので、インセンティブにもなりますね。

そんな中で、去年の年末ぐらいに大規模なオフィスの改修工事を実施することになりました。そこで「じゃあこの機会にいっそこの階の半分ぐらいをeスポーツ会場に改造しよう」となったわけです。

この流れで、今回の「グローバル先駆者開拓戦」では民間でのコミュニティ大会などを経由して、招待チームという形で多くのプレイヤーをお呼びさせていただいきました。あとはeスポーツのプロのチームだとか、その関係者さまをご招待して、観戦していただいたり、お話をさせていただく。交流の場としても、いろんな可能性を模索していくことができるでしょう。

――今後も世界各国の選手を招聘する大会を予定していますか。

Kris:スケジュール的にリリースされてからはすぐには始まりません。今回の「グローバル先駆者開拓戦」をきっかけにプロチームの指導者やプロプレイヤーの方々とも話し合って、これからどうやって長期的なeスポーツの運営をやっていけばいいのかを討論しました。

『Mecha BREAK』の大会がどのような構成になるかは、今すぐお伝えできませんが、今までの既存の大会とは違うものになると思います。既存のeスポーツでは少数のトップランカーがどの試合でも勝ち続けて、ずっと同じ顔ぶれだという現象が起きていると思います。そのようにトップランカーが固定されるようなeスポーツ大会の構成ではなくて、どんどんブラックホースが出てくるような生態系を作っていきたいですね。そのためにも、ルールとか全体の施策などを構築していきます。

自分は普通のスポーツファンでもありますが、スポーツではこういう現象は起こっていないんですよ。常に新しい選手が業界に入ってきていて、その仕組みをeスポーツでも再現したいですね!

――機体「ファルコン」の可動フィギュア化を聞きましたが、ゲーム以外のマルチメディア展開も考えられていますか。

Kris:もちろんです!可動フィギュアからスケールモデル、さらには“メカ娘的な展開”まですでに考えています。世界観を深掘りするアニメの方も考えていますよ。

――なぜ『Mecha BREAK』というオリジナルIPを作ろうと思われたのでしょうか。ロボット作品にかける情熱のほどをお聞かせください。

Kris:そうですね。たとえば今回インタビューを受けているオフィスには個人的なコレクションの一部が収まっています。これは会社のものではなくて、あくまで自分のコレクションです。私は幼い頃に香港で育ちましたので、かなり早い時期から日本の色々な素晴らしいコンテンツに触れることができました。

子供心としては「かっこいいスポーツカーを見たら運転したい」、「ヘリを見たら飛ばしたい」と思うものです。ですのでもちろん、かっこいいメカを見たらやっぱり「いつか操縦してみたい」と考えてしまうのが人間というものでしょう。しかし大人になると「現実には、これらのメカは存在しなかった」という事実を知ってしまう。

幸い自分はゲームを作る側の人間でした。ですのでゲームを作るという形で自分の夢を叶わせたいと願い、行動してきましたね。もちろんそれは色々と難しく、現実が目の前に現れました。特に中国のゲーム業界ということは、今まではメカを主軸にしたゲームというものは無かったと言ってもいいぐらいです。中国ではやっぱりみんなRPGやMMOなどのジャンルをこぞって作っています。

そんな現実を突きつけられて、一度は夢が破れるんじゃないかと思わせられました。1回は大人しく武侠ゲーム制作に没頭したこともあります。

しかし色々と運に恵まれたこともあって、2016年、会社のCEOになりました。あるときイギリスのゲーム展示会に参加することになり、その中のあるスペースシューティングゲームを見てかなり感激しました。その会社は3Dの自機を操縦して、巨大な宇宙戦艦と戦うというシューティングゲームを作っていました。それを目の当たりにして、もう1度夢に火をつけられた。即決でそのチームに投資する話になり、これが『Mecha BREAK』最初の第1歩になります。

しかし、それからも2016年から2021年までの5年間は、本当に失敗の繰り返しでした。合計4回も失敗していて、これには投資の失敗もありますし、製作上の失敗もあります。それでもイギリスのチームとか日本の先生方たちと色々協力して、失敗しながらも自分なりの経験値を積んでいきました。

もうこの夢を諦めるか、あるいは実際に自分が先頭に立って開発するかという話になりました。その結果、諦めずに自分が実際の開発に参加することを選んだんです。

やっぱり幼い頃に夢見たメカに乗りたいという想いで、色々な社員を引っ張り込んで、この案件の5度目のスタート、『Mecha BREAK』に挑戦したのです。

――最後に、正式リリースを心待ちにしている日本プレイヤーにメッセージをお願いします。

Kris:二回のテストプレイに参加いただいたプレイヤーの方々には、本当に感謝しかありません。頂いた貴重な意見や感想などを大変参考にさせていただきました。これから、是非『Mecha BREAK』という作品を最高の形にして皆さんにお届けしたいと思います。

長期的な運営を実現できるゲームは漏れなく、プレイヤーを大事にしています。そうしなければ実現できない事と考えていますので、プレイヤーの皆様こそが『Mecha BREAK』の一番の宝です!


メカアクションシューティングゲーム『Mecha BREAK』はPC/Xbox Series X|Sにて2025年にリリース予定です。

ライター:高村 響,編集:蟹江西部

ライター/ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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編集/十脚目短尾下目 蟹江西部

Game*Spark編集部。ゾンビゲームと蟹が好物です。以前は鉄騎コントローラー2台が部屋を圧迫していましたが、今は自分のボディが部屋を圧迫しています。

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