ゲーム業界は巨大IPがひしめき合っています。お互いがお互いに影響を与えてきたことで、現在まで歴史が紡がれてきました。
そこで今回は、筆者が見てきたなかで、もっともハチャメチャだと思ったゲーム関係のコラボを5つ考えてきました。

サウスタウンに現れた謎のDJ!『餓狼伝説 City of the Wolves』×サルバトーレ・ガナッチ

まずは先日発売された26年ぶりのシリーズ最新作『餓狼伝説 City of the Wolves』。伝統的な2D対戦格闘ゲームですが、新キャラクターとしてまさかの人物が2名抜擢されました。
一人目は、サッカー選手「クリスティアーノ・ロナウド」。クリロナの愛称で知られる、言わずと知れた超有名選手です。
背景にはSNKの株式を取得したサウジアラビアの財団の意向があるように感じられますが、サッカー選手×格ゲーというコラボはちょっと信じられないくらい衝撃でした。
しかし、話はこれで終わりません。実写キャラクターの二人目として「サルバトーレ・ガナッチ」の参戦がアナウンスされました。
筆者が寡聞なのかもしれませんが、正直「え、誰!?」と思ったのが本音です。たしかにクリロナに比べると、だいぶ知名度は落ちるでしょう。SNSでは、彼の参戦によってシリーズキャラクターの枠がひとつ潰れたことを良く思わない意見も飛び交いました。
しかし、その後もガナッチは様々なコンテンツを投下し『餓狼伝説』のPRに勤しんでいくことで、状況は変わっていきます。自分のYouTubeのアイコンをゲーム内ビジュアルに変更し、幼少期のガナッチに扮した子が「いつかゲームの世界に行きたいんだ」と夢を語る動画を公開し、アメリカのプロレス団体WWEが主宰する興行「レッスルマニア」で『餓狼伝説』をPRするパフォーマンスをしたりと、縦横無尽に働きまくっています。
次第に「もしかしてこの人、本気で『餓狼伝説』が好きなのか……!?」という意見も増えてきた印象です。何はともあれ、本作を購入したらクリロナともガナッチとも今後数年間は戦うことになるのは間違いありません。早いうちからしっかり対策をしていく必要があるでしょう。

翠の波動に導かれ、一騎当千シューティングへ『Vampire Survivors』×『サガ エメラルド ビヨンド』

数多くのフォロワーを生み出し、全人類を依存させた一騎当千シューティング『Vampire Survivors』も、多くのIPとコラボしています。そしてこの度、満を持してスクウェア・エニックスともコラボが決まりました。
こちらはThe Triple-i Initiative 2025というショーケース番組で発表されたもの。ヴァンサバのポスターとサガシリーズがほぼ全作置かれている部屋が映り、おーこれは『ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン』とのコラボが来るのかな? と思いきや、その部屋に投函されたのはまさかの『サガ エメラルド ビヨンド』!

リメイク・リマスターを除くシリーズ最新作とはいえ、サガのなかでもかなり尖ったゲーム性の『サガ エメラルド ビヨンド』を選ぶとはなかなか硬派です。
コラボに至るまでの経緯はサガ公式チャンネルで詳しく語られています。そちらもチェックしてみてください。
『Vampire Survivors』の開発であるponcleのLuca氏は、サガシリーズでは特に『アンリミテッド:サガ』を愛していると公言しており、なかなか筋金入りのファンであることがわかります。サガ伝統の「ひらめき」も実装されていますよ!
ハイラルでダンス!『ケイデンス・オブ・ハイラル: クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説』
任天堂を代表する謎解きアクションゲーム「ゼルダの伝説」……そして、リズムアクション界隈で愛され続けている名作インディーゲーム『Crypt of the NecroDancer』。それらふたつのIPがまさかの融合を成し遂げたのが『ケイデンス・オブ・ハイラル: クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説』です。
ビートに合わせてダンジョンを攻略するゲーム性と、『ゼルダ』という重厚なIPがどう重なるのか――と疑問が浮かびましたが、フタを開けてみればぴったりとハマっていました。
『ネクロダンサー』からケイデンス、そして「ゼルダの伝説」からはリンクとゼルダというシリーズの顔役たちが、リズムの世界で肩を並べる姿には思わずニヤリとします。トライフォースやブーメランといったゼルダシリーズおなじみの要素が、リズムと一体化して登場するのは実に痛快です。
このコラボの背景には、Brace Yourself Gamesの開発陣がゼルダシリーズの長年のファンであったことも大きく関係しています。任天堂の懐の深さと、インディーへの愛を感じる一作でした。
ローンチ以降もリミックス楽曲や新キャラクターを追加するなどして、長く愛される工夫がなされています。
巨匠が描くインクウェル島の世界『Cuphead』×天野喜孝

カートゥーンアニメのビジュアルを極限まで再現した2Dアクションゲーム『Cuphead』。本作のNintendo Switch、PS4向けのパッケージ版の初回購入特典としてサウンドトラックCDが付いてきたのですが、そのパッケージイラストを「ファイナルファンタジー」シリーズなどでお馴染みのイラストレーター・天野喜孝氏が担当しています。
そのビジュアルはかなり天野氏の個性が際立っており、自由な解釈のカップヘッドやミス・チャリスらが描かれています。た、耽美……!

『Cuphead』と言えばあらゆるサブカルチャーのパロディを盛り込んでいることも特徴であり『ファイナルファンタジーVI』の魔列車を意識したステージもあるので、自然なコラボと言えなくもないですが、しかしなかなか強烈な『Cuphead』になっていますね。
本作のイラストを作成するまでの過程について、パッケージ版を販売したSUPERDELUXE GAMESの公式YouTubeで公開されているので、こちらも併せてご覧ください。
ピカチュウと第六天魔王がまさかの邂逅『ポケモン+ノブナガの野望』
1996年にゲームボーイで登場して以来、あらゆる面で不動の人気を誇るIP「ポケットモンスター」。そんなポケモンはNintendo DS時代に、コーエーテクモゲームスの戦国シミュレーションゲーム「信長の野望」と組んだことがあります。
その名も『ポケモン+ノブナガの野望』。ランセ地方を舞台に、国盗り合戦を行うSRPGです。

最大6人のブショーたち(ポケモントレーナーに該当)がそれぞれにポケモンを出し、グリッドで分けられたフィールドで戦います。こちらもポケモンバトルではなく、イクサという表現に置き換わっています。
キャラクターたちはノブナガ、オイチ、シンゲンと、日本史をちょっとだけ学べる程度に戦国ナイズされており、不思議ながら丁寧なコラボレーションです。
以上、ゲーム業界のハチャメチャコラボ5選でした。皆さんも記憶に残っているコラボ企画をぜひ教えてください。
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