今回は、ExeCreateが手掛け、KEMCOから発売されたスマートフォン向けタイトル『ヴィラン転生 ～死亡確定の悪役モブに転生したけど２回も死にたくないので暗躍してやる！～』をプレイ！本作は、漫画の世界の悪役モブに転生した主人公が、死亡フラグを回避するため、悪党として暗躍していくRPGです。
説明文のような長文タイトルと、異世界転生モノというジャンル……そう、以前に絵日記でも紹介した『異世界輪舞 ～御社も異世界もブラックなのでここから先はホワイトライフを目指します！～』に続く、Web小説っぽい異世界転生シリーズです！
悪役令嬢モノが大人気なので、男の悪役が主人公というと珍しく感じるかもしれませんが、Web小説界隈では人気ジャンルのひとつです。男の悪役転生モノといっても様々なバリエーションがあります。本作はどのパターンなのか楽しみですね！
◆漫画世界に転生したら悪役モブだった！？
SNS漫画「トゥランの英雄」は佳境を迎えようとしていた。歩きスマホで漫画を楽しんでいた西村優はトラックに気付かずに撥ねられてしまう……ことはなく、トラックは横断歩道でしっかり止まってくれた。
異世界転生の定番である異世界行きのトラックを回避したものの、マンホールに落ちてそのまま意識を失ってしまうのだった。
西村が目を覚ますと、そこは見知らぬ一室で、目つきの悪いチンピラ風の男の姿になっていた。この時点では、自分が「トゥランの英雄」世界に転生したことに気付いてないようだ。
転生モノといえば、現実世界での死亡のあと、神様の居る場所にワープしてチートスキルを貰うのが定番だけど、今回のようにチートを貰わずいきなり転生のパターンもある。
転生先のこの体は、何らかの組織に属しており、戦闘で負傷して寝たきりになっていたらしい。名前は自由に決められるので「おじさん」にした。
組織のボスに謁見したことで、ここが「トゥランの英雄」の世界だと初めて気付く。ボスのマードレは、主人公と敵対する組織のキャラクターで、作中にも名前付きでしっかり登場しているからだ。ちなみにおじさんは、作中で重要な役割を与えられていなかったであろう単なるモブ構成員。
プレイヤーである僕もいろんな漫画にモブとして登場しているのでモブ仲間だ！
マードレから、カルビンと呼ばれる生物との相棒契約を命じられた。ここから自由に行動できるみたいだな。目的地のウェスト丘陵では敵とエンカウントするんだけど、エンカウント率の上下を調節するシステムも存在する。敵と戦うのが面倒くさいときや、経験値稼ぎをしたいときに便利そうだ。
敵との戦いはオーソドックスなコマンドバトルで、通常攻撃やスキルを使って戦う。オートモードや倍速モードがあるので、エンカウント率を絞るまでもなくサクサク行えるな。
野生のカルビンを探していると、勇者パーティ聖闘戦団のゼージャックなる剣士が現れた。作中では善側のキャラクターなんだけど「ヴィランは存在自体が罪」だと断じて、問答無用で襲いかかってくるクズ野郎だ。
敵の中には、「チェインサイン」と呼ばれる弱点属性が表示されているものもおり、該当する属性攻撃を行うことで、味方全員による追撃「チェインアタック」が発生する。
名前通りに脆弱なゼージャックは、あっさりと撃破！善側の勢力である聖闘戦団はきな臭そうだけど、作中主人公であるアルズやリュミエールは、王子・王女の立場でありながらヴィランとの共存を願う優しさを持っているキャラクターだ。一筋縄ではいかない、善悪だけでは割り切れないストーリーが展開されそう。
それはそうと、個人的には王道の主人公キャラよりも、悪役側のデザインに惹かれてしまうんだよね。
悪側のボスのマードレも好みのキャラクターだし、おじさんのパーティに加入するダイスも僕が好きなタイプのデザインだ。
そう、僕はギザ歯の女の子が好きなのだ！ただ悪側のキャラクターに多い特徴なだけあって、悲しい結末を迎えることも少なくはない。ダイスも作中主人公に倒されて死んでしまう。
しかし、このゲームの主人公は悪側だし、ストーリーを把握しているので、本来のストーリーの裏で誰かの命を救うことが出来るのだ。これはもう、僕得すぎる展開じゃないか！こうして己の死や仲間の死を回避しつつ、悪側として成り上がっていくのがおおまかな流れだ。
RPGではおなじみの、民家のタンスや宝箱を漁ってアイテムを回収する行為も、勇者じゃなければただの犯罪行為だ。こうした悪とされる行為を重ねると悪名が高まり、ヴィランクラスが上昇するのも面白い。
悪行を重ねれば重ねるごとにステータスアップやスキルの強化に繋がっていく。勇者にしろヴィランにしろ、一般人にとってはたまったもんじゃないだろうけど。
また、ボスから貰った土地に建物を建てて発展させることも可能だ。一般的なゲームだと、武器屋や宿屋、スキルや魔法の研究施設なんかを建てられるのだろう。本作では悪役主人公らしく、盗品武具屋や密売所、シノギ畑といった、少々ヤバめの施設が作れちゃうのだ。
盗品武具屋や密売所は一点物の武具が買える上に、利用すると悪名も上がる一石二鳥な施設だ。
シノギ畑を建てると味方のHPをプラスするパッシブが発生する。畑で何を育てているのかは謎だ。こうして一介の悪役モブが悪名を高めて成り上がり、己の死亡フラグを回避していく……！
10時間ちょっとでクリアできました。
バトルなどの基本的なシステムはオーソドックスながら、悪役が主人公のストーリーや、悪名を高めていく特徴的なシステムといった、王道から外れた要素が良いアクセントとなっていたように感じました。
どこからでも飛べるファストトラベルや、エンカウント率の調整機能などの親切なシステムがあり、ストレスなく遊べるのが良かったですね。
開発のExeCreateは、これまでにも多数の2DRPGを手掛けた実績もあり、痒いところに手が届く、しっかりと楽しめるように作られていました。
じっくり腰を据えて遊ぶのもよし、スキマ時間にちょこちょこ進めるのもよし。 「久しぶりに懐かしいRPGやりたいけど、そんなに時間が取れないんだよな～」という人にもぴったりの一本です。
『ヴィラン転生 ～死亡確定の悪役モブに転生したけど２回も死にたくないので暗躍してやる！～』は、スマートフォン（iOS有料版・iOS無料版/Android有料版・Android無料版）向けに発売中です。
