
日本列島を「5月の嵐」が駆け抜け日に日に夏の足音を感じる今日この頃、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか?
筆者はここ最近気もそぞろ、というのもとあるSFゲームで近々大きなイベントがあるからです。期間・個数限定のアイテムも売り出され、さらに新規アイテムもいろいろお披露目予定。「絶対にあの限定の宇宙船を買う!」そうお財布の紐を握りしめ、ソワソワウキウキしているところなのです。
ただ、別のゲームのマラソンイベントも開催中でこっちは6月頭まで。どうも間に合いそうにないので課金でぶっ飛ばす予定なのですが、こっちも考えると既に予算オーバー。「AとBを削ってCに回す、足りないならさらにDから―」と、さながらSFモノのエネルギー配分みたいなことと考えつつ、イベント当日を楽しみに待っている訳なのです。
2025年5月13日に宇宙船ARPG『EVERSPACE 2』の大型DLC「Wrath of the Ancients」がリリースされました。
昨年9月17日にリリースされたDLC「Titans」では、戦艦「ミノカワ」や巨大生物「リヴァイアサン」など作品名の通り色々巨大なものが登場しましたが、本DLCでは古代種族「エンシェント」が物語の中心となります。
作中世界に残る数多くの遺跡がその高度な技術を物語るものの、ついぞとしてその正体が掴めていない「エンシェント」。それが人類に対し突如攻撃を仕掛けてきたことから人類圏は大パニックに陥ります。

次元技術を駆使することで人類側の攻撃を無効化し、さらに未知の転送技術で神出鬼没のエンシェントに対し人類は大苦戦。主人公アダムらの隠れ家もその猛攻の前に完膚なきまでに破壊されてしまいます。

調査の結果「エンシェント」は異星人種族オッカーの聖地から来ていることが判明したことから、アダム一行は巡礼者として聖地の調査に向かうことに。ただ、異種族の巡礼参加はオッカー社会に動揺を招いただけでなく、人類側の混乱を好機とみた過激派「オッカープライム」は宗教的動機からも活動を活発化させることとなります。
果たして攻撃の効かないエンシェント相手にアダムたちはどう立ち向かうのか?人類の未曽有の危機を乗り越えられるのか?オッカーの勢力圏を舞台とした新たな旅が今始まります!
アダム2度目の旅立ちの切っ掛けは“本拠地の自爆騒動”!?
本DLCは本編のクリア後に開始され、アダム一行のその後を描いたものとなります。本編でコロニアルとオッカー、両勢力の危機を見事に収めたアダム一行。つかの間の平穏を満喫しようとした矢先に、本拠地全体に自爆警報が鳴り響きます。

原因は、基地に接続された怪しげなデバイスでした。解読アンドロイドのエドゥアルド曰くこのデバイスはダックスとマドックスがかつて設置したもので停止コマンドは2人だけが知っていたもののうえ、恒久的な解除にはその停止コマンドを用いるほかないとのこと。
ただ、困ったことにこの二人は既に本編で死亡していることから直接聞くことは不可能。やむなく所有者の記憶データが保存されているというドックタグを求めてアダムは宇宙へと舞い戻ります。

見知った宙域を東奔西走、件のドックタグを手に入れてさらにクローン技術との組み合わせで見事ダックスが復活。事態が呑み込めず混乱した結果、ダックスの大逃亡というトラブルを経るも無事自爆シークエンスの解除に成功します。
本拠地の自爆という主人公としてはあまりにあっけない最期は何とか回避した矢先、とある民間施設からの救難信号を受信したアダムは現場に急行することに。


到着した時には既に襲撃犯は立ち去ったあとで、散々に荒らされた施設がその凄まじさを物語る有様でした。生存者によれば襲撃犯は前兆もなく現れて犯行を行ったとのこと。「今まで見たこと無い姿」とか「反撃しても手ごたえがなかった」と生存者は口揃えて証言し、さらに現場ではエンシェントの活動の痕跡である「カイオン放射線」が検知されたことから、襲撃犯はエンシェントである可能性が俄然高まります。


とここで本拠地の仲間からの緊急連絡、どうやら本拠地周辺でカイオン放射線の上昇が検知されたとのこと。急いで帰った時には既に空戦の真っ最中で、仲間の決死の奮闘虚しく本拠地は完膚なきまでに破壊されてしまいます。

辛くもユニオンブリッジのプレスコット宇宙基地に避難できたアダム一行。既に非武装地帯全域でエンシェントの活動が活発化、基地は攻撃で被害を受けた難民で溢れかえる状況でした。一行は基地でギャングのボスで地元の有力者でもあるカトウから、大型クルーズ船「ゴールデン・エース号」を譲り受けた結果、その船を拠点とすることになりました。
エンシェント出現時のゲートに近づき逆にドローンを送り込むという危険な調査を行うこと2回、一行はエンシェントの出発地がオッカーの勢力圏で聖地「ウシャク星系」であることが判明します。おりしもオッカーは種族の長を決める「エシャハル」の時期で、宗教的にも重要な聖地巡礼も行われるという非常にデリケートなタイミングでしたが、アダム一行は人類の危機という状況もあり巡礼者としてウシャク星系へと赴くことに。


異種族の巡礼への参加は文字通り異例中の異例、本編での活躍もあり参加こそ許可されたもののオッカー全体に衝撃をもたらすこととなります。また、エンシェント襲撃という人類側の混乱を好機とみた一部過激派「オッカープライム」は活動を激化、さらにアダム一行の巡礼参加により信仰的にも彼らをより一層刺激することとなります。
かくしてオッカー領内というアウェーを舞台に、アダム一行による「対エンシェント」の為の大掛かりな作戦が幕を開けたのでした。
本DLCではオッカー領域を中心に既存星域の拡張や新規追加、オッカー系統の新武器やアップグレードの他、新機体「レイス」も実装されるなど内容盛りだくさん。追加ストーリーもステルスミッションや防衛ミッションなど、多岐にわたるものとなっています。




オッカー系統の新装備は8点バーストのオートキャノンに短射程高火力のビームレーザー、低HPながら敵撃破ごとに完全回復する装甲などどれも癖のあるものばかり。もちろんその分ビルドがハマると非常に強力なので色々試してみるのもよいのではないでしょうか?

新機体「レイス」は特殊能力としてスタックタイプの特殊なバフアイテムを追加獲得できるほか、ULTとして「スペクトラルフォーム」なる特殊形態に変化可能。この時発動可能なデバイスも特有の特殊なものへと変化し、これらを駆使することで戦闘を有利に進めることとなります。
ただし、「レイス」を購入可能となるのは追加ストーリーのクリア後で、機体価格も1,000,000クレジットと非常に高価な点には注意が必要です。また、機体性能もシールド・アーマーともに中量級並となっていることから、重量級のような防御力に任せての撃ち合いは不得手な点にも要注意です。
追加ミッションも色々と手の込んだものが多くボリューム的にも大満足なのですが、特に筆者として印象的だったのがエンシェントの遺跡関連のとあるギミックで、あまりに手がかりが少なかったことです。1晩悩まされた末にその解法に気づいた時には思わず「なるほどなぁ」と唸るほどでした。

日本語翻訳に関しては一部未翻訳や字幕の表示遅れがあったものの、概ね記事執筆の時点でほぼ問題ないと言っても差し支えない状態でした。
個人的には全体的に満足いく完成度で、定価分の価値は十分にあるDLCではないかと思います。
スパくんのひとこと
『EVERSPACE 2』最後の拡張コンテンツがいよいよリリーススパ!新星域に新武器、新機体にとやり応え十分スパ!…え?古代の知的生命体や創造主?そりゃスパ君のことスパね、こう見えて地球人を作ったのはスパくんなのだスパ、ほらほら皆もっと崇めるスパね。
タイトル:EVERSPACE 2 - Wrath of the Ancients
対応機種:PC(Steam,GOG)/PS5/Xbox Series X|S
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2025年5月13日
記事執筆時の著者プレイ時間:5時間
価格:2,970円