
アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんに古今東西の素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、1998年にPC向けに発売されたロボットFPS『Shogo: Mobile Armor Division』です。
多くのアニメに影響を受けたロボゲー!
『Shogo: Mobile Armor Division』は、アメリカのゲーム開発スタジオMonolith Productionsが手がけた作品。Monolith Productionsは1994年に設立され『F.E.A.R.』シリーズや『Middle-earth: Shadow of Mordor』などの作品で知られています。日本でも過去に展開され『昇剛』のタイトルで販売されていました。
本作でプレイヤーは、可変戦闘ロボット“Mobile Combat Armor(MCA)”のパイロットを務める主人公「Sanjuro Makabe」の役割を演じます。舞台となるのは、恒星間移動を可能とするエネルギー「Kato」が採掘できる惑星で、Sanjuroが所属する組織のほか、強大な力を持つテロリストなどによって争いが絶えない状況が続いています。




Sanjuroは過去の任務中にテロ組織「Fallen」によって恋人、弟、親友を失った過去があり、今もその事実に苦悩しています。ゲーム本編ではSanjuroは「Fallen」の指導者を倒すという任務を新たに請け負い、惑星内のさまざまなエリアでのミッションへと挑むことになります。
また開発チームは、「機動警察パトレイバー」「攻殻機動隊」「新世紀エヴァンゲリオン」といった名だたるアニメに影響を受けたことを明らかにしています(公式サイトアーカイブ)。ゲーム内でもその影響は強く感じられ、さまざまなお約束な展開なども楽しめます。そして本作の主題歌「ねがい」は、日本語で聞くことができますよ!
なお本作のゲームエンジンは、Monolith Productionsの「LithTech」と呼ばれるもので、自社エンジンでの初開発のゲームです。「LithTech」はその後『F.E.A.R.』シリーズのほか『サドンアタック』『クロスファイア』『Legends of Might and Magic』などの他社タイトルにも使われています。

ロボ&人間パートが交互に展開
本作の物語は、Sanjuroが味方とともに敵MCA部隊と交戦するミッションから始まります。ここはチュートリアルなので、移動や武器の使い方を学んでおきましょう。また、始める前には必ずオプションで操作設定をチェック。PC環境によっては、移動も攻撃もできない状態のキーバインドになっていると思います。
ゲームはいわゆるチャプター制で、Sanjuro自身を操作するパートとMCAに乗って戦うパートに分かれています。最初のミッション終了後は基地に移動してブリーフィングを受け、いよいよ本格的なミッションが始まります。ちなみに基地パートで味方に迂闊に銃を撃つと、「裏切り者!」と大騒ぎになってしまうので気をつけましょう。





ミッションの基本的な内容としては、各エリアで敵を倒しながら目的地に辿り着くこと。ゲームとしてはかなりオーソドックスなFPSで、敵を倒したり、オブジェクトを壊すことで武器やライフ、アーマーなどのアイテムを入手できます。また、スイッチなどの装置は触るだけで発動するので、インタラクトは必要ありません。
ロボットパートはライフルやミサイル、ランチャーなど派手な武器が使用可能で、高いHPとアーマーのため簡単にやられることはありません。人間パートでも豊富な武器が使用できるだけでなく、ビル内の仕掛けを解いたり、窓ガラスを割って別の入口を探したりと、多少移動に凝ったミッションを楽しめます。





また、本作の特徴的なシステム「クリティカルヒット」も見逃せません。攻撃時にクリティカルヒットが出た場合、相手に大ダメージを与えるだけでなく、プレイヤーのヘルスを回復するという効果があります。敵の攻撃がかなり激しい作品なので、クリティカルヒットで回復できるのは大きな助けになるのです。




数々のインスパイア要素に注目!
『Shogo: Mobile Armor Division』では、タイトル画面を始め多くの場面でアニメに影響を受けたという要素を垣間見ることができます。ゲーム中に差し込まれる通信画面のキャラクター達もアニメ調ですし、会話の内容やSanjuroの過去と現在なども、どこか懐かしい印象があります。
また、マップ内には多くの日本語看板やポスターもあり、中には「完全にパロディだな」と思わせるものも多数。これらはほとんどゲーム内容に関わりがないものなのですが、驚くほどオブジェクトの種類が多いのも大きな特徴です。倒した敵は復活しないので、余裕があればじっくりとマップ内を探索してみましょう。





また、本作の好ましい点としてミッション序盤の出撃時に搭乗するMCAを4種類から選べるというのがあります。選べるMCAは見た目が違う程度なのですが、自分の愛機を自由に選択できるというのは嬉しいものです。一部のミッション開始時などはカットシーンもあるので、選択がダイレクトに反映されます。




現在はアーカイブでしか閲覧できませんが、公式サイトでは、本作の世界観や細かな設定、キャラクターや登場メカなどのコンテンツも公開していました。さまざまな面でロボット作品への愛が伝わる要素として、ぜひとも一読を。




環境によっては起動不可や不具合も
1998年に発売された『Shogo: Mobile Armor Division』は、2008年にGOG.com、2017年にSteamで配信されています。1998年というと初代『Half-Life』のリリースと同じ年……しかも本作のほうがわずかに発売日が早いという、FPS作品としても歴史的な作品でもあります。
しかし、その一方で現環境でゲームを遊べないという報告も多いようです。特にSteam版は2017年に発売されたにも関わらず起動しない・遊べないといった報告が、今でもフォーラム内で行われています。もちろんこれは個人のPC環境もあると思いますが、筆者も一度ローディング状態でゲームが始まらないという経験をしました。



また、キーバインドやマウスセッティングなどが必要で、すぐに遊べないという点もあります。これは今から27年前の作品でもあり、現代向けの改修が行われていないということでもあるのでしょうが、少し驚くかもしれません。筆者の環境では矢印キーが移動になっていたのでかなり驚きました。
ゲームとしてはオールドスクールのチャプター制FPSで、クリティカルヒットという独自のシステムを組み込んだバトルを楽しめる良い作品です。ストーリー分岐もあり、展開やキャラクターなど日本のアニメの影響を感じる雰囲気もいいので、機会があればぜひとも遊んでほしい作品ではあります。




『Shogo: Mobile Armor Division』では、可変ロボットによる派手な戦闘と、マップ内を探索して武器やライフを拾いながら多数の敵と戦う懐かしいスタイルのFPSアクションを楽しめます。敵の攻撃は激しい一方で、ヘルス回復も行える「クリティカルヒット」の存在で継続して戦いやすいのも大きなポイントです。
現代の環境で遊べない可能性があるのは非常に惜しい点ですが、世界観や独特の雰囲気はロボット好き・SFアニメ好きならば一度は体験してほしい要素が満載。繰り返しにはなりますが、あの有名なOP曲も必聴です!


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