レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ

クラウドファンディングも好調です。

連載・特集 プレイレポート
レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ
  • レトロと現代が織りなす圧倒的完成度!『バイオ』風サバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版は、製品版が待ち遠しくなるほどの良質体験だったプレイレポ

本稿はネタバレを含むので、記事の閲覧には十分注意してください。

『アローン・イン・ザ・ダーク』をはじめ、『バイオハザード』や『サイレントヒル』、『パラサイト・イヴ』など、1990年代初頭~後半にかけて“サバイバルホラー”と呼ばれるゲームジャンルが確立し、多くの名作が誕生しました。

本稿では、Nocturnal Interactiveが、そんな名作タイトルから大きな影響を受けつつ、一方で現代的な要素も取り入れたというサバイバルホラー『Scarlet Lake』デモ版のプレイレポートをお届けします。

本デモは、森の中を探索する前半戦と、市街地に入り「レイクビューモーテル」を調査していく後半戦、2つのパートに分かれています。ボリュームとしては少し物足りなさを感じますが、直線的でシームレスに繋がっており、探索の緊張感を失うことのない楽しさに満ちたプレイフィールでした。


クラシック×現代的要素が融合したホラーADV

本作は、アイソメトリック視点(いわゆる斜めからの見下ろし、俯瞰視点)を採用したサバイバルホラー・アドベンチャーゲームです。

プレイヤーは、元特殊部隊のベテラン刑事であるベン・マーフィーを操作し、異形の怪物が徘徊する封鎖された小さな町「スカーレット・レイク」を探索。行く手を阻む様々な謎を解き、武器をアップグレードして敵を倒しながら、隠された真実を暴き出すことが目的となります。

本作品を特徴づけるキーワードは「クラシックと現代的要素の融合」です。まず、緻密かつ低解像度の3Dピクセルアートが、初期『バイオハザード』三部作といった、90年代ホラーゲームのビジュアルと雰囲気をよく再現しています。

それに加えて、丁寧に作り込まれた世界観と直線的なストーリー、複数の武器を使った戦闘、適切なインベントリ管理とアイテムの取捨選択、セーフールームで行うゲーム保存、報酬のある謎解きパズル……などなど、90年代ホラーゲームの本質を捉えており、期待通りのサバイバルホラー作品になっていると感じます。

一方で、当時の要素を「ただ取り入れた」だけでもないのもポイント。例えばカメラまわりは、「固定カメラ」ではなく斜めから見下ろす「俯瞰視点」だったり、移動方法は、十字キーによる「タンクコントロール」を採用せず、スティック操作で快適に移動できるように調整されています。また戦闘システムも「ツインスティックシューター」方式であったりと、現代基準の「遊びやすさ」に合わせたものなっています。

本作は、レトロなビジュアルと現代のメカニクスを融合させ、現世代のサバイバルホラーファンとオールドスクールファン双方にリーチする魅力を備えている、と言えましょう。

すでに総支援額100万円突破!滑り出し好調のクラファン

2025年6月3日よりKickstarterで開始された本作のクラウドファンディング。ファンディング方式は、「オールインワン(All or Nothing)」タイプで、2025年6月24日までに目標金額を調達できた場合のみファンディングされます。本稿執筆時点では、すでに88人ものバッカー(支援者)がおり、支援総額はすでに目標額の1/3に届きつつあり、好調な滑り出しと言えましょう。

ちなみに筆者は、「Ultimate Reward Bundleのバッカーになりました。これのより得られるリワードは、製品版のデジタルコピーに加え、PSX風のスペシャルボックス、物理媒体によるサウンドトラックCDやミニガイドなどが同梱されるコレクターアイテムとなっています。

操作方法、対応言語について

操作方法はキーボード&マウス、およびコントローラーに対応しています。本作は「フルコントローラー対応」なので、操作感の快適さも含めて筆者はXboxコントローラーを使用しました。もちろん、移動や各動作のボタン配置など、プレイ時の感触は文句なしに良かったです。

言語については、残念なことにデモ版時点では日本語未対応。しかし、現地時間6月3日に開始されたクラウドファンディングのストレッチゴールを見てみると、達成レベルによりますが、日本語を含む数カ国の言語でローカライズ予定とのことです。

とはいえ現時点において、そこまで難しい英語という体感ではなく、ゲームを進めるにあたって困る場面はありませんでした。これに加えて、翻訳アプリなどを使用すれば問題なくプレイできるでしょう。

短時間ながら“圧倒的な完成度”のデモ

男:「さっき言ったことを覚えておけよ。俺が詳しく話してやろう」

ということで本編開始。本作の舞台となるのは、マーシー島にある「スカーレット・レイク」という静かな町です。本来、人口も少なく決して目立つことのない平穏な場所のようですが……。

ベン:「…ああ分かったよ。ところでいったい何が起こってる?なぜこの場所を隠そうとしているんだ?」

深い森の中を走る一台の車。地元民と思われる中年男性と一緒に乗っているのが、我らがベテラン刑事「ベン・マーフィー」こと主人公です。二人の会話によると近年、複数企業の流入により、スカーレットレイクの町半分に相当する土地が買い占められてしまったとのこと。

紆余曲折の末、現在スカーレットレイクは強制的に封鎖されてしまっている、とのこと。しかも周囲全体に分厚い壁が設置され、内部はいくつかの区に分割管理もされているようです。この町でいったい何が起こっているのでしょうか……?

到着した直後、正体不明の警備隊に「今すぐ車から出てこい」と命令され、ただならぬ雰囲気に緊張が走ります。地元民いわく、この警備隊は普段のセキュリティチームとは異なる人員とのことです。

事態が飲み込めませんが、言われるまま車から降り、手を上げるベンたち。すると……!

警備隊のひとりが容赦なく地元民を射殺。このままではベンの命も危うい……!といったまさにその瞬間、後方にいた警備員が別の「何か」に襲われ姿を消します。

彼らの注意がそちらに向いた一瞬を見逃さず、ベンは反撃して警備隊を倒すことに成功。ひとまず安堵するベンでしたが、無事ここから生還できるのでしょうか。

シームレスに繋がった町を探索

本作の目的は、スカーレットレイクに隠された巨大な陰謀を暴き、失踪したベンの妻「タラ」を見つけ再会することです。彼女は2年前に「スカーレットレイクに来て欲しい」というメッセージを残したあと行方不明に。ベンはわずかな希望を胸にこの町へとやってきたのです。

ここからの基本的なゲームの流れについてですが、エリア探索→戦闘→アイテム収集→謎解きパズル→武器の強化→次のエリアへ、といったクラシックなサバイバルホラーゲームデザインを踏襲しています。

まずは周囲の探索から始めましょう。操作方法は左スティックで移動、LBボタンでダッシュですが、前述の通り操作はめちゃくちゃ快適です。

また俯瞰視点のおかげで、カメラワークもスムーズでストレスなく探索が可能です。

森の中を彷徨っていると、古びた井戸を発見。底から異臭がしているようで、ハエがたかっています。いったい何があるのか……。

すぐそばにコテージのような小屋を見つけ、調査に入ります。『バイオ』のように少しずつプレイヤーの不安を煽るステージ構造になっており、探索のワクワク感と恐怖感が入り交じります

家に入った途端、モンスターと初遭遇……!本作は主に『バイオハザード』から影響を受けているものの、開発者によるとクリーチャーデザインは「ゾンビ」ではなく、「遊星からの物体X」「エイリアン」「ザ・フライ」といった映画、さらには『サイレントヒル』『The Last of Us』『デッドスペース』といったゲームからインスピレーションを受けたそうです。

なんとか異形のモンスターを倒し奥の方へ。部屋から部屋の移動は、ロードを挟まないのでとても快適です。

各部屋には弾薬や回復アイテムが落ちていたり、日記や新聞などからストーリーに関する情報が散りばめられていたりと、ホラーゲームの醍醐味である“インタラクティブな探索”が行える点も本作のグッドポイント。

ほかにも探索可能なロケーションはいくつもあります。牧場では、さきほど姿を消した警備員が無惨な姿になっていたり、納屋には元住民と思しき大量の死体が転がっていたり恐ろしい光景が広がっています。

本作のマップは、ズームイン/アウトやフロア切り替えなど必要最低限の機能は用意されているものの、その「見やすさ」はあまり良いものとは言えず、現在地が分かりにくかったのが惜しい点だと思います。

アイテム収集と謎解き&インベントリ管理

往年の作品と同様に、本作も、弾薬や回復などの資源を集めて態勢を整えつつ、時にはキーアイテムを探し出して謎を解き、閉ざされた未知のエリアへと進んでいきます。

ホラーゲームでおなじみの「クランク」

たとえば、死体が横たわる浴槽の血を抜けば、『バイオ』シリーズでもお馴染みのアイテム「クランク」が手に入ります。

これを近くの井戸で使用し、クランクを回して引き上げていくと……、

井戸桶に置かれた生首があらわれます。ドット絵とはいえ、普通にグロくて気味が悪い……。それを調べて「ゲートキー」を入手し次のエリアを開放していきます。

また消耗品やキーアイテム以外にも、どこで使用するか不明なお宝的なアイテムやジャーナル日記などの資料アイテムが随所にあり、探索しがいがありました

謎解きについては、基本的に自分で考えて答えを導き出さないといけない、伝統的なハードコア仕様。例えば、終盤に登場するこちらの仕掛けは、正しい順番でスイッチを押していくというものです。一見、ノーヒントで難しそうですが、いろんな角度で観察すれば「あ、そういう事か」と腑に落ちる捻りの効いた謎解きでした。

そして、サバイバルホラーの本質的な要素でもある「インベントリ管理」も重要です。本作には『バイオ』シリーズと同じくアイテム保管箱が存在し、「どのアイテムを持って行き、どれを置いておくか」といった判断が常に求められます。この取捨選択が生存できるか否かの分かれ目でもあり、ゲームの面白さに直結していました。

迫力のある戦闘&武器強化システム

本作の戦闘はいわゆる「ツインスティックシューター」形式です。左スティックで移動し、右スティックでエイム(照準)、LTで銃を構えてRTで撃ち、Xでリロードします。感触としては、リアルな銃声や手にかえってくる振動も相まって、かなり気持ちの良い手応えがありました。

基本的にヒット&ランで距離を取りながら戦うのがセオリーですが、本作のモンスターは、巷でよくいる(?)ゾンビに比べると足が速く、こちらがモタモタしているとすぐに追い詰められるため注意が必要です。

独特だったのは、戦闘におけるゴア表現のキツさ。血しぶきが出るのは当然ですが、高火力のショットガンを使うと四肢欠損するなど、敵がバラバラになります。この表現をグロいと感じるか、迫力があると思うかはプレイヤー次第ですが……。

また、独自の「武器強化システム」も搭載しており、すべての武器は町中に点在する作業台でスクラップを使用してアップグレード可能です。

たとえば、ダメージ量を増加させるのか、リロード時間を短縮させるか、それとも射撃性能を改良させるのか…戦略性とリプレイ性を兼ね備えたシステムです。


あらためて本デモは、約30~40分でクリアできる程度のコンパクトなボリュームですが、クラシックなサバイバルホラーのエッセンスは残しながらも、操作感や戦闘システムは現代的な快適性のあるものに仕上がっており、総じて製品版のリリースが待ち遠しくなるくらいの圧倒的な完成度でした。

サバイバルホラー『Scarlet Lake』は、Windows PC向けに配信予定。クラウドファウンディングの結果次第によってはコンシューマ機向けにもリリース予定とのことです。

  • タイトル:『Scarlet Lake』デモ版

  • 対応機種:Windows PC(Steam
    ※コンシューマ機にも対応予定

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam

  • 著者プレイ時間:2時間

  • 発売日:未定

  • サブスク配信有無:無し

  • 価格:未定
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

スパくんのひとこと

デモ版ながら世界観もゲームプレイも完成度が高く、製品版が待ち遠しくなるスパ!

ライター:DOOMKID,編集:麦秋

ライター/心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

+ 続きを読む

編集/お空の人。 麦秋

普段は仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。皆さんのこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top