
突然ですが皆さん、開拓は好きですか? まだ人の住んでいない荒れ地をならし、仲間と共に徐々に発展させて、将来の大都市を夢見て町を広げていく「開拓」には、誰もが憧れるロマンが秘められています。しかし当然ながら実際に無人の地を開拓しようとすると大変ですし、食糧不足や環境の変化など様々な困難に直面することとなってしまいます。
そこで、そんな開拓好きの皆さんに朗報です。数年の早期アクセス期間を経て、この4月にPC(Steam)向けに正式リリースとなった『Dinkum(ディンカム)』であれば、ゲームを通じて家で楽しく快適に開拓に勤しむことができるのです。
本作はオーストラリアにインスピレーションを受けた世界で自由な開拓を楽しめる、最大6人までのマルチプレイに対応したサバイバルライフシミュレーションゲームです。「テントと寝袋」だけという簡素な生活からスタートし、「サバイバル要素」「クラフト要素」「季節イベント」などの様々なアクティビティを通して、島の開拓&発展を目指していきます。
Steamレビューでは「非常に好評」をマークし、親しみやすく可愛らしいグラフィックが目を引きます。本記事では農場シミュレーションやサバイバルクラフト系のゲームには目がない筆者が、この『Dinkum(ディンカム)』のプレイレポートをお届けしていきます!
『Dinkum(ディンカム)』Steamストアページ
ゲームを開始すると、世界がディストピア化しているらしいという驚愕の設定がシンプルに語られます。人類は極寒の都市「サウスシティ」での生活を余儀なくされ、そこで静かに滅びるのを待っているような状況のようです。なぜこのようなことになっているのか詳しい説明はないのですが、想像力がかき立てられる独特の設定ですね。

そんな折、プレイヤーはフレッチという人物が出していた募集によってナンバーワンがんばりアイランド(※島の名前は自由に変更することができます)へ移住することを決意します。

飛行船に乗り込み、ただの老婆と思しきフレッチと共に新天地を目指す主人公なのでありました……と、ここまでが『Dinkum(ディンカム)』のあらすじ。正直、無人島で老婆と二人きりというのは労働力の面から考えてかなり限界というか、大丈夫なのか!?という気もしなくもないのですが、結論から言えばなんとかなります。


島は人間の暮らしの名残りこそあれど、現在誰かが住んでる様子はなく、完全に荒れ放題の無人島です。
まずは「拠点テント」を立てて衣食住の「住」を確保するプレイヤー一行。拠点テントは後々「役所」のようなものとして運用されていくのですが、この時点ではシステムをあんまりよくわかっていなかったため、今回は海沿いに建ててしまいました(建物の位置は後から変えられます)。

役所を建て、各種チュートリアルを済ませたら、いよいよ自由なゲームプレイの始まりです。『Dinkum(ディンカム)』はいわゆる農場シミュやスローライフゲーム、そしてオープンワールドサバイバルクラフトといったジャンルの中間のような作品です。オーストラリアをベースにした広大な島を自らの足で探索し、素材を手に入れ、それによって拠点周辺を発展させて……というようなゲームプレイになっています。


プレイヤーはそこで虫取りや釣り、木の伐採や鉱石の採取など、かなり自由に様々なアクティビティを体験できます。そこで重要となってくるのが「許可ポイント」です。

この世界では許可ポイントを消費し、ライセンスを購入しなければ「伐採」や「探掘」などの行為をすることができません。「無人島まで来ておいてライセンスが必要なの!?」と思うかもしれませんが、法は法なので仕方ないことです。大人しく従いましょう。
許可ポイントはゲームプレイを通して充分な量が手に入るので「伐採のみを極める!」といったようにひとつの要素に特化することにはならず、最終的にはたくさんのライセンスを所持することになります。

そのため、ゲーム序盤では自分がまず何をしたいのかを考えて、優先順にライセンスを取得していくことが重要になっています。釣りなどのライセンスより、伐採や探掘などプレイに必要不可欠なものを優先して開放するのがおすすめです。

自分のテントを建てたり、商店を営む「ジョン」が遊びに来てくれたりなど、島は徐々に活気を取り戻していきます。プレイヤーは炉や各種作業台を建築し、素材を加工して新たな道具や建物を作っていくことになるのですが、このあたりはいわゆる「オープンワールドサバイバルクラフト」っぽいプレイ感となっています。

島は危険でいっぱい。冒険しているとワニやサメなどの敵性生物に襲われてしまうこともあります。また、柵で囲っていないと家畜が襲われてしまうなんていうアクシデントに遭遇することも……。ということで、いわゆる「スローライフ」なゲームよりもアクション性があり、緊張感のある場面も待ち受けています。「アルファ」というちょっと強いボスモンスター的なモブを討伐するような要素もあります。

オーストラリアの雄大な自然が広がる島を移動するために、各種乗り物が使えるところも本作の特徴。ボートを運転したりもできますし、島が発展してくるとヘリコプターなどにも乗れるようになるようです。


素材を集めたり捕まえた虫や魚を売却して「ディンク(ゲーム内通貨)」を稼ぐのも、本作の重要な要素。稼いだディンクで建築物を作ったり町を発展させる傍ら、町を訪れる客の気を引いて住民になってもらわないといけません。
住民が増えるとその分設備が増え、できることも増えていきます。許可ポイントを貯めてライセンスを取得しできることを増やす、金策する、素材を集め島を探索する……などなど、本作には遊びどころがいっぱいです。
そうやって住民を5人まで増やせば、島は正式な居住地として認められ、ようやく「町」となることができます。ゲームとしては最序盤も序盤ですが、ここまで来るのにも十数時間を要しました。もっと効率よく遊んだりマルチプレイを利用すれば短縮できるかもしれませんが、せかせか遊ぶよりも世界観を味わいつつ、じっくり腰を据えて遊ぶのが良いと思います。


最初はテントだらけの荒れ地のようだった島も、このようにすっかり「町」らしく成長しました。建造物は西部開拓時代を彷彿とさせるようなムードのあるものが揃えられていて、どれも温かみのあるデザイン。こだわって建築すれば、可愛い島を作ることも充分可能です。
『Dinkum(ディンカム)』Steamストアページ『Dinkum(ディンカム)』はSteamにて、通常価格2,300円で販売中。もうじき夏休みシーズンですし、ゆっくりコツコツ遊びたいゲームをお探しの方は『Dinkum』を買えば、ボリュームたっぷりのちょっと激しいスローライフを楽しく遊べるでしょう。また、本作は2025年後半にコンソール版の発売も予定しています。気になる方は国内向け『Dinkum(ディンカム)』公式Xをフォローして、今後の続報を期待しましょう。











