“隅々まで見てくれ!”という気概感じる『キングスフィールド』ライクなクセ強ローポリホラー『Caput Mortum』プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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“隅々まで見てくれ!”という気概感じる『キングスフィールド』ライクなクセ強ローポリホラー『Caput Mortum』プレイレポ

錬金術師の塔に挑む……メチャクチャあわあわしながら。

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“隅々まで見てくれ!”という気概感じる『キングスフィールド』ライクなクセ強ローポリホラー『Caput Mortum』プレイレポ
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Caput Mortumトレイラー

WildArts Gamesが手がける一人称サバイバルホラー『Caput Mortumが、本日8月27日にSteamにて配信開始されました。

本作のパブリッシャーをつとめるBlack Lantern Collectiveは、滅びつつある世界の青春物語『CHILDREN OF SATURN』や、誰もいないオンラインFPSを彷徨う『No Players Online』など、クセの強い注目作を次々と担当する新進気鋭の存在です。


そんなラインナップの中で『Caput Mortum』も負けじと劣らずクセの強い異色の作品となっていました。本記事では『Caput Mortum』のプレイレポートをお届けします。

自信がうかがえる徹底的に独特な操作方法

プレイヤーはのどかな風景の中にそびえたった塔の前で目覚めます。周囲には打ち捨てられた田畑と壊れた山小屋がぽつんと立っているのみ。人の気配をまるで感じません。

しかし、ここで真に特筆すべきはこの作品の視点操作です。左右に視点を移動させるためには、LとRのトリガーボタン(PSコントローラーではL2とR2)を押し続ける必要があります。

さらに視点を上下に移動させるためにはLとRボタンをそれぞれ押す必要があります。

さらにさらに、右下に頼りなく彷徨っていた右手は右アナログスティックで移動操作が可能。オブジェクトへのインタラクトやアイテムの取得などで、せわしなく動かす必要があります。

普通の作品ではマウスやスティックの操作一つで済む視点移動が、4つのボタンに分散されているのに加えて、オブジェクトへのインタラクトにもスティックでの移動というひと手間が加えられています。視点の移動速度も決して早くはなく、180度振り向くのには2秒ほどの時間を要します。

しかし、プレイを続けていくと、この独特の操作が作品の魅力を高めるのに一役買っていることにジワジワと気がついていくことになります。

本作はローポリモデルや板ポリ(平面)モデルを多用して、作りこまれたビジュアルを実現しています。昨今レトロなビジュアルをウリとしている一人称作品は多数ありますが、それらの多くはVHS風の荒いエフェクトで画面を覆い、モデルの出来を見えづらくしている面もあります。

そのような、ある種の誤魔化しを悪いこととは筆者個人は思いませんが、『Caput Mortum』は独特の操作方法からは「むしろ私たちのモデルを見てくれ!」という気迫を感じました。

いくらゲーム内のモデルが作りこまれていようと、プレイヤーが干渉できないからと言って素通りされる3Dモデルたちの性を憐れむ私にとって『Caput Mortum』の気概には嬉しいものがありました。

なお操作方法は「デフォルト」「キングスフィールド」(!?)「キーボードのみ」「マウスとキーボード」から選択可能です。

「探索」「謎解き」「戦闘」を通じて明かされる錬金術師たちの謎

そんな独特の操作性を持つ本作ですが、ゲームプレイの基本は「探索」「謎解き」そして「戦闘」の3つの要素に集約することができます。

訪れたステージには鍵のかかったドアや宝箱が用意されており、それらを徐々に開放するために「探索」ではアイテムや情報を集めていくことになります。

謎解きとは関係のないアイテムを拾うことも。

探索中には物語の背景を語る断片的な文書を見つけることも。この塔で何が行われていたのか…。なぜ辺り一面が無人になってしまったのか…。いくつもの疑問に徐々に輪郭が与えられていきます。

「探索」でアイテムや情報を集めた後は「謎解き」が始まります。謎の液体や人体の構造、果ては星の並びまで、錬金術に関する謎が各ステージに散りばめられています。

錬金術に関連する謎解きが散りばめられる。

謎の難易度は比較的易しいため、パズルゲームが苦手な筆者のような人間でも長時間詰まったりすることはなくスムーズに進むことができました。

肝心なのは探索で必要な情報を確実に集めること。ここでも「ゲームを隅々まで見てくれ」という気概を感じ、この作品に対する愛着も強くなりました。

最後に避けては通れない「戦闘」についてです。先ほど書いたように本作の操作方法はかなり独特のものです。この独特さによって戦闘は期待通りの大パニックを誘発します。

まず敵をまともに視認する必要がありますし、さらに敵に攻撃が当たるように右手を移動させなければなりません。体力は自動回復せず、決して多くもありません。アワアワしているとあっけなくゲームオーバーになってしまいます。

戦闘が終わったころには、腕は伸び切り、姿勢はしゃがみという珍妙な格好になっていることも。好みは分かれるとは思いますが、このヘンテコなゲームに自分を馴染ませていく感覚には独特の魅力を感じたことも確かです。

敵の中には錬金術によって作られた不死身の怪物も存在します。一部のステージでは気がついたら背後に迫ってきていることもあり、緊迫感のある探索を楽しめます。

不死身ではあるものの対処法は存在。落ち着いて対応しましょう。

以上、サバイバルホラー『Caput Mortum』のプレイレポートでした。あまりの独特な操作方法に最初は圧倒されてしまいましたが、それはゲームの魅力を開発が確信しているからこそのものであり、プレイヤー側もそれに納得できるだけのクオリティの高さを誇った良作でした。筆者は3時間ほどでクリア。プレイしたビルドでは一部のみ日本語対応でしたが、リリース版では全面日本語対応しているとのことです。

謎多き錬金術師の塔の結末を皆さんもぜひ見届けてみてください!

ライター:ようげ,編集:みお

ライター/3D空間を一人称視点で歩くのが好きです。 ようげ

隠れた宝石のようなゲームを日々探しています。 英日ゲーム翻訳者としても活動中。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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