Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた

子どもの発達に寄り添い、成長を実感できる安心のデジタルおもちゃです。

連載・特集 Game*Sparkレビュー
Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた
  • Game*Sparkレビュー『かおマリオ』:3児の母が子どもと遊んでガチレビュー。2歳・4歳・7歳それぞれの楽しみ方が見えた

子どもと一緒に遊ぶゲームやアプリを探していると「これなら安心して触らせられるかも」と思えるものに出会う瞬間があります。私は3児の母であり、普段は看護師として子どもやその家族のケアに携わっています。そんな私が今回注目したのが、任天堂からリリースされた『かおマリオ』でした。

一見するとシンプルなデジタルおもちゃですが、実際に2歳・4歳・7歳の子どもたちと体験してみると、年齢ごとに違った反応を見せ、親である私自身も予想以上に楽しませてもらいました。

また、看護師としての視点から「発達段階に応じた遊びの意義」にも触れながら、このアプリの魅力や課題をレビューします。

『かおマリオ』ってどんなアプリ?

『かおマリオ』は、画面いっぱいに表示されるマリオの顔を、タッチやスワイプで自由に変形させて遊ぶデジタルおもちゃです。ほっぺたを伸ばすと「ボヨーン」と広がったり、鼻をつつくと「プルプル」と震えたり。直感的な反応が返ってくるので、小さな子どもでもすぐに操作を楽しめます。

また、仕掛けは顔の変形だけではありません。画面上に出てくるハテナブロックからコインやスーパーキノコ、スーパースターなどのおなじみのアイテムが飛び出します。メニューの「いないいないばあ」では、突然テレサが出てきて驚かせてくれるなど、思わぬサプライズも。

BGMや効果音も巧みに作り込まれていて、キャラクターの動きやアイテムの出現に合わせて音が変化するため、触っているだけで次々と新しい発見があります。単純ながらも「マリオの世界観で遊ばせてもらっている」感覚がしっかり味わえるのが大きな魅力です。

2歳児が夢中になった「感覚遊び」

一番驚かされたのは、まだ2歳の子の反応でした。

ゲッソーが現れて墨を吐くと、マリオも画面も一瞬で真っ黒に。「まっくろー!」と声をあげながら、ケラケラ笑って何度も同じ仕掛けを繰り返していました。

触る→変化がある→もう一度触る。大人から見ればただの繰り返しでも、子どもにとっては大発見のようです。まだ言葉も完全には整っていないけれど、「自分がやったことに反応が返ってくる」その手応えが、嬉しくて仕方ないんだと思います。

見ている親としても、ちょっとした驚きと感動がありました。普段なら「もう同じことばっかり!」とつい止めてしまいそうになるところ。でもゲームの中なら、いくら繰り返しても誰も困らない。子どもは安心して「やりたいだけやる」ことができます。そうやって夢中になっている姿を見ていると、「ああ、この子は今自分でできた!っていう気持ちを少しずつ積み重ねてるんだな」と実感できました。

そして看護師としての目線で見ても、この反応はまさに2歳の発達段階に合ったものだと感じます。まだ理屈で因果関係を理解する時期ではないけれど、「触れると変わる」という直接的な体験をくり返すことで、少しずつ「自分の行動が外へ影響する」という感覚を育てていきます。こうした遊びの積み重ねは、感覚や認知の発達を後押しする大切なステップだと思います。

親としては「かわいいな」「おもしろいな」と感じる瞬間でも、専門職の視点からは「この子は今ちょうど、この力を伸ばしているんだ」と見えてくる。そんな二重の気づきがありました。

4歳児は「探検家」のように

次に、4歳の子が遊ぶ様子を見ていると、反応はより探究的でした。

「ここ触ったらどうなる?」と、画面の端から端まで触っては、マリオの顔が伸びたり縮んだりするのを確認しています。時には「わあ、びよーんてなった!」「くるくる回ってるー」と声を上げて笑い、時には「これ押したらどうなるん?」と真剣な表情。

2歳児のときは「繰り返しの楽しさ」が中心でしたが、この年齢になると「自分で見つけたい」「試して確かめたい」という気持ちが前に出てきていました。親として見ていると、その表情の変化がとても面白い。笑っているときは単純に楽しさを味わっていて、真剣な顔をしているときはまるで小さな研究者のよう。子どもって、こんなに小さなことにも本気で向き合うんだなと感じさせられました。

看護師としての視点で見ると、これはまさに4歳の発達段階に合った姿だと思います。この時期は「模倣」から「探索」へと関心が移り、自分なりに試行錯誤しながら理解を深めていく時期です。『かおマリオ』は、触れるたびに違った反応が返ってくる設計になっているので、その「やってみたい」「確かめたい」という欲求をしっかり受け止めてくれます。

親目線では「かわいらしい遊び」に見えるけれど、看護師目線では「探究心がぐんと伸びているサイン」としても映ります。そうやって2つの視点が重なると、ただの遊び時間が「成長を間近で感じられる時間」へと変わっていくのだと実感しました。

7歳児の「ユーモア」と社会性

一方で、7歳になると楽しみ方はぐっと変わります。

画面をタッチしてマリオの顔がゆがむと、「変な顔になった!」「ほら見て、めっちゃ面白い!」と周りに報告しながら遊んでいました。

「ぼよんぼよんしてるとこ、めっちゃおもろい!」「こうすると飛んでいくね!」と笑う姿に、幼児期の「自分だけで楽しむ遊び」から、小学生らしい「誰かと共有して笑う遊び」へと移行していることを感じました。

親として見ていても、この変化はとても印象的でした。2歳児や4歳児の時は「自分が楽しい」ことが中心でしたが、7歳になると「一緒に笑う」「見せて盛り上がる」ことが楽しいんだなと分かります。自分だけで完結しない、誰かと分かち合う楽しさを覚えていく姿は、成長の証そのもの。見せてもらったこちらも思わず笑ってしまい、遊びが自然とコミュニケーションに変わっていく瞬間を体験できました。

看護師としての目線で言えば、ちょうどこの年齢は「社会性の芽」が育っていく時期です。学校生活や友達との関わりが広がるなかで、「相手と気持ちを共有する」「同じことで一緒に笑う」ことが、子どもの心を大きく育てます。『かおマリオ』のようにシンプルな遊びは、説明なしでも一緒に体験できるので、友達や兄弟とのコミュニケーションのきっかけになりやすいのではないでしょうか。

親目線では「ただのおもしろ顔遊び」に見えるけれど、看護師の視点を重ねると「他者と関わりながら成長していくステップ」が見えてくる。そんな二重の発見が、7歳の遊び方からも感じられました。

親目線でのメリット

実際に子どもたちと遊んでみて、親として「これはありがたい」と思えたポイントがいくつかあります。

まず一番大きいのは、操作が直感的で説明がいらないこと。小さな子どもにゲームを渡すとき、親としては「教えなきゃ分からないかな?」とつい心配になります。しかし、『かおマリオ』はボタンや文字が読めなくても遊べるシンプルな仕組みになっていて、2歳の子でも迷わずすぐに理解できました。親が横から細かく口出ししなくても大丈夫なので、子どもが自分で「できた!」と感じられるのが嬉しい点です。

次は、広告や課金要素が一切ないこと。スマホやタブレットのアプリだと、突然広告が出てきたり、課金のポップアップが表示されたりして「ちょっと目を離した隙に…」とヒヤッとすることがあります。その心配がないだけで、安心して子どもに任せられる。親にとってこれは本当に大きな安心材料でした。

さらに驚かされたのは、音へのこだわりです。ジャンプやタッチの効果音が場面ごとに変わり、背景によってBGMも切り替わります。子どもたちは「音が変わった!」とすぐに反応して、そのたびに大笑い。聴覚の刺激が加わることで、遊びの世界がぐっと広がっているように思いました。

また「視覚と聴覚の両面から働きかける仕組み」は、子どもの成長段階にとってとても有益だと感じます。幼い子どもにとって、色や形、音の変化は大きな刺激であり、「もっとやりたい!」という気持ちを自然に引き出してくれるもの。安心できる環境でこうした多感覚の刺激を体験できるのは、発達を支える意味でも価値があると実感しました。

気になった点・デメリット

一方で、気になる点もいくつかあります。

シンプルさが魅力である反面、仕掛けのバリエーションはやや限られています。長時間遊んでいると「もう見たことある」という状態になりやすく、特に7歳児にとっては飽きやすい印象を受けました。

また、ゲームというよりは「触って楽しむデジタルおもちゃ」に近いので、ストーリー性や難易度の変化を求める年齢には少し物足りなさを感じるかもしれません。

親としては、「短時間の遊び」や「ちょっとした気分転換のツール」として位置づけるのがちょうどいいように思います。子どもが遊びすぎて疲れてしまう心配も減りますし、「またやりたい」と思えるくらいの短さで切り上げられるのも魅力的な点だと感じます。

看護師の視点で言えば、この「短時間で完結する遊び」という性質は、子どもの集中力の持続時間に合っているとも言えます。年齢が低いほど集中は長く続かないので、少し触れて満足できる設計はむしろ安心材料にもなるでしょう。

看護師目線で見た『かおマリオ』の意義

看護師として日々子どもの発達を意識していると、『かおマリオ』の遊びは各年齢の成長課題にしっかり寄り添っているように感じました。

  • 2歳児にとっては「感覚刺激と因果関係の理解」

  • 4歳児にとっては「探索心と自己発見の喜び」

  • 7歳児にとっては「社会性とユーモアの共有」

こうした発達段階に沿った遊び方が、特別な仕掛けをしなくても自然に引き出されるのは、このアプリならではの強みだと思います。

そして、親としてそばで見ていると、その違いがとても分かりやすいんです。2歳のときは「まっくろー!」と純粋に楽しんでいたのが、4歳になると「これ押したらどうなる?」と小さな研究者の顔になり、7歳になると「見て見て!」と誰かと笑い合う姿に変わっていく。その変化をリアルタイムで見られること自体が、成長を実感できる喜びでした。

シンプルな仕組みだからこそ、子どもの年齢によって楽しみ方が大きく変わり、まるで「成長を映し出す鏡」のように感じられます。遊びながら「今この子はこんな力を伸ばしているんだ」と気づかせてくれるアプリは、親にとってもありがたい存在だと思います。

総合評価とまとめ

総合的に見て、『かおマリオ』は「子どもと安心して楽しめるデジタルおもちゃ」として非常に優秀だと思います。操作性・安心感・遊びの多様性、そして発達段階に応じて異なる楽しみ方ができる点を踏まえて、評価は10点満点中8点

一方で、シンプルさゆえに仕掛けのバリエーションが少なく、長時間遊ぶと「もう見たことある」となりやすいのは気になるところです。特に小学生以上の子どもにはやや物足りなさを感じさせるかもしれません。このため「長くやり込めるゲーム」というよりは「短時間で楽しめるデジタルおもちゃ」としての位置づけが合っていると感じました。

親としては、ただの遊び時間が「子どもの成長を間近で感じられる時間」になるのが何よりありがたいと感じました。笑いながらも「今この子はこんなことが楽しいんだ」と気づかせてくれる瞬間があって、それは他のゲームやアプリではなかなか得られない体験です。

看護師としての視点を重ねても、年齢ごとに自然と異なる発達課題に寄り添える点は非常に高く評価できます。シンプルな構造だからこそ、子どもが自分のペースで楽しみ方を広げられ、その姿を大人が安心して見守れる。これは遊びを通じた成長支援」の理想に近い形だと思います。

親子で笑い合えるひとときをくれる、ちょっとした魔法のようなアプリ。今後アップデートなどで仕掛けのバリエーションが増えれば、さらに幅広い年齢層で長く遊べる作品になると期待しています。

Game*Spark レビュー 『かおマリオ』 ニンテンドースイッチ/iOS/Android 2025年8月26日

年齢に寄り添う遊びで、親子の笑顔が広がる作品

GOOD

  • 操作が直感的で、小さな子どもでもすぐに理解できる
  • 広告、課金要素が一切なく安心して遊ばせられる
  • 発達段階に応じて自然に異なる遊び方が引き出される

BAD

  • 仕掛けのバリエーションが少なく飽きやすいため長時間遊ぶには向かない
  • ゲーム性よりも「おもちゃ」に近いため、物足りなさを感じる子もいる



マイマリオのえほん かおマリオ
¥1,870
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:こてこ&ぴこまる,編集:みお


ライター/多ジャンルライター こてこ&ぴこまる

看護師として医療現場に立ち、母として子育てと向き合いながら、ゲームという“もうひとつの世界”にも情熱を注ぐライター。プレイヤー心理に寄り添ったレビュー、医療・心のケアを題材にしたエッセイまで幅広く執筆。“誰かの心を少し軽くする”をモットーに、読む人にやさしい文章を届けます。

+ 続きを読む

編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top