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人か、吸血鬼か?30日間をいかに生き抜くかはプレイヤー次第『The Blood of Dawnwalker』クリエイティブ・ディレクターインタビュー

『ウィッチャー3』元開発者たちによる自由度高めな吸血鬼RPG!

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人か、吸血鬼か?30日間をいかに生き抜くかはプレイヤー次第『The Blood of Dawnwalker』クリエイティブ・ディレクターインタビュー
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「ウィッチャー3』の元開発者たちが集う独立スタジオ「REBEL WOLVES」……彼らの処女作となる『The Blood of Dawnwalker』の発売が迫っております。

本作の最新ゲームプレイデモをチェックした記事はこちらに掲載しています。


そして、本作の発売に先駆けて、クリエイティブ・ディレクターのマテオ・トマスキフ氏がインタビューに答えてくれました。その模様をお届けします。

――世界観やストーリーを構築するうえで、どのような点を重視しましたか。

マテオ・トマスキフ:トレーラーでも描かれていたとおり、本作では吸血鬼をモチーフにしたいと考えました。私は吸血鬼という題材が昔から好きで、その存在を際立たせたいと思ったのです。プレイヤーが人間と吸血鬼を行き来しながら世界を体験できるようにし、ゲームシステムに独自性を持たせました。

吸血鬼は神話やポップカルチャーの中で繰り返し語られてきた存在ですが、本作ではその生き物をコーエンの物語の中に自然に溶け込ませています。作品全体を通して、吸血鬼という存在の特異さをしっかりと表現することを意識しました。

――ダークファンタジーRPGは人気ジャンルですが、ライバルも多い分野だと思います。本作ならではの強みはどこにありますか。

マテオ・トマスキフ:最大の特徴は「昼と夜でアクションが変わる」という仕組みです。私たちはこれを「デュアルゲームプレイ」と呼んでいます。その差分こそが面白さだと考えており、オープンワールドARPGと組み合わせることで大きな魅力が生まれると確信しています。

また、我々が大切にしているのは「ナラティブサンドボックスゲーム」という考え方です。たとえば昼に墓地を訪れてから夜を迎えると、プレイヤーの選択によってその後の展開やNPCの行動、結果が変化します。ミッションの順序や進め方によってストーリーは大きく分岐し、自分だけの物語を紡いでいけるのです。行き先や攻略ルートも複数用意しています。

さらに、プレイヤーは「30日間の昼夜を生き抜く」という緊張感を味わいます。家族を守るために、どの行動を取るのか、何を犠牲にするのかを常に選択し続けなければなりません。

――昼は堂々と、夜は屋根から侵入……といった具合に、イマーシブシム的な要素が目立ちます。他にもさまざまな侵入方法や、クエストの解決方法はあるのでしょうか。

マテオ・トマスキフ:クエストによって異なりますが、先述した通り、私たちはすべてのデザインの指針として「ナラティブサンドボックス」のアプローチを採用しました。

特定のクエストでは、コーエンのスキルセットを使って目標を達成する別の方法が用意されていたり、重要なNPCを殺すこともできたりします。

また、クエストは順不同で進めることができるため、例えばクエスト提供者と出会う前にクエストの中間点に偶然たどり着くこともあります。このような状況にも対応できるように、クエストのロジックと対話が設計されています。

――時間制限のあるゲームプレイは珍しい試みだと思います。導入の狙いや経緯を教えてください。

マテオ・トマスキフ:人間と吸血鬼、両方の変化を自然に描きたかったのです。ただ単に「夜だから変化する」という仕組みでは不自然に感じました。そこで「時間の経過そのものをリソースとして扱う」という発想に至りました。プレイヤーは「この時間帯は人間でいられる」といった制約を踏まえ、限られた時間スロットをどう使うか選択する必要があります。

――ゲーム内の時間は現実の時間とは連動しないのですか。

マテオ・トマスキフ:その通りです。コントローラーを置いたままでは時間は進みません。ミッションを進行・クリアしたときにのみ、ゲーム内の時間が経過する仕組みになっています。

――昼と夜は自由に切り替えられるのでしょうか。

マテオ・トマスキフ:プレイヤーは好きなタイミングで時間をスキップして経過させることができます。ただし、昼のコーエンのミッションは進みません。一日を丸ごとスキップすることも可能ですが、「時間は資源」ですから、慎重になる必要があります。

――エンディングは複数用意されているのですか。

マテオ・トマスキフ:はい。プレイヤーの選択次第で展開が変わり、マルチエンディングを迎えることができます。

――マップの広さについて教えてください。

マテオ・トマスキフ:極端に大きなオープンワールドではありませんが、ゲーム全体のプレイ時間はおよそ40時間を想定しています。広さで言えば『ゴッド・オブ・ウォー(PS4)』や『ウィッチャー3』のDLCである「血塗られた美酒」と同程度です。

――登場する街やエリアについてはどうでしょうか。

マテオ・トマスキフ:映像に登場した大聖堂のある大都市を中心に、小さな街や森、沼地、山、古代遺跡など、バリエーション豊かなロケーションを探索できます。

――コーエンの武器や戦闘スタイルについて教えてください。

マテオ・トマスキフ:人間状態・吸血鬼状態のどちらでも剣や斧、メイスを使用できます。さらに魔法も使えますし、吸血鬼状態では爪を使った攻撃も可能です。

魔法は基本的に人間のときに使いますが、吸血によって得た力を用いれば、吸血鬼状態でも魔法とは異なった特殊な能力を発揮できます。

――難易度設定はありますか。

マテオ・トマスキフ:はい。戦闘のスタミナ管理などが難しいと感じる方に向けて、緩和された難易度を用意しています。ゲーム中にいつでも変更できるかどうかについては、まだ検討中です。

――敵の強さは時間経過で変化しますか。

マテオ・トマスキフ:時間が経過するだけでは強くなりません。ミッションを達成したりスキルを上げたりすることで、敵もそれに応じて強化されていきます。何もせず時間を消費しても、敵が勝手に強くなることはありません。

――本作を開発するうえで、参考にした作品やコンテンツなどがあれば教えてください。

マテオ・トマスキフ:『Fallout 2』のナラティブ構造には大いに影響を受けましたし、『ウィッチャー3』のストーリーテリングの質とスタイルも私たちにインスピレーションを与えました。しかし、私たちは熱心なRPGプレイヤーでもあり、多くの素晴らしいタイトルや開発者からインスピレーションを得ています。そのうえで、ジャンルに新鮮で意味のあるものをもたらすことを目指しています。

――『ウィッチャー3 ワイルドハント』を開発していた頃に比べ、どのような環境の変化がありましたか。

マテオ・トマスキフ:中規模のチームで作業することには多くの利点があるという結論に達しました。全員が名前を知っており、誰がゲームのどの部分を担当しているかを特定しやすくなります。また、組織構造がフラットであるため、意思決定者に簡単にアクセスでき、フィードバックやアイデアについて開かれた対話がしやすくなります。

――本作にアップデートやDLCがあるとしたらどんなものを導入したいですか?

マテオ・トマスキフ:現在、私たちはゲームを完成させ、磨きをかけることに全力を注いでおり、このプロジェクトを開始したときに設定した品質レベルに到達できるよう取り組んでいます。私たちの目標は、ローンチ時に完全かつ満足のいく体験を提供することです。将来的なアップデートやDLCについては、ゲームのリリース後に検討を始める予定です。

――最後に、本作に期待している方へのメッセージをお願いします。

マテオ・トマスキフ:オープンワールドアクションRPGが好きな方にとって、本作はまさに「あなたのためのゲーム」になると思います。数多くの選択肢と結果、マルチエンディングを含めて、自由度の高い体験を楽しんでいただけるはずです。今後も少しずつ情報を公開していきますので、ぜひ追いかけていただければと思います。プレイヤーの皆さんに愛される作品を目指して開発を続けていますので、どうぞご期待ください。

彼らが「ナラティブサンドボックス」と呼ぶゲーム体験の中身がだいぶ見えてきましたね。30日間を時間リソースと見るつくりや、昼と夜でクエストの攻略法が変わる点など、オープンワールドアクションRPGの醍醐味が詰まっている作品になりそうです。

『The Blood of Dawnwalker』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに2026年発売予定です。


ライター:各務都心,編集:みお


ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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