今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2025年8月25日にSteam早期アクセスをスタートしたサバイバルアクションRPG『Beyond the Map』です。

『Diablo』スタイルサバイバル
『Beyond the Map』は、アメリカのゲーム開発スタジオGlitch Goblinsが手がける作品です。2025年2月にゲームプレイトレイラーが公開され、同年3月にはSteamにて体験版を公開。体験版はおよそ5ヶ月弱で2万人のプレイヤーを獲得するなど、新作サバイバル作品として注目を集めていました。
本作の舞台となるのは、航海図の端にある、不気味なモンスターや野生生物たちが住んでいる神秘的な島々。プレイヤーは船が難破して漂着した主人公となり、怪物との戦いや世界の冒険、拠点の建築やサバイバルを通じて、土地に隠された大きな秘密を解き明かしていかなければなりません。
ゲームは見下ろし型視点のアクションRPGで、公式Xアカウントではサバイバルジャンルと『Diablo』スタイルの戦闘スタイルを組み合わせた作品であることを紹介しています。伐採や採掘だけでなく、大量の敵と戦いながら素材や装備品を集めていくことで、プレイヤーを強化していくことが重要です。



また、バイオームのボスを倒すことで、新たな要素が拓けていきます。新しい土地ではこれまでと異なる素材や敵も待ち受けていて、プレイヤー自身のさらなる強化へと繋がっていくのです。このゲームスタイルは『Valheim』をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
Steam早期アクセス期間はおよそ1年から2年間を予定。現時点では2つのバイオームを冒険可能で、複数のティアの装備品を集めるトレジャーハントも楽しめます。正式版ではバイオームやアイテムなど各種コンテンツの拡充、ストーリーの追加、Co-opモードの導入などを予定しています。


恐るべき島を生き延びろ!
本作ではまずタイトル画面でプレイキャラクターを制作する必要があります。キャラクターは島に漂着する前の出自を設定可能で、それぞれ戦闘やクラフトなどの得意ジャンルが異なるほか、職業ごとの特別なスキルも用意されています。今回はインベントリのスタックが2倍という特性を持つ海賊でプレイしています。
本編では、まず漂着した海岸で簡単なチュートリアルを行っていきます。地面に落ちている木材や石を拾って武器を作ったり、作業台を設置してさらなる装備品を作ったりと、比較的オーソドックスな内容で、しっかりと基礎を学びながら最低限の装備や寝るためのベッドなどを揃えることができます。





ゲームとしては表示される目標を達成していくことで、ボスとの戦いや重要なアイテムクラフトなどのヒントも得られます。そんな中で、序盤のチュートリアルでは「海岸で溺死者から布を集める」という目標が。難破した仲間の死体探しか……と思って海岸を探したら、意外と元気な仲間たちがいました。もちろんゾンビですが。
本作の戦闘はマウスの左クリックで近接、右クリックで遠距離攻撃で、装備している武器によって攻撃方法は異なります。また、倒した敵からスキル習得用のアイテムを入手できます。スキルにはアクティブとパッシブの2つがあり、レベルアップしてスキルポイントを割り振ることで使用可能です。





序盤は溺れた船員(ゾンビ)やイノシシを倒しながらマップを探索し、銅鉱石などの重要資源を探していきます。本作で斧やツルハシは持っているだけで採取に使えるというものがあるので、戦闘のために武器を持ち替える、という一手間がないのは嬉しいポイントです。



拠点を発展させて強敵に挑め
ゲームのデフォルト設定では、夜になるとモンスターがプレイヤーを襲撃してくることがあります。レベル依存なので準備をしていれば怖い相手ではないのですが、危険な島で少しでも安全を確保したいならば、しっかりした拠点を作ることは重要です。
建築は専用のビルドメニューから行う方式。ほとんどの施設建設は作業台が必要で、作業台を中心に広がったエリア内から場所を指定できます。建築に関してはかなり制限がゆるく、壁や床は接続用のスナップシステムもあるので、階段や柱を利用すれば簡単に家を作ることもできます。



拠点を作る最大の理由は「雨が降ると屋根のない施設は使えない」ということ。クラフト用施設の種類もそれなりに多いので、広い家を作るか、しっかりと屋根付きの作業エリアを用意するなどの準備が必要です。また、火の近くで暖を取れる環境でなければベッドで眠ることもできないので注意しましょう。
鉱石やエレメント素材などが集まれば、金床や細工台でより強力な装備やツールを作れます。また、焚き火や大鍋で料理を作れば一時的なステータスバフも可能で、特に大鍋では“複数の食材を同時に調理できる”ことで、大幅にステータスを強化することもできます。




本作の敵は数が多く、エリートモンスターやボスはかなり強敵です。特に弓や魔法の遠距離・属性攻撃は油断すれば即死しかねないほど凶悪なので、しっかりと装備を整えたり、決戦前には美味しい料理を食べたり、拠点を発展させることで得られる効果を最大限に活かしましょう。





己を鍛えていざ海へ!
ゲーム内では最初のボスを撃破後に新たな強化要素がアンロックされ、さらにイカダを作って他の島に出ることが目的になります。『Beyond the Map』は最初の島から外へと世界を広げていくシステムで、外の世界の方が敵のレベルが高い仕様です。イカダ自体は序盤から作れますが、自身を強化しないと太刀打ちできません。
本作の装備品は4段階のTierに分かれていて、基礎能力や特性が大きく異なります。それぞれの装備品は生産施設でアップグレードしてTierを上げることができるほか、特別な設備で特性を追加することも可能。生産やドロップで入手したお気に入りの装備を強化することで長く使えるシステムになっています。




特性は基礎ステータス上昇やライフ吸収、追加ダメージなど多彩です。スキルの中でもパッシブ効果をもつ「グリフ」があるのですが、その効果を向上させるという特性もあります。基本的に各種スキルが非常に強力な作品なので、スキルと装備品を組み合わせることで驚くべき効果を発揮します。中盤からは最強ビルド探しが醍醐味とも言えますね。
そして本作は激しい戦闘を楽しむためのサポートが充実しています。代表的なのがプレイヤーが任意に設置できるテレポート装置で、新しい島を見つけた際に設置しておけば気軽に移動できます。強化素材集めやレベル上げには外の島の方が必須なので、簡単にアクセスできるのはありがたく、建設素材が比較的低コストなのも嬉しいポイントです。



死亡時の復活からしばらくは敵に気付かれにくい効果が付くので落とした装備が回収しやすい、テレポートから数秒は敵に襲われにくいなど“戦闘に臨むまでの準備”をしやすいのも評価したい点です。



『Beyond the Map』は、クラフトサバイバルと『Diablo』スタイルの戦闘とトレジャーハント要素をうまく融合させています。装備を強化する、料理を作るため狩りや栽培に勤しむ、良いドロップを求めてひたすら敵と戦うなど、強化のための色々なプランを考え実行できます。
強力なスキルを駆使して大軍や強敵を薙ぎ倒すというのは、ゲームとして間違いない面白さです。多彩な装備やスキルのおかげでビルドを考えるのも楽しいですし、効果の反映を実感できるのも嬉しい点。筆者はひたすら攻撃時ライフ吸収&攻撃時に竜巻が発生するという特性を組み合わせることで、回復しながら戦えるビルドで楽しんでいます。


ただし、ツール類の広がりが少ない、装備品を比較する機能がない、マップにメモやマークを付けられないなど、現時点でのビルドではややコンテンツ不足や不親切さも感じます。地形に引っかかって戦闘中に殺されるという場面もありました。
もちろん早期アクセスなので、こういった不具合解消やUI向上はアップデートに期待したい点。2つのジャンルを組み合わせたゲームとしては十分魅力的なので、今後の展開も楽しみです!
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













