TGSの裏で、個人VTuberによる発表会が行われていた…「おがダイレクト」主催・男鹿梨衣子さんインタビュー。『カルトに厳しいギャル』開発者の新作などが発表された | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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TGSの裏で、個人VTuberによる発表会が行われていた…「おがダイレクト」主催・男鹿梨衣子さんインタビュー。『カルトに厳しいギャル』開発者の新作などが発表された

ひとりで「ダイレクト」!?

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TGSの裏で、個人VTuberによる発表会が行われていた…「おがダイレクト」主催・男鹿梨衣子さんインタビュー。『カルトに厳しいギャル』開発者の新作などが発表された
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東京ゲームショウ2025でさまざまな会社からゲーム情報が発表され、ゲーマーたちが沸き立っていた9月末。一般デー1日目となる9月27日に夜、ひっそりと開かれていたゲーム発表会がありました。

その名は「おがダイレクト」。ゲーム発表会(ショーケース)といえば、多くは著名なメディアや司会者が行うものですが、この番組はなんと個人VTuberが開催していました。一体どんなものが発表されたのか?何を思ってこの期間に開催したのか?情報を振り返りつつ、主催の男鹿梨衣子さんにインタビューを行いました。

『カルギャル』開発者新作や『近畿霊務局』開発者の近況も!発表内容ひとまとめ

まずは、「おがダイレクト」で発表された内容を振り返りましょう。さまざまな「World Premiere」が発表されました。

『近畿霊務局』開発者の霧笛ノト氏がUnreal Engine 5に挑戦中!

思いっきりやり返せるホラーTPS『近畿霊務局』で人気を集めた霧笛ノト氏が公開したのは、ミリタリーな格好の兵士と、アーマーを身につけた大量の巫女が日本の都市でドンパチし合うというインパクト抜群の映像です。

これは、霧笛氏がUnreal Engine 5に挑戦中ということを示す映像です。あくまで“挑戦中”というのみであり、『近畿霊務局』続編になると確約できるわけではないようですが、迫力と絵面が満点の映像でした。

『ダンジョンデストロイヤー』ウィッシュリスト数が1,000件突破!&ドワーフちゃんに胸揺れ実装!?

作っちゃうおじさんが開発するパズルローグライク『ダンジョンデストロイヤー』。8月26日に発売した本作ですが、なんと「おがダイレクト」放送時点でウィッシュリスト登録数1,000件を突破しました。リリース時には500件でしたが、なんと1週間で1,000件を突破し、勢いがついているといいます。

おっきなキャラクター「ドワーフちゃん」にも目が行く本作ですが、なんと放送では「胸揺れ機能」の実装が示唆。そして、あまりに多くの要望が集められたため、放送2日後となる9月29日には「ロマン機能」として設定から揺れ具合を調整できる形で実装されました。

また、既発表情報ですが、次回作『ダンジョンボンバー』が制作されていることも触れられました。

デジタル降霊術『いえふぉさま』総プレイ数5,000回突破!開発記をnoteで公開

デジタル降霊術ホラーアドベンチャー『いえふぉさま』が、総プレイ数5,000件を突破しました。あわせて、開発者である阿冷Rio氏による開発日記も公開されています。

ゲームボーイを思わせるレトロなビジュアルで紡がれる 近年流行しているモキュメンタリーホラーやARG好きから評価を受けており、初動2,000、合計5,000回ものプレイ回数を集めました。

『カルトに厳しいギャル』開発者×作曲家の新作『My Best Life, My Pest Life』発表

『カルトに厳しいギャル』などで知られるBhaskara氏と、『インスタント・アナスタシア』『クビトリドオルズ・レトリーバー』などのインディーゲームBGM作曲で知られる中村修人氏が「おがダイレクト」のために急遽制作した完全新作『My Best Life, My Pest Life』が発表され、Steamページが公開となりました。

画面にあふれる虫を潰していくことでクールなビートが奏でられ、音楽が構成されていくというインタラクティブミュージック的要素を大きく押し出したクリッカーゲームです。

逆転ナシ・女性上位な魔王軍育成SLG『ムラヤキヴィラン』デモ版が更新!

魔王の娘・イラが頼りにならない魔王軍幹部たちを遣わせて世界を征服する魔王軍育成RPG『ムラヤキヴィラン』。今冬の発売を控える中、より製品版に近い形のデモ版が配信されました。

キャラとの交流パートが強化されたり、わかりやすさが向上したりと、より期待が高まる内容となっています。Steamページからダウンロードして試してみましょう。

『カルトに厳しいギャル』開発者新作タイトル発表!『GAL VS VILLAGE ギャルトムラ(仮)』 プレイ映像も公開 さらなる新作も制作中

国産FPSとして高い人気を集め、1万本を売り上げた『カルトに厳しいギャル CULT VS GAL-』の開発者による新作はかねてよりXで制作進捗が上げられていましたが、タイトルが『GAL VS VILLAGGE ギャルトムラ(仮)』に決定しました。さらにもう1作品開発していることも発表し、先述の『My Best Life, My Pest Life』とあわせて3本同時に開発していることがわかりました。

新たなゲームプレイ映像では、ガイド機能のついたチュートリアルや新たな主人公が確認できました。

いろいろ合わなかったけど…他にもいろいろ情報あり

他にも、タイミングなどが合わず「World Premiere」とはできなかったものの、他にもいくつかのゲームが紹介されました。

2DSTG×ブロック崩し『Manalia Notes -A memory of innocence-』Steamで配信中!

2Dシューティングとブロック崩しを組み合わせた『Manalia Notes -A memory of innocence-』がSteam/DLsiteで配信されています。跳ね返る弾と魔法を駆使し、敵弾を消しながら戦う作品となっています。

アダルトシューター『辺獄にて In The Limbo』アップデート予定!

DLsiteにて配信されている18禁シューター『辺獄にて In The Limbo』に、ジップラインやリーンといったアクションの追加や表現強化などが行われるアップデートが実施予定です。

ひとりで発表イベント…TGS真っ只中…なぜ?主催・男鹿梨衣子さんにインタビュー!

ここからは、「おがダイレクト」を主催した男鹿梨衣子さんへのインタビューをお届けします。

男鹿梨衣子さん

――自己紹介と好きなゲームを教えて下さい。

男鹿:はじめまして。フリーランスでゲームライターをしております男鹿梨衣子(洋ナシ)と申します。趣味でゲーム配信活動をしていまして、おがダイレクトはその延長で開催いたしました。好きなゲームはいろいろありますが、配信で一番遊んでいるゲームは『theHunter: Call of the Wild』です。

――おがダイレクトについて、改めて教えて下さい

男鹿:現在、ゲームの新情報というのはいわゆるダイレクト、ショーケースと呼ばれる配信で公開されていますよね。今、ゲームの情報を扱う最も華々しい場所が、ダイレクトと言っても過言ではありません。

翻って一介のフリーランスライターのワタシを鑑みますと、華々しさとは無縁どころか、まともに食えてすらいません。ダイレクトとの関わりなんて、発表された情報をそのまま記事にするぐらいです。

それはゲーム情報を扱うプロとして、あまりにも悔しいじゃないですか。そこで閃いたんです。ワタシが開発者に直接情報を貰いに行ったら、ワールドプレミア連発のダイレクトをやれるんじゃないか。そんな思いつきが形になったのが「おがダイレクト」です。

――開催のきっかけは何だったのでしょうか。

男鹿:最初はただのジョークで、Xでこの思いつきを呟いただけのものでした。ですがありがたいことにたまに配信を見に来てくれる個人開発者のBhaskaraさんが「男鹿氏なら案外本当に情報が集まりそうだし、やってみたら?やるなら私も情報提供しますよ!」とリプライしてくれたんです。

そこから少し経って9月頭にワタシが「本当におがダイレクトやっちゃおうかな~」と懲りもせず呟いたんですよ。そしたらBhaskaraさんがすっ飛んできてですね。「おがダイレクト、本当にやるなら開発中の新作のデモを提供します。知人の開発者に声掛けもします。やりますか?」とメッセージが来まして……。

さすがにヒット作を生み出した開発者から新作デモを提供するとまで言われてしまっては、やらざるを得ない。逃げられない。先の質問で大層なことを言っていましたが、なし崩し的に開催は決定されました。

――9月頭頃に準備されていましたが、具体的にどのようなことを準備しましたか?

男鹿:『カルトに厳しいギャル』というヒット作を生み出したBhaskaraさんから新作デモを預かれることになったわけですが、実際のところこの情報はワタシという全く影響力のないライターを介さないほうが拡散される、それこそ多くのメディア・インフルエンサーが扱いたがるものだと分かっていました。

となれば、この情報をそのまま届けるだけではやる価値がない。

そこでいろいろ考えて、全く拡散力のないしょぼい配信者がやるというところにオモシロを見出そうと思いつきました。「世界一しょぼい」をキーワードに「来週バグフィクスを行います」といったレベルの小さな情報でも大げさにワールドプレミアとして扱うというコンセプトを固め、お声掛けいただいた開発者の方に企画書を送信しました。

実際に情報を預かってからは、おがダイレクトで扱う情報は他では扱わないような小さな情報なので他のダイレクトのノリで「新作来るのか!?」と勘違いされてしまわないよう工夫をしたり、しょぼいのはあくまで「おがダイレクト」であってゲーム自体はしょぼく感じさせないよう構成を練ったりしました。

――視聴者からの反響はどうでしたか。

男鹿:ありがたいことに、「思っていたよりもちゃんとしていた」「ワールドプレミアとは一体?って感じでよかった」など好意的な感想を頂いて、作品を預かった身として安堵しています。

あと、視聴者といえば非常にありがたかったのがワタシの友人であるLANパーティコミュニティの方々が「男鹿がなんかするらしい」と配信に遊びに来てくれたことですね。彼らはいわば小規模なゲームイベントを楽しむプロなのでガヤとヤジがとにかく上手くて、コメントで盛り上げてくれて助かりました。常々開発者の方にプレイヤーコミュニティのパワーみたいなものを見せられたらと思っていたので、それも達成できたのはうれしかったです。

なんか今度やるLANパーティで「おがダイレクト」のアーカイブを開催中延々垂れ流すとか言ってて、流石にそれはやめろと思ってますが。

――ワールドプレミアといえば新作発表などが定番ですが、開発後記をnoteで公開予定、UE5に移行中など、常識ハズレな内容でした。

男鹿:他では絶対ワールドプレミアとして扱わないことをしょぼいライターがありがたがって取り上げている構図は滑稽だろうとコンセプトにしたので、頂いた情報がまさにいい具合だったのはありがたい限りでした。企画趣旨をご理解いただけたおかげだと思っています。このハードルの低さが、小規模開発らしさをお伝えする形にもなったかなと。

また、開発者の方から頂いた情報のどこをワールドプレミアとして大々的に取り上げるかはワタシからもご提案させていただきました。よりしょぼく、ハードルがトンデモなく低いダイレクトになるよう構成を練ったおかげで、他にないダイレクトになったと考えています。

――TGSの時期にあわせたのは“狙った”のでしょうか。

男鹿:全く狙っていません。本当はTGSなんかにぶつけたくなかったです。どっかのメディアになんか奇跡が起きて取り上げてもらう可能性を少しでも上げるためにも、TGSの忙しさが抜けた次の週ぐらいに開催したかったんです。

でも『ムラヤキヴィラン』のデモ版更新が10/4だったのでその前に配信せねばなりませんでしたし、霧笛さんBhaskaraさんからは提出物のブラッシュアップに時間がほしいと言われていたので、TGS以前の週にというのも難しかったんです。

もう、ぶつけるしかなかった。まあ、結果的にそこも面白がっていただけたのは幸運でした。

――『ムラヤキヴィラン』はわくわくゲームズさんがパブリッシャーですが、デモ版更新という大きめなニュースを発表していました。これはパブリッシャーさんとの間で問題はなかったのでしょうか。

男鹿:ワタシも開発者のアレンさんから参加したいと連絡をもらったとき、デモ版更新、しかも発売を近くに控えているとあって本当に大丈夫なのかと焦りました。

それで「パブリッシャーが入っていらっしゃる作品だと記憶しています。こんなジョークみたいな企画に参加して作品の未来が失われるのは本当によくありません。」とお返事したんです。が、「パブリッシャーに聞いたらオッケーとのことでした!よろしくお願いします!」とすぐに返信が来まして。

わくわくゲームズさん、すげぇなと思いました。この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

――今後の展望を教えて下さい。

男鹿:今回は開発者の皆様からすばらしい情報をいただけたからこそ、奇跡的に面白くなったと考えております。それこそ、このようなインタビューの機会をいただけるほどに。

ただ正直、次回はこうもうまくはいかないと思っていて……。あと、ワタシみたいな雑魚でもなんかそれっぽいダイレクトができるとバレちゃったわけですよ。ワタシなんか足元にも及ばないインフルエンサーの方が情報を募ったら、もっとすごいダイレクトができる。ワタシがやる価値なんて霧散してしまうとも感じています。

みなさんから「またやってほしい」とお声をたくさん頂いているので前向きに検討はしたいですが、どうなるかは正直わかりません。どうにかがんばってみるつもりです。期待しないでください。

最後になりますが、今回ご紹介した作品はどれも遊ばせていただきましたが、すばらしいゲームばかりです。ぜひみなさんチェックいただければと思います。


個人が行うゲームショーケースでありながら、興味深い情報が集まった「おがダイレクト」。紹介された作品の開発者のSNSをフォローしたり、ウィッシュリストに追加したり、発売している作品は購入したり……興味を持たれた方は手にとってみてはいかがでしょうか。

ライター:みお

ライター/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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