「プレイヤーを熱中させ、時には激怒させるほど競技性の高いレースゲームだ」海外レビューハイスコア『ソニックレーシング クロスワールド』

『ソニック』シリーズそのものが復活したとまでは言わないが、『ソニック』のレースゲームが完全復活を遂げたことは断言できる。本作の根底にあるのは誰もが楽しめる間口の広いレースと、シリーズへの深い愛情だ。過去作のあらゆる要素が正統進化しており、もはや『ソニックレーシング クロスワールド』を「その他大勢のカートレースゲーム」として片付けることはできないだろう。

素晴らしいレースゲームだ。本作が『マリオカート ワールド』より優れているか否かを論じるのは難しい。両作品は全く異なるゲーム体験を提供し、それぞれ異なるプレイヤー層を惹きつけるからだ。プレイヤーを熱中させ、時には激怒させるほど競技性の高いレースゲームを求めているのなら、これがその答えだ。

『ソニックレーシング クロスワールド』は筆者の期待をはるかに上回る出来栄えだった。『チームソニックレーシング』がシリーズの方向性を誤らせたと感じていた中で、本作はこの種の作品が持つ本来の魅力とは何かを堂々と示してくれた。

『ソニックレーシング クロスワールド』は手応えのあるハンドリング、楽しいポータルメカニズム、そして便利なカスタマイズ機能を備えた素晴らしいカートレース作品だ。武器のインパクトに欠ける点や、長期的にプレイヤーを惹きつけられるかという懸念はあるものの、任天堂が『マリオカート』シリーズに新たな方向性を示した今、本作はそれに代わる伝統的かつ正真正銘のカートレース作品と言える。

『ソニックレーシング クロスワールド』はかなり面白い作品だが、いくつか留意すべき点がある。『マリオカート』シリーズほどパーティ向きではないのだ。本作では、ただキャラクターを選んでレースに出るだけではなく、適切なマシンセッティングとパークの選択が求められる。そのパークは一定の恩恵をもたらすが、ゲームバランスを崩壊させるほどではない。

『ソニックレーシング クロスワールド』は市場における最高峰のアーケードレースゲームであり、特にPCゲーマーにとっては傑出した作品だ。しかし、本作の全コンテンツを考慮しても、その強気な価格設定は割高感が否めない。また、ファンに愛される『ソニック』シリーズのキャラクターを差し置いて、シリーズ外のキャラクターを登場させるという采配には、落胆と若干の戸惑いを禁じ得ない。

ニンテンドースイッチ2が手に入らないって？ 問題ない。『ソニックレーシング クロスワールド』は高速で楽しく、コンテンツも豊富なカートレーサーだ。強力なライバルにも決して引けを取らない。レース展開がややカオスなことや、公開されているロードマップが未実装のコンテンツをちらつかせる点は気になるものの、ゲームの核となるスピード感は本物だ。