気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、ナナイロ・エンタープライズ開発、PC向けに8月25日にリリースされたお色気防衛シューティング『タレットと少女』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、タレットに乗った少女が超兵器発電施設を防衛するお色気防衛シューティング。プレイヤーは、外来生物の大群が次々と押し寄せる戦線を守るべく配備されたたった一人の新兵となり、アップグレード可能なタレットに乗り込み、敵の群れに立ち向かいます。もちろん、ダメージを受けると制服は破れます。日本産のゲームのため、日本語にも対応済み。
『タレットと少女』は、1,500円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
ナナイロ・エンタープライズこんにちは。ナナイロ・エンタープライズと申します。東京を拠点とする小さな開発スタジオです。
好きなゲームはありすぎて絞るのは難しいですが、その中の一つは『ディアブロII』ですね。当時たくさんの時間を費やしましたが、近年『ディアブロ II リザレクテッド』がリリースされた時にも迷わずプレイしたほど好きな作品です。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
ナナイロ・エンタープライズ一番の特徴はもちろん紳士要素です。少女のHPを「衣装破壊」の進行度で表現することで、健全なエロをゲームに違和感なく組み込めたと思います(笑)
真面目な方の特徴ですと「超兵器」ですね。初期のアイデアでは超兵器自体を防衛対象とするタワーディフェンスを考えていましたが、当初はフィールドのど真ん中に置いていたのもあってとにかく邪魔でした。最終的に超兵器はプレイヤーの背後に設置し、前面に配置した「エネルギーを供給するジェネレーター」を防衛するという現在の形にまとまりました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
ナナイロ・エンタープライズ大きく影響を受けたのは『Vampire Survivors』です。ランの後半では『Vampire Survivors』のような敵の圧力を出せるように、そしてその圧力に対抗できたときの爽快感を感じていただける形を目指しました。
あとはお気づきの方も多いと思いますが『溶鉄のマルフーシャ』にも影響を受けています。また、TPS+タワーディフェンスという点で『Iron Brigade』からも着想を得ています。紳士な部分については、チームが過去に携わらせていただいたタイトルでの経験が生きていると思いますね。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
ナナイロ・エンタープライズ各ステージごとの敗北演出はリリースの直前に実装しました。詳細は把握していなかったのですが、いざ実装されてみると予想以上に攻めた内容で正直不安になりました。戻す余裕もなくそのままリリースとなりましたが、結果的にプレイヤーの皆さまに喜んでいただけたようで本当に安心しました。
担当者も後から考えるとやりすぎだったと反省していましたが、もう少し冷静だったら無難な形で終わっていたと思うとあれでよかったのかもしれません(笑)
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
ナナイロ・エンタープライズ楽しんでいただけた方のご意見には勇気をもらえますし、ユーモアのあるレビューにはとても癒されています。
特に印象深かったのは「ドラゴンボールでもキャラクターの服が破れる描写で戦いのリアリティを高めている」というコメントです。私たちはクラッシャブルな制服などと捻くれた設定を考えましたが、ただリアリティと言うだけでもよかったんだな、と思いました(笑)
下着に付与されている強化パラメーターについては、性能で選ぶという健全な理由を用意したつもりで性能も無視できそうな範囲にしていたのですが、想定よりも好きな下着が選べないというご意見も多く再検討するべきかなと考えています。
無意味なADSを用意したり、上を向く必要が生まれるシチュエーションを散りばめてみたりと、数々の言い訳ネタを仕込んだつもりでしたが、気を使いすぎだったのかもしれませんね(笑)
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
ナナイロ・エンタープライズ紳士ゲーにおけるゲームの難易度という点で、調整は本当に悩ましいです。「簡単すぎる」「難しすぎる」と対極のご意見がある状況ですので慎重に検討しています。
本作はアーケードライクに時折サクッと遊んでいただくようなタイトルだと考えていますので、まずは手触りをよくするためのアップデートや、不満に感じる方の多そうな部分に改良を重ねて、なるべく快適に遊べる形を目指そうと考えています。
その後もアップデートが継続可能であれば、コンテンツを追加することも検討したいですね。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
ナナイロ・エンタープライズもちろん大歓迎です。実はいつかのアップデートの際にYouTubeで配信予約されている方がいたため、配信に間に合うようにアップデートを少し急いだこともありました。リリース後のアップデートで配信される方のリスクを軽減できるようなオプション機能も追加していますので、是非ご検討ください。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
ナナイロ・エンタープライズ ゲームは遊び道具ですので、遊んでくださる皆さまがいないと意味のないものだと考えています。皆さまが少しでも本作を楽しんでいただけたら嬉しく思います。
紳士・叡智ジャンルは非常に厳しい状況ですので、私たちが今後も作り続けていけるように祈っていただけましたら幸いです。ありがとうございました!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








