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ジットリとした残暑にピッタリなリミナルスペースはいかが?不気味だけどなぜか惹かれる「プールルームズ」特集

残暑にピッタリ 全力プール特集!

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ジットリとした残暑にピッタリなリミナルスペースはいかが?不気味だけどなぜか惹かれる「プールルームズ」特集
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厳しい暑さも終わりを迎え、楽しかった思い出だけを残し今年も夏が去っていきました。夏といえばプール。あのプールも、このプールも楽しかったな…。ただ何故か自分以外の人間がいなかったな…。

本来人が大勢いるはずの広い場所に自分の足音のみが響き渡る。このような現実と夢想の境界(liminal)にあるような空間を「リミナルスペース」と呼びます。その典型として、黄色の壁や光源に覆われた「バックルーム」や永遠に続く住宅街を指す「エターナル・サバービア」などが有名です。映画化までした『8番出口』も、ある意味ではリミナルスペースに分類できるでしょう。

そんなリミナルスペースの中で筆者がお気に入りなのは、巨大で空っぽな屋内プール施設というシチュエーションの「プールルームズ」です。豊かな肉体が飛び交う賑やかさを想定された商業施設の内にいるのにもかかわらず、そこにあるのは物理法則にならって揺らめく水面のみ。期待される機能を果たせない空間と、出口を求めて進むことしかできないプレイヤーの無力さは、現実と夢想の境界であるリミナルスペースの代名詞として相応しいシチュエーションと言えるでしょう。

プールルームズの源流とも呼ばれるJared Pikeの作品

というわけで、この記事では「プールルームズ」特集と題しまして、今年の夏筆者が訪れたプールをご紹介いたします。怖いものも、リラックスできるものも、異変があるものも、よりどりみどりのプールをご覧ください。

『POOLS』

『POOLS』はゲームにおける「プール」ジャンルの金字塔を打ち立てた作品です。白く清潔なタイルに、プレイヤーの体にまとわりつくように揺らめく水面、リラックスできるようなそれでいて不気味なような水の音など、リミナルスペースにおけるプールに欲しい要素が高いレベルで揃っています。

また注目したいのはプールのバリエーションです。今作のプールは「バックルーム」などの他のリミナルスペースとプールが組み合わさった景色や、重力を無視した通路不気味に配置された人形など、探索すればするほど興味深い景色に出会うことができます。

『POOLS』は様々なプール要素がハイレベルにまとまっている「プール」入門に最適の一本です。初心者Poolerの皆様はぜひこちらの作品から浸かってみてください。フレーバー程度ではありますが、なぜプレイヤーがプールをさまよっているのか?というストーリーも魅力的です。

おいで…

『Liminalcore』

『Liminalcore』はバックルームにインスパイアされながらも、その主軸を「プールルームズ」に置いた作品です。先ほどの『POOLS』と比べVHSフィルターが強く、視点の揺れや魚眼レンズ風加工などエフェクトが多用されています。そのためプレイヤーの視点は人間のそれというよりもハンディカメラで撮影した映像という印象を強めています。(各種エフェクトの有無・強度は設定で変更可能)

また本作の特徴として「不気味かわいい」オブジェクトが挙げられます。ほの暗い空間に佇むそれらは、いたるところに配置されており、ふと目を向けるとこちらを見ているような不気味さがあります。

本作は他プール作品に負けず劣らずの景色のバリエーションを持ち合わせています。今年の10月25日には新チャプターの追加アップデートも予告されており、まだまだ広がり続ける『Liminalcore』の世界に期待がかかります。

『裏のポイエーシス』

『裏のポイエーシス』はAさんが引っ越し先で見つけたハンディカメラの映像を追体験する、というモキュメンタリー風ホラーゲームです。プールを主題にした作品ではありませんが、素敵なプールが登場したのでご紹介します。

今作は冒頭の紹介通りリミナルスペースを主題とした作品としては、ストーリー性の強い作品となっています。「当てもなくさまよい続ける」のがこのジャンルの基本的なゲームプレイとするならば、今作は宙に浮かぶ文字を目印に「誘導されながら進む」作品です。

そのため今作はリミナルスペース的な景色を楽しみながら、テンポよく進みたい人にお勧めしたい作品となっています。国産の作品という事もあってか、ロケーションの選定がユニークで新鮮でした。

『The New Flesh』

『The New Flesh』ニューヨークに拠点を置くインディーロックバンドRed Voxのプロモーション作品です。無料作品ながらそのクオリティは高く、本編ではRed Voxの楽曲に彩られたプレイするミュージックビデオのようなゲームプレイが楽しめます。

そんな本作ですがアップデートにて特定のVHSを収集することでリミナルなプールのマップが追加されました。ローポリで描かれるプールは美しく、本編には無かった「追いかけまわされながらアイテムを収集する」というホラーなテイストのゲームプレイも特徴です。

プールはローポリとも相性が良いのか、という新たな発見がありました。プールの可能性は未だ無限大です。

『Liminal Exit』

最後にご紹介する『Liminal Exit』リミナルスペースを主題に据えた異変探し作品です。オブジェクトが多数配置された限定されたロケーションを記憶し、部屋に変化があるかどうか判定していく、というもはやおなじみのフォーマットで今作のゲームプレイは構成されています。

今作のルールが明示されています

基本的にオブジェクトが動くことのないリミナルスペースというロケーションと、じっくりと間違い探しを行うというゲームプレイが噛み合っており、あまり広い場所を歩き回りたくはないけどリミナルスペースを楽しみたい、という人にお勧めの作品です。



以上総勢5つのプール作品をご紹介いたしました。プールを主題に添えた作品から、チョイ役として登場するものまで様々でしたが、魅力的なプール作品はまだまだ存在します。皆様もぜひこの機会に「プール沼」に浸かっていただければ嬉しいです。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

ロバート秋山の市民プール万歳

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:ようげ,編集:みお


ライター/3D空間を一人称視点で歩くのが好きです。 ようげ

隠れた宝石のようなゲームを日々探しています。 英日ゲーム翻訳者としても活動中。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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