『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】

ゲームの歴史を追体験できるゲーム作り

連載・特集 インタビュー
『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】
  • 『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】
  • 『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】
  • 『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】
  • 『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】
  • 『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】
  • 『ワイワイワールド Craft(仮)』はUGCだけどゲームの歴史も追体験できる?KONAMI谷渕弘氏インタビュー【TGS2025】

千葉幕張メッセで開催された日本最大級のゲームイベント「東京ゲームショウ2025」。コナミデジタルエンタテインメントブースでの『ワイワイワールド Craft(仮)』発表後、エグゼクティブディレクター谷渕弘氏へのインタビューがメディア合同で行われました。

このインタビューは先の発表を基に行われたので、『ワイワイワールド Craft(仮)』ステージレポも合わせてお読み下さい。

ユーザー生成コンテンツだけでなく、ゲームが積み重ねて来た歴史も追体験できそうな『ワイワイワールド Craft(仮)』

――このタイミングで『ワイワイワールド』を復活させようとした経緯はなんですか?

谷渕:本作はゲームを作るサービスなのですが、KONAMIのゲームの歴史や、業界そのものの歴史を踏まえ、自分が「こんなゲームがあれば良いな」というのを含めて、(ゲームを)作れるようにしたいと思った事が切っ掛けでした。

1つのサービスの中に色々なゲームシステムやKONAMIのキャラクターが入る、豪華でにぎやかなタイトルにしたいと思った時に、「『コナミワイワイワールド』がそういえばあったな」と思い出したことで、やろうと思いました。

――本作のターゲット層はどこにありますか?

谷渕:若年層ももちろんですが、作る時間があって想像力が飛び出してくる人だと思います。10代だけでなく20代や30代…、それ以上の人や「ゲームをずっと作りたいぞ!」という人にやっていただければと思っています。

ゲームを作っていて思うのですけれど、時間は掛かるしちょっとした調整で難しくなったり、バグが増えてしまうなど、そういったゲームづくりの難しいところを『ワイワイワールド Craft(仮)』のシステムでサポートしてあげたいです。

ゲーム作りの道筋がわからない人向けに、色々な公式ゲームを収録しているのですが、「(あなたが作ろうとしているものは)大体こういうものですよ」と、「こういう風につくるのか」や「こんなゲームはこういう風につくるのか」と、トップビューやサイドビューのゲームを弄りながら覚え、楽しみながら学んで頂けたらと思っていますね。

――先の話の例だとアクション性が強いものが中心だと思いますが、RPGやADV的なものは作れるのでしょうか?

谷渕:ゆくゆくはそういった公式ゲームも出していきたいと思っています。最初は、基本的なアクションゲームから作っていきますが、ゲームの歴史を辿るようなものにしようと思っています。2Dも3Dも…、3Dはもちろん最初から入っているのですが、(ジャンルに)色々な系譜(歴史)があるので「こんな時にこんなゲームが誕生したのか」と、一つ一つ出していこうかなと思っています。

――一方で、STGはとても面白いジャンルだと思いますが企業という面だと厳しく、インディーで盛んなため、こういったところで火が付けばと思ってしまいます

谷渕:単体のSTGを出すのはなかなか厳しいのですが、このシステムでいけば小さな形でも出せると思います。KONAMIは元々シューティングゲームを出している会社なので、そういった所も出していければなと思っています。

――『ワイワイワールド Craft(仮)』に登場するキャラクターは何でしょうか?

谷渕:『魂斗羅』や『悪魔城ドラキュラ』に加えてオリジナルキャラクターが登場します。ゆくゆくは新旧交えながら色々入れていこうかなと思っており、過去のものだけでなく、新しい遊びを提供していきたいのです。本作ならではの世界観やストーリーを育てて、IPとして出していきたいと思っています。

――そうなると、『桃太郎伝説』や『ボンバーマン』のハドソン(現: KONAMI)系キャラクターも登場するということでしょうか?

谷渕:検討いたします。

――ちなみに、プラットフォームはどうでしょうか?

谷渕:まずiOS/Android/PC(Steam)で展開する予定です。ゆくゆくは、拡大していきたいですが、多くの人に触っていただきたいということでスマートフォンとPCになりました。ただ、作るという点で言えばスマートフォンだけだと画面の小ささから制作しにくいということで、PCで作る人も多いかと思います。

――料金形態はどうなるのでしょうか?

谷渕:基本無料です。サブスクリプションと、通常の課金形態です。

――作ったゲームを持ち出すことは出来るのでしょうか?

谷渕:作ったゲームはサーバーの中にあって、スマートフォンやPCでもアクセスできるようになります。

――サブスクはゲームに入れるコンテンツが対象でしょうか?

谷渕:サブスクは様々なサービスを受けられるようになります。例えば、ゲームが作りやすくなることや、遊びやすくなったりなどです。通常の課金に関してもゲーム内のアイテムを買えます。もちろん無課金でも(ゲームを)作ったり遊んだりする事はできます。

――ちなみに、コナミマンとコナミレディは登場しますか?

谷渕:そこはどうしようかなと反響を見つつ検討していこうと思っています。

――また音楽周りはどうなるでしょうか?

谷渕:過去のKONAMI作品のBGMも使えますし、全部ではありませんが徐々に増えていくかもしれません。もちろん旧作の曲だけでなく新曲もあります。

――今回の発表では3Dキャラクターが多く登場しましたが、ドット絵のキャラクターは登場するのでしょうか?

谷渕:今のところドットは対応していないですね。多数のキャラクターは3Dで作られていて、中身的には全て3Dです。3Dでありながらトップビューやサイドビューのジャンルに対応しています。3Dのサイドビューはとても大変で、(整合性的に)おかしな世界ですがそれを実現しています。

――ドットを打てたり、音楽を作れたりなどエディット周りはどこまで作り込めるのでしょうか?

谷渕:基本的に著作権的な観点から、かなりクリーンな世界を目指しています。そのため音楽の持ち込みはできません。キャラクターに関しても基本はKONAMIから提供したものを使っていただきますが、色を変えたりなどカスタマイズして個性を出すことができます。安全安心かつ子供達もやっていただくこともあると思うので、なるべく権利的な侵害がないように、トラブルが発生しないよう設計しています。

――本作でこだわった点はありますか?

谷渕:スタッフは皆ゲーム好きばっかりなので、話し出したら終わらないぐらいですが、ゲーム作りの色々なノウハウが入っています。ユーザーの人はあまり意識せずに使えるようにしていて、何かしらないけど普通に動かしやすいことや手触りの良さなどにこだわって作っています。

――具体的に作りやすい要素を1つ挙げるとしたらなんですか?

谷渕:(ゲームの手触りの)調整が出来るのですが、ヒットストップや振動、先行入力、後方入力といったものですね。

――スポーツゲームを表現できたりしますか?

谷渕:できるとしたら、かなり後になるかと思います。スポーツはちゃんとルールがあるのでクラフト要素との相性としては、難しいと思います。

――先の発表で、会話の中からゲーム作りを進めるアシスタントの“マジックポッドくん”が紹介されていましたが、あれは選択肢で進めるのか、それともテキスト入力で突き詰めるのでしょうか?

谷渕:基本は選択肢です。まだ開発途中ではありますが、「このユーザーの傾向を分析して進める」というのが出来たらなと思っています。この人はこんなゲームで遊んでいるからこちら側(このジャンル側)かな?というイメージです。あれは(ゲーム開発の)最終形なんですよ。生成AIは使っていませんが、プログラムが(ゲームを)考えるロジックというのをひたすら作っています。

――マジックポッドくんの選択肢は具体的にどんなものがあるのですか?

谷渕:「どのゲームをベースに作りますか?」や、「どんな雰囲気のゲームを作りたいですか?」などです。色々な評価システムがありつつ、選択ツリー内の乱数や、履歴や傾向などで他の人が同じ選択肢を辿っても同じ物ができるとは限りません。

――想定している最大協力プレイ人数はどれぐらいですか?

谷渕:最大8人です。

――作ったコンテンツの告知方法はどういったものを考えていますか?

谷渕: 作った人はSNSなどでアピールしたいと思うので、告知できるようにしたいと思っていますし、ゲーム内でもできるようにします。地域という概念を取り入れて、地元の人からスタートし、地元の人が見つけられるようになって、(近い人から)「初めてプレイして貰っていいね貰った!」ぐらいを考えています。

あと本作は「ゲーム作りごっこ」という側面もあるのでプロモーションを出来るようにしたいと思っています。(イメージ的には)好きな人のために広告を出す的なものです。クリエイターとプレイヤー(ファン)の両面で育てる、作れない人も体験を共有できるようなサービスにしたいと思っています。

――最後に本作についてのメッセージをお願いします。

谷渕:この『ワイワイワールド Craft(仮)』は、KONAMIの色々なゲームシステムやキャラクターも登場しますし、新しい人も知らない人も手軽にゲームを作って、「ものを作る喜び」とそれに対する「反応を貰う楽しさ」の体験を多くの人に感じていただけたらなと思っています。引き続き応援していただけたらと思います!

――ありがとうございました!


発表時はKONAMIの「○○メーカー」的な内容かと思いましたが、ゲーム史を追体験する内容で盛り込まれていたり、会話の中で誕生するゲームであったりと、これまでゲーム開発の場であっただろうという出来事と歴史が『ワイワイワールド Craft(仮)』のインタビューから見え隠れしたと思いました。基本プレイ無料ということもり、今後の続報にも注目したい新ゲームプロジェクトです

©Konami Digital Entertainment


SILENT HILL f 【CEROレーティング「Z」】
¥7,374
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:G.Suzuki,編集:みお

ライター/ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

+ 続きを読む

編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top