チラズアート最新作『UMIGARI | ウミガリ』体験版プレイレポ―霧深い日本海で怪魚を釣り上げ、漁船を強化して進め。「チラズらしさ」ありつつ新境地の海洋探索×不条理ホラー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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チラズアート最新作『UMIGARI | ウミガリ』体験版プレイレポ―霧深い日本海で怪魚を釣り上げ、漁船を強化して進め。「チラズらしさ」ありつつ新境地の海洋探索×不条理ホラー

探索の果てに待つのは奇怪な魚か、それとも…。

連載・特集 プレイレポート
チラズアート最新作『UMIGARI | ウミガリ』体験版プレイレポ―霧深い日本海で怪魚を釣り上げ、漁船を強化して進め。「チラズらしさ」ありつつ新境地の海洋探索×不条理ホラー
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深夜のコンビニ勤務の恐怖を描いた傑作『夜勤事件』が映画化するなど、数々のJホラーゲームを世に送り出す「Chilla's Art(チラズアート)」。今回はそんなチラズアートが手掛け、10月8日にリリースされた最新作UMIGARI | ウミガリデモ版(Steam)のプレイレポートをお届けいたします。

常に進化し続ける同スタジオの新作は、至る所に「らしさ」が見えつつも、名作釣りホラー『DREDGE』を彷彿させるような、新境地を感じる新鮮なプレイフィールでした。なお本稿はゲーム内容について記述しているので、ネタバレなど閲覧の際はご注意ください。


本作は、一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム。プレイヤーは、日本の霧深き大海で魚を狩って売却し、燃料を買うなどして船を強化していきます。アップグレードしながら探索範囲を広げて進み、この奇妙な世界の謎を解き明かしていくことになります。果たして大海原の先に待つのは、奇怪な魚たちなのか、それとも……。


操作方法、対応言語

本作は、キーボード&マウスおよびコントローラー操作に対応。コントローラーは公式パッドレイアウトを設定してプレイできるものの、入力対応していない操作も多々あり、無難にキーマウでのプレイを推奨します。特に船の操舵に関しては微調整ができず、船が高速スピンするので要注意です。

また、日本語字幕/インターフェースに対応。日本語表現において特に問題はなく、人物との会話における「チラズアートらしい」独特の台詞回しは健在していました。

画質の設定に関しては、細かなグラフィック品質やアップスケーリング方法を選択できます。ただし、デモ版であることもあり、PCへの最適化が完璧でないため、プリセット「高」でプレイするとカクついたりフレームレートが落ちたりするので注意が必要です。

舞台は霧深き大海原!魚釣り×不気味な海洋探索が融合した不条理ホラー

さあ本編開始!「始めから 」を選択すると、いきなり見知らぬ小島からスタートします。目の前に広がる海が非常にキレイですね。手には銛(もり)のような道具を持ち、すぐ先には小型の漁船が見えます。いったいここはどこなんだろう…自分の置かれた状況がイマイチ飲み込めません。

手始めに何をすればいいいのか……画面をよく見れば、色々と情報が読み取れます。まず大きな目標は「学校に向かう」ことで、小目標に「魚を獲る」、「魚を売る」、「ガソリンを入れる」とあります。また画面上部には、クエストマーカーや操作説明も。以前の作品と比べて、今作はかなりユーザーフレンドリーなUI設計な気がします

「日本の地魚」

とりあえず周りをグルっと見てみようと思い振り返ると、魚屋がいました。こんなところで?ちょっとビックリしましたが、どうやらここで商売している様子。屋号は「日本の地魚」といい、美味しそうな新鮮なフィッシュたちがぎっしり並んでいます。魚と書いてある前掛けをしているし、顔や出で立ちも漁師っぽい。うんうん、これはフツーの魚屋さんですね。

話しかけてみたところ色々と教えてくれます。曰く、この辺りの海域ではほとんど「フグ」しか穫れないらしいですが、「おっきい魚」も見たとのこと。大物との邂逅に夢が広がりますね。

そして、プレイヤーが獲った魚を「船に置いたまま」にすれば買い取ってくれるようです。これは有り難い…早速漁を始めてみましょう。

給油所
ベンチからファストトラベル可能

その前に、少し周りを探索すると古いタイプの給油所を発見。今は所持金がなく何も出来ませんが、ここで船の燃料を給油するみたいです。それともうひとつ、一見何の変哲も無さそうなベンチが置いてありますが、ここで「ファストトラベル」が可能になるようです。

操縦ハンドル
緊急ボタン

さて、今度は肝心の「漁船」を見てみましょう。あまり船に関して詳しくないですが、一見するとプレジャーボートくらいの小型船で漁に出るにはちょっと頼りない感じです。

前方に操縦席があり、後方には魚を置くスペースがあります。この枠内に獲った魚を入れ、無事落とさず帰島できれば売却することができるのです。ほかには、操縦席の左横に「緊急ボタン」が装備されており、これを押すと積荷のすべてを残すかわりに、給油所にいつでも帰還できます。燃料がヤバいときに使えそうですね。

左マウス長押し→離して銛を投げる
一突き
結構デカいフグをゲット

お待ちかねの「魚釣り」を実際にやってみます。ただし、釣りといっても竿釣りではなく、槍のような「銛(モリ)」という漁具を使って魚を突き刺す「銛漁」で捕獲します

操作は左マウス長押しで銛を引き絞って狙いをつけ、マウスを離すと銛が射出する仕組み。そして、Eキーで巻き取ります。シンプルな操作とはいえ、投射距離や位置が正確でないと捕獲できません。

魚は特定の場所で泳いでおり、一定間隔で無限に湧いてくるので遠慮せずどんどん銛を投げていきます。本格的な釣りゲームのようなフィッシングを味わうことはできませんが、銛で一突きする感覚がお手軽&ミニゲームのようでかなり楽しくて気持ちいい。チラズアートの作品らしからぬ、今までにない新鮮なプレイフィールです。

こうしてひたすらフグを乱獲し、気づけば1,050円の売上に!獲った魚はそれぞれSサイズ~Lサイズまであり、売却価格も違います。

そして、売却した資金を元に「船のアップグレード」を行います。燃料の容量を増やしたり、船の移動速度を上げたりできます。また同様に、銛の投射速度やリールを巻くスピードを上げたり、射程距離を広げたりすることも可能です。

残ったお金で燃料を補給し、ようやく探索の準備が整いました。さあ、神秘的な大海原へと冒険に出かけましょう!船はWASDで前進、後退、旋回して航行します。

と言っても、どの方角へ行けば「学校」があるのか分からないので、とりあえず巨大な風車が見える方向を目指します。ちなみに本作はマップも搭載されており、探索範囲を広げていくほど地図全体が明らかになっていく仕様です。

マグロ

道中でも船を止めて魚を狩っていきます。海が深くなるにつれて、フグ以外にマグロなどが姿を現します。こうして進んでいると……

デカッッ

とつぜん超巨大魚が出現!

思わず「デケェ!」と声が出てしまいました。大きさもそうですが、どんな魚か不明なシルエットが超不気味。移動スピードがめっちゃ早く銛で一突きしたものの、まったく怯まず泳ぎ去っていきました。……この海は何かがおかしい。

そう感じ始めた矢先、風車が並ぶ海域に到着。一見何も変わった様子はないみたいですが…近づいてよく見ると、明らかに異様な風車が一基あります。羽先にターゲットマークのような紙が張ってあり、おまけに血がベッタリと付着している奇妙な光景。これを撃ってみたところ、風車が動き出し……

なんと、もう一枚の羽に変な魚が刺さっています。ちょっと難しいけれど、狙いを定めて捕獲を試みます。何度か挑戦して突き刺すことに成功。

めっちゃキモいトビウオ

その正体は、なんかめっちゃキモい魚でした。おそらくトビウオだろうと思われますが、胸ビレが人間の手のような形をしています。ただの奇形種なのか、それとも常識を超えた何かがこの海にあるのか…それは分かりません。

このように、釣りの楽しさに加えて不条理でじわじわくるホラー要素もしっかりと盛り込まれており、チラズ作品らしい恐怖を体感できます。

風車には魚だけでなく「魚探レーダー」も引っかかっていて、これも上手く銛で突いて入手します。魚の居場所が一目瞭然となる便利アイテムなので、狩りが一気に楽ちんになります。

次々に魚を仕留めて売り、船の機能を拡張して、いよいよ学校へ向かいます。進んでいくと、うっすらと森が見えてきました。

厳島神社のように、浅瀬にたたずむ鳥居が神秘的です。鳥居の奥には、寺のような建物が見えます。これがもしや「学校」なのか…?

階段を登ると、なぜか女子高生がいます。こんなところで何をしているのか…話を聞くと、「呪い」を終わらせるために「あの島」に行かないといけないらしく、連れて行って欲しいとのこと。

JK

JKを船に乗せ、いざ出発。ただちょっと燃料が心許ないので魚を狩りつつ、いったん給油所に寄ってから出かけることにしましょう。

しかし順調に進んでいるかと思いきや、女子高生の姿がこつぜんと消えています。代わりに巻物が残されており、「あの島」の場所が記されていました。不思議な展開にうろたえますが、まさに“乗りかかった船”ということで、「あの島」をふたたび目指していきます。

海洋はとても広大で終わりが見えません。探索範囲が広がるにつれて、得体のしれない巨大生物が横切ったり、未知の魚が増えてきて海の怖さを感じつつ同時にワクワク感も強まります。

一体なぜ…

中でも一番目を疑ったのが、この特殊すぎる謎の魚。なんか服着てる。いっさい理由は分からないですが、とにかく奇妙でまるで元々人間かのようです。

そうこうしているうちに、ついに目標地点の「あの島」に到着。ちゃんと魚屋もいます。先ほど捕獲したあの謎の魚は、「白学ラン魚」という名前のようで、一匹2000円で売却できます。

この島の環境は独特で、給油所のすぐとなりには半分水没した「学校」らしき建物があります。非常に美しく幻想的な雰囲気ですが、ここがJKの言っていた「呪われた場所」なのでしょうか。

給油所を離れ、学校を探索してみます。ここに何が潜んでいるのか。

教室に入ると、普通に魚が泳いでいます。どんな魚なのか気になり、捕獲してみたところ…。

セーラー服着てる。

さっきの白学ラン魚のおかげで、さほど驚きませんでしたが、やはりシュールで不気味な光景です。しかも、銛で突いた時に「ウッ」とか「痛っ」とか、人語のようなうめき声まで聞こえてきて胸糞も悪い。

一階をくまなく探索し、次は二階へと進みます。そのまま屋上へ続く扉を開くと…、誰かが座っています。

!?オッサン!?…のようですが、なぜかセーラー服を着ていますね。よく見れば可愛い…くはなく、気味の悪い変態JKおじさんがいました。

恐る恐るJKおじさんに話かけると、「ぼくは生まれ変わった!」だの「神様は見捨てなかった!」だの、錯乱したようなことをペラペラと語りだします。しかし気になるのは、「ぼくはいつも水槽から見てたから知ってる」という言葉。それは、いったいどういう意味なんだ…?まさか…

JKおじさん曰く、クラスのいじめっ子を成敗するべく、彼らが身につけていたバンダナなどを持ってきて欲しいと頼まれます。

ということで、捕獲開始。セーラー姿の魚はめちゃくちゃ素早く動き回っているため手こずりましたが、なんとか捕獲に成功します。

オーダー通り、いじめっ子たちを机に並べます。その光景はまるで生贄儀式のよう。これでJKおじさんも満足したはずです。

え??

しかし、ここで衝撃的な事実が判明します。苦労して捕獲した魚たちはいじめっ子ではなく、どうやらいじめられっ子のほうだと言うのです。こ、コイツ…!!

そのうえ「まあどっちでもいいか」なんて悪びれる様子もないJKおじさん。やはり、見た目通りとんでもない野郎です。

そして「この世界は弱肉強食なんだから」と言い放ち立ち上がると…!直後のおぞましくグロテスクな光景は、ぜひともプレイして確かめてください。


如何だったでしょうか。本作はチラズアートらしいシュールかつ不条理なシチェーションホラーを体験できつつ、銛での魚獲りや売却、漁船のアップグレードなど、新たな挑戦を感じさせる新要素が盛り込まれておりホラーだけに留まらない充実したゲームプレイを楽しめました。

とくに、以前の作品が「閉じた世界」をテーマにしていたのに対して、今作は神秘的な海を舞台にしたオープンフィールドを採用しており、海洋探索のワクワク感とホラーの融合が「新境地」を感じさせる意欲作だと思います。

本編は近日登場予定なので、そちらも楽しみに待ちましょう。

  • タイトル:『UMIGARI | ウミガリ

  • 対応機種:PC(Steam)

  • 記事におけるプレイ機種:PC(Steam)

  • 発売日:2025年10月8日

  • 著者プレイ時間:3時間



DREDGE(ドレッジ) -PS5
¥3,762
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
DREDGE (Original Game Soundtrack)
¥1,600
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:DOOMKID,編集:みお


ライター/心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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