ファンタジー世界や架空の惑星、荒廃した未来、異次元など、クラフトサバイバルの舞台となる世界はとてもバラエティ豊かです。未知の物質を調べたり、恐るべき脅威と戦ったり、どの作品も生き残るのは簡単ではありません。では、最も重要な物質である酸素を受け入れられない生物が地球に来たらどうなるでしょうか?
『Dead Island』『Dying Light』などの作品に携わったスタッフによって設立された、ポーランドのインディーゲーム開発スタジオSpace Goblin Studioは、オープンワールド研究サバイバル『ASTROBOTANICA』をPC(Steam)向けに早期アクセスでリリース予定です。
本作の舞台は30万年前の地球。プレイヤーは故郷の惑星で食糧となる植物の調査中に地球に漂着した異星人の学者・クセルとなり、まったく異なる環境下で生き残るための方法を探さなければなりません。なぜならクセルは二酸化炭素で呼吸をするため、地球の大気ではまともに生き残ることもできないのです。

本稿では、日本時間2025年10月14日からスタート予定の近日登場ゲームの祭典「Steam Nextフェス:2025年10月エディション」にて配信される『ASTROBOTANICA』体験版の先行プレイレポートをお届けします!
辿り着いたのは緑の楽園・地球
今回の体験版では、ゲームの冒頭部と植物の調査や栽培のほか、いくつかのパズル要素などを楽しむことができました。なお、今回のビルドでは体験版が日本語に対応していないので英語版でのプレイになります。
物語は主人公の乗った脱出ポッドが地球に落下した後からスタート。まずはチュートリアルとして周囲に落ちているスキャナーを拾い、近くの植物をスキャンすることから始まります。スキャンすることでその植物から摂取できる栄養などを確認できるだけでなく、採集も行えるようになります。



チュートリアルでは植物の栽培やトニックの作成方法、原始人との交流などの基礎を学びながら、惑星を探索していくことになります。もちろん自分が生き残ることも重要です。冒頭でも紹介しましたが、主人公は“二酸化炭素で呼吸する生物”です。ただ地球の大気で過ごしているだけでは、やがて呼吸ができずに死んでしまいます。
幸い植物の中には豊富に二酸化炭素が含まれているものもあり、実を食べたり、宇宙船の装置で作るトニックで回復は可能です。とは言え再び実をつけるまでは時間がかかるので管理も必要ですし、野生生物や有毒植物に襲われてしまうこともあります。ドードーとかキウイバードに襲われて死ぬ主人公、だいぶか弱いな。





こうして過酷な調査生活が始まった主人公。体験版では「トーテムポール」を完成させるため、さまざまなパズルや謎解きに挑むことになります。




知識は力!現地民との交流も
ゲーム内では、未知の植物をスキャンしたり、さまざまな行動で知識ポイントを獲得できます。知識ポイントは主人公の能力を向上させる「P.R.I.M.A.L.」システムの修得に必要なほか、建築レシピのアンロックにも用いる大切な要素です。
「P.R.I.M.A.L.」システムは、主人公たちの宇宙知識6ジャンル【惑星知識(Planetary Knowledge)・リサーチ(Research)、研究(Investigation)、マネジメント(Management)、適応(Adaptation)、ラーニング(Learning)】の略称。体験版では第一段階までをアンロック可能です。



ダッシュ時のスタミナ軽減などいずれも有用ですが、植物採取時にボーナスの知識ポイントを得られるスキルは圧倒的に便利な印象です。安定した回復リソースを得るために植物の栽培は必須ですが、その種を得るだけでもポイントを確保できるため、まずはこちらの入手を優先する方が良いかも知れません。
また、チュートリアルの中では、煙が上がった先で惑星の住民を発見できます。Steamストアページによれば彼らはネアンデルタール人で、スキャンしてみたところどうやら頭痛や鼻水の症状があるようです。ゲーム内では、彼らの治療を手伝ったりして交流していくことで協力関係を築くこともできるようになるようです。



体験版範囲では入手できる素材や獲得できる「P.R.I.M.A.L.」などは少ないものの、さまざまな調査や研究をしていくことで、ゲーム内の生活は少しずつ快適になっていきます。いかに知識を得て環境に適応していくかが『ASTROBOTANICA』のサバイバル生活です。



安全・快適な拠点を作ろう!
建築は専用のツールを用いてブループリントを設置、そこに材料を入れていく形式です。体験版の序盤では入手できる素材が限られているので、畑くらいしかまともに運用できませんが、体験版でのミッションをクリアすることでツルハシが手に入り、ある程度自由な建築が楽しめるようになります。
アンロックできる建築レシピには家や設置式のトーチ、ストレージボックスから、コンポスターなど栽培に便利なものまで用意されています。家はまず基礎を作り、壁や屋根などを設置していく方式。畑を野生生物に荒らされないようにするフェンスなどもあり、しっかりとした拠点づくりも楽しめそうです。



現時点で木を切り倒すといったアクションはできないため、建築できるエリアはある程度の制限があります。野生生物が少ない、栽培用の水が確保できる、有用な植物が多いなど、さまざまな地点を調査しながら自分だけの拠点を作りましょう。ただし、トニック制作は宇宙船でしかできないのでご注意を……。
本作の主人公はあまり多くのアイテムを持てないので、ストレージボックスを設置することで生活の質は劇的にアップします。今後の早期アクセス開始でどのように世界が拡がっていくのか、非常に楽しみですね!





異星人として古代の地球を調査するサバイバル『ASTROBOTANICA』は、まず呼吸すら困難という状況下で始まります。(生物的に)過酷な環境なのですが、常に危険な生物や災害に襲われるような作品ではなく、ストアページで紹介されているように“平和的なサバイバルゲーム”であることは間違いありません。
生き残る方法を見つけることは比較的簡単で、慣れてくれば十分余裕を持って探検をすることもできます。体験版の範囲で目的は最初の謎解きとある程度の原始人との交流くらいで、行動範囲もあまり広いものではありませんが、今後調査対象が増えていくことでどんどんプレイも拡がっていくんだろうな、という予感もあります。


ただ、現時点であまりにインベントリが少なかったり、一部の素材が探しにくかったりと少し遊びにくい部分があるのは否めません。特に困ったのが「バックパックに入れたアイテムが消失する」不具合で、実質5つまでしかアイテムを持てない状況であること。アップデートで改善されることを望みたいところです。
ゲームのコンセプトやプレイスタイルは面白く、原始人との交流など本作ならではの楽しみも用意されています。是非とも「Steam Nextフェス」で体験版を遊んでみてください!













