ストリート文化と近未来SFをかけ合わせた強烈な物語や、コントローラーで繰り出せる華麗なトリックでプレイヤーの心を掴んだ「圧倒的に好評」のパルクールアクション『Bomb Rush Cyberfunk』。同作を生み出したTeam Reptileは、TGS 2025にあわせて新作『HYPERFUNK』を発表しました。
この度Game*Sparkでは、ディレクターのディオン・コスター氏に独占インタビューできる機会を入手。変わらず圧倒的なセンスを見せつける新作について、さまざまなことをお伺いしました。

グラフィティクルーがダイナミックに街を支配。オンラインマルチプレイもある
――自己紹介をお願いします。
ディオン・コスター:ゲームディレクターのディオンです。Team Reptileの全タイトルでディレクターを務めてきました。自分の人生で重要なダンスやスケート、そしてグラフィティへの情熱から常にインスピレーションを受けており、作品に込めています。
――新作『HYPERFUNK』の発表おめでとうございます!開発状況はどれくらいなのですか。
ディオン:半分くらいかな……という感じです。

――新作をプレイした方からの反応はいかがでしょうか。
ディオン:とてもポジティブな印象です!ただ、ディレクターである私の前だから、本音を言いづらいだけかもしれませんが……(笑)。
――(笑)。本作ならではの要素はどんなものが用意されていますか。
ディオン:本作では、オンラインマルチプレイが大きなフィーチャーですね。ゲームプレイそのものも大きく進化していて、トリックのシステムもよりディープに進化しています。

「スタイルウォーズ」と呼んでいる新要素もあり、グラフィティクルーたちがダイナミックに街のエリアを支配して、プレイするたびに毎回異なる展開が起こっていきます。
それから、もうひとつ重要なのが「ハイパー・デジタル・スペース」という概念です。
――それはどんなものですか。
ディオン:「ハイパー」はソーシャルメディアやインターネットのような空間で、社会をも変えるデジタル空間なのです。これが本作においては重要な立ち位置となり、ストーリーにおいても重要となります。

――現状Steamページには「PvP」の表記がありますが、具体的にどのようなことを行うのでしょうか。
ディオン:オンライン体験には2種類あります。ひとつは友達同士でバトルやミニゲームを楽しめるストリート、もうひとつがランダムなプレイヤーと出会って遊べるデジタル空間「ハイパー」です。もちろん、グラフィティバトルも可能です。
――マルチプレイ要素は大きなフィーチャーですから、本作ではこの要素が中心となるのでしょうか。ストーリーを楽しみたい人への配慮はありますか。
ディオン:いいえ。オンラインマルチプレイはもちろん大きな要素ですが、それとは別に楽しめるシングルプレイヤーの新たなストーリーはもちろん用意しています。
続編、と言っていいのか?
――では、本作は「続編」として捉えても良いのでしょうか。それとも、同じスタイルの別の新作でしょうか。
ディオン:ここは少し複雑で、ゲームプレイ的には間違いなく続編といえる進化をお見せできます。ただ、物語やキャラについては、前作と同じ世界ではありますが、どちらも全く新しいものになっています。
――つながりは薄いのでしょうか。
ディオン:ちょっとだけ……あります!
――ありがとうございます。前作では『ジェットセットラジオ』を意識したアートスタイルやサウンドが魅力的でしたが、今作では少し違った方向性になっているように感じます。今回はどのようなものを目指していますか。
ディオン:今回は前作のスタイルに留まらず、新しい方向へと進んでいます。ただし、完全に断絶するわけではなく、自分たちの独自性を見つけようとしています。懐古的にするだけではなく、前に進む姿勢というわけです。

――ロゴの雰囲気も大きく異なりますよね。
ディオン:あのロゴは私が作りました。常にさまざまなアーティストから影響をうけているのですが、今回は「HYPER」と「FUNK」の対比を意識していて、「HYPER」はデジタル的なセンスで、「FUNK」は昔ながらのストリートスタイルで描いています。両者を組み合わせることで、強烈な対照的表現に仕上げられました!

――今作での音楽はどのように変わりますか?
ディオン:私は常にダンスミュージックから影響を受けています。前作ではダンスに基づいて楽曲を選ぶことが多かったのですが、今回は少し違います。さまざまなジャンルを入れたラジオストリーム方式を導入し、プレイヤーが好きなときにチャンネルを切り替えられるようにしました。これで同じ曲ばかりに飽きることはありません。
――たとえば、どんなジャンルが楽しめるのでしょう?
ディオン:現時点ではヒップホップ、ファンク、ブレイクビーツフュージョン、そしてパーティークラブ系のチャンネルを検討しています。加えて「ハイパー」というストリーミングチャンネルがあるのですが……かなりワイルドですよ(笑)。まだ詳細はお伝えできませんが、お楽しみに。

――前作ではストリートスポーツが大きな要素でしたが、昨年スノーボードやサーフィンゲームの開発者を募集していましたよね。これらの要素が搭載されるのでしょうか。
ディオン:そこはまだ曖昧です。前作に登場したものはすべて復活させる予定で、それに加えて新しいものもいくつか検討しています。そのひとつがスクーターですが、まだ最終決定ではありません。
――前作のお話も少しお伺いします。前作のリリース後、プレイヤーからの反応はいかがでしたか。
ディオン:とても感動しました。自分の心から生まれたカルチャーの諸要素が多くの人に愛されたというのは、本当に特別な経験です。異なる地域や文化のファンからも反響をいただけました。
本作では私自身がモーションキャプチャのアクターをしている部分も多いので、ダンスをプレイヤーが気に入ってくれると、まるで自分の一部を受け入れてもらえたような気持ちになります。
――日本のファンからはいかがでしょう。
ディオン:素晴らしいファンアートがたくさん届きました!本当に印象的な作品が多く、日本ならではのユニークなアプローチの作品も見られましたね。

――最後に、本作を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
ディオン:皆さんを驚かせるような作品に仕上げたいと思っています。どうぞ楽しみにしていてください。
――ありがとうございました!
『HYPERFUNK』は、PC(Steam)および家庭用ゲーム機向けに開発中です。













