『Braid』などを始め、キャラクターのアクションを巻き戻したり進めたりしてクリアするパズルゲームは、古来から多く作られてきました。
本作『MotionRec』もその系譜に当たる作品。キャラクターの動きを記録し、任意の場所で再生するギミックを用いたパズルゲームです。
レトロで可愛いビジュアルとは裏腹に、頭を捻る仕掛けが盛り沢山の良質な一本でした。
※執筆に際し、PLAYISMよりダウンロードキーを提供いただきました。
辿り着ければ問題なし! 自らの動きを記録して突破するレコードパズルの面白さ
本作の主人公は小さなロボット。特にストーリーは語られませんが、彼がこの謎めいた空間から脱出するのが目的のようです。彼は前後に歩くこととジャンプしかできません。
少し歩いていくと、大きなカセットテープが現れました。彼はそれによって自分の動きを記録&再生できる能力を手に入れます。

使い方は非常に簡単。(Xboxコントローラー基準で)LTボタンを長押しすると記録、RTボタンを押すと再生されます。
たとえば、彼のジャンプでは到底渡り切れない穴があるとして、その前の道で右に向かって歩くのを記録します。そして穴の前で再生すれば、ツゥーと虚空を飛んでいき、無事に向こう岸に辿り着くことができるわけです。

一度再生すると、着地するまで再利用できませんが、好きなタイミングで再生を止めることは可能です。なので、ほとんどのステージでは、なんとかして一発で次の足場まで行ける正解の記録を見つけることが求められるわけです。また、ステージ中には音符マークの収集物が置かれており、やりこみ要素として機能しています。

記録がギミックに入っていると聞くと、なんだか面倒臭い感じもしませんが、本作は一貫して直感的に遊ぶことができました。というのも、基本的にはLTとRTの2ボタンしか使わないので、余計なことを考えずに済むわけです。代わりにゲームを奥深くしているのが、どんどん追加されていくステージ上のギミックです。

たとえば、ステージ中に右矢印の再生マークが描かれたブロックがあります。このブロックに触れると現在の再生がキャンセルされ、改めてこの地点から再生がスタートするというものです。ようは経由地点なわけですね。

他にも、一度の再生で空中にあるすべての星を集めないと開かないドアがあったり、猛スピードで一方向に吹き飛ばされるタービンが置かれていたりと、さまざまです。
そもそも、2Dプラットフォーマーでよく見る動く足場ですら、半自動で特定方向の記録を行ってくれるギミックに様変わりしているわけで、目から鱗な体験でした。

また、本作の最も素晴らしい点は「正解さえ引ければ何でもいい」という点です。
中盤以降は、上記のギミックも複数出てくるため、一見してどういう風に記録をすべきなのかわからなくなってきます。しかし、何度か試していくと「とりあえず一個先の足場にさえ行ければ何とかなるな……」と手がかりも見つかってくるため、とにかく最低限の線だけ引ければあとはグチャグチャでも、ジャンプと途中停止といったその場の判断でギリギリ辿り着くなんてことも可能だったりします。
このファジーさ、懐の深さはプラットフォーマーゲームならではでしょう。

グラフィックも見ての通り、レトロ調で可愛らしく、チップチューンのサウンドもキュートです。なんとなく寄り道した先にある巨大な機械やモニュメントなど、SFチックで想像力を刺激する物体も乙なものです(音符以外にもシークレット要素があるのかも……?)

メニュー画面のBGMが本編より大きく、主張が激しいのが気になりましたが、他に気になる点は一切なく、とても秀逸なパズルゲームでした。
完璧な軌道を描いて空を舞う気持ち良さをぜひ味わってください。
タイトル:『MotionRec』
対応機種:Steam
記事におけるプレイ機種:Steam
発売日:2025年10月27日
著者プレイ時間:4時間
サブスク配信有無:なし
正解さえ作れればOKなレコードパズルは懐が深くて面白いスパ!











