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米政府の“プロパガンダ素材”にされた『Halo』―開発者たちは「本当にうんざり」「面白い」と賛否両論

政府のメッセージPRに、人気コンテンツの利用をやめる気はないようです。

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米政府の“プロパガンダ素材”にされた『Halo』―開発者たちは「本当にうんざり」「面白い」と賛否両論
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米ホワイトハウスの公式Xアカウントが10月27日、ドナルド・トランプ大統領『Halo』シリーズのマスターチーフに扮し、コヴナントのエナジーソードを持ちながら敬礼する、生成AIで作成した画像を投稿。『Halo』開発関係者からは、賛否両論の声が上がっています。

◆GameStopのジョーク投稿が思わぬ形で発展

人気ゲームのモチーフを政府のプロパガンダに利用されたことに対する、現役・元Halo開発者たちの反応を見る前に、本投稿の背景を少し紐解く必要があります。

始まりは10月25日、ゲームや関連商品を扱う米大手企業「GameStop」による「GameStop、コンソール戦争終結をここに宣言」というXへの投稿でした。

GameStopいわく、「世界中のゲームコミュニティを過去20年間巻き込んできたコンソール戦争は、2000年代初頭にXbox専用として登場した『Halo: Combat Evolved』から始まった」とのこと。

そして2025年10月25日、フルリメイク版『Halo: Campaign Evolved』がPC/Xbox/PS向けに発売と発表されたことで、同社はコンソール戦争の正式な終結宣言とともに「コンソール愛好家は民兵を解散し、楽しむように指示されます。ゲームストップは非武装地帯として運営を継続し、あらゆる勢力の戦闘員にハードウェア・アクセサリー・下取り品を提供します。プレイヤーに力を(Power to the players)」と投稿。

言うまでもなく、GameStopの“終結宣言”は、『Halo』タイトルが初めてライバル機であるPlayStationで発売されることを、いわゆる「ゲハ戦争」をジョークとして交えたゲーム関連小売店としての宣伝に過ぎません。

しかし翌日の10月26日、ホワイトハウス公式XアカウントがGameStopの投稿を引用し「Power to the players」のメッセージと共に、先述のマスターチーフ風トランプ氏の画像を投稿

加えて10月27日にはトランプ政権の広報アカウントが、「トランプ大統領が20年にわたるコンソール戦争を終結させた(トランプ氏が終結させた9番目の戦争)」とも発言しています。

さらに、米国土安全保障省(DHS)の公式Xアカウントも「Destroy the Flood.Join ICE Gov(フラッドを破壊し、ICEに参加しよう)」のメッセージを添え『Halo』のスクリーンショットを投稿しました。

「フラッド(Flood)」は知的生命体を餌食にすることで増殖、成長する『Halo』シリーズの敵キャラクター。

それと同時に「immigrant flood」という、移民を「洪水」に例え、移民を個々の人間としてではなく無秩序で制御不能な脅威として捉える差別的、非人間的なスラングでもあり、強制送還のために逮捕する移民を、エイリアンに例えていると読み取れます。

政府系アカウントが人気ゲームのモチーフを、生成AIを使って簡単にプロパガンダに利用することには、賛否両論の声があがりました。

◆「忌まわしい」「面白い」開発者たちの分かれた反応

そして、元『Halo』作曲家にして、2026年のネバダ州第3議会議員選挙に共和党員として立候補しているMarty O’Donnell氏は「トランプ政権と協力して、フラッドを完全に撲滅する」と、該当投稿を自身のXにて称賛。

また海外メディア「Game File」の取材によると、初期の『Halo』シリーズの数々のチーフデザイナーを務めたJaime Griesemer氏は、「文化的資本を持つものはすべて、政治家やブランド、関連性を探しているあらゆる人々によって利用されるものだ」とし、ホワイトハウスの投稿を面白いと評価、『Halo』シリーズに対する賛辞と受け止めています。

ただし、DHSの投稿にGriesemer氏は「移民を理由に人々を『滅ぼす』よう呼びかける際に、『Halo』のイメージを使うのは行き過ぎで卑劣な行為。『フラッド』は邪悪な宇宙の寄生体であり、特定の集団を想起させるものではない」と否定的です。

一方で『Halo』の共同制作者でありマスターチーフのリードデザイナーでもあるMarus Lehto氏は同メディアに対し、「まったくもって忌まわしい、『Halo』がこのように利用されているのを見ると本当にうんざりする」と語りました。

そしてジャーナリストのAlyssa Mercante氏がこの一件に関し、ホワイトハウスへコメントを求めたところ、報道官の回答は「トランプ氏はアメリカ国民とアメリカのゲーマーから非常に人気がある」だったとのこと。

また、国土安全保障省からも同氏へ正式な返答があり、「それが『Halo』であれ『ポケモン』であれ『ロード・オブ・ザ・リング』であれ、人々が共感し理解できるあらゆるコンテンツを通じて、不法移民が我が国にもたらした犯罪の氾濫に対する認識を高めることに、引き続き集中して取り組んでいきます」と返されたとしています。

政府のメッセージPRに、人気コンテンツの利用をやめる気はないようだと、Mercante氏は個人サイトBlueskyを通じて発信しました。


ライター:稲川ゆき,編集:八羽汰わちは


ライター/プレイのお供は柿の種派 稲川ゆき

ゲームの楽しさに目覚めたのは25歳過ぎてからの超遅咲き。人やら都市やら、何でも育て上げるシミュレーション系をこよなく愛する、のんびりゲーマーです。

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編集/多趣味オタク 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Spark編集部員、デスク担当。特技はヒトカラ12時間。

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