
Funcomは、Astrolabe Interactiveが開発するサバイバルクラフト『Aloft』の最新大型アップデート「Bloom & Blight(枯れて花咲く)」を配信しました。
「Bloom & Blight」アップデートはワールド生成や探索、クラフトなどあらゆるシステムが刷新・改良される過去最大規模のアップデート。配信に先駆け、メディア向けに詳細情報を公開するプレビューイベントがオンラインで開催されました。
本記事ではそんな最新アップデートの情報や、開発者へのQ&Aセッションなど、イベントの情報をまとめてお届けします!
空島クラフトサバイバル『Aloft』に大型アプデ「Bloom & Blight」到来!システムの大幅な改良が実施
開催されたプレビューイベントでは、Astrolabe InteractiveのCEOでクリエイティブディレクターを務めるManuel Bergeron氏と、リードデザイナーを務めるNicolas氏が登壇。Astrolabeのプレゼンは『Aloft』の概要の解説からスタートしました。
『Aloft』は2025年1月から早期アクセスが開始されているサバイバルクラフト。果てしない大空の世界を舞台に、プレイヤーは各地を探索して知識と資源を集め、クラフトや建築を行います。空に浮かぶ島は拠点にでき、船のように島を動かせるのも大きな特徴です。
旅のなかでは複数のバイオームが発見でき、多種多様な動物との出会いや、物質を腐食させる菌類と対峙することもあります。



早期アクセス開始からこれまでには、「Critters & Wonders(小動物と不思議の島)」と「Puzzles & Pyrologics(パズル&パイロロジック)」の2つの大型アップデートが配信されてきました。
「Critters & Wonders」アップデートでは収集可能な動物や昆虫が大幅に追加されたほか、宝物や未知の遺跡などユニークな発見がある“不思議の島”も追加されています。
2つ目の「Puzzles & Pyrologics」アップデートでは謎解き要素のある島の追加をはじめ、新しい資源「エンバーストーン」を駆使することで、自身でさまざまな“仕掛け”を作成できるように。トラップドアや回転する壁、圧力プレート、レバーなど建築の幅が大きく広がりました。
そして、3つ目となるアップデートの「Bloom & Blight」がいよいよ配信。本アップデートは過去最大規模のもので、多くのシステムのリワークや新機能の追加が行われています。

ゲーム進行システムの全面的な改修

「Bloom & Blight」アップデートでは、ゲーム全体の進行システムが全面的に改修されます。これまでは決まった順番でテクノロジーをアンロックしていく方式でしたが、今後はリサーチポイントを使って自身でアンロックするものを選択できるように。
技術ツリーは3種類に分けられ、基本的な「知識ツリー」、空島の装備に関わる「航行ツリー」、治療アイテムなどの「研究ツリー」から自分の必要なものにポイントを使い、レシピなどをアンロックしていきます。

リサーチポイントを獲得できる知識石や失われたアンカーは引き続き残されているので、プレイヤーは各地を探索して発見する必要があります。また、さらに高度な知識をアンロックするためには、「インサイトポイント」を獲得する必要があります。
生態系の回復(Restoration)のリワーク

『Aloft』の基本的な遊び方として、菌によって腐食した島を再生させるという目標があります。今後は「生命の苗木」がある島のみが腐食された状態で発見されるようになり、島を健康な状態に回復させるための条件はフィールドガイドで確認可能です。
腐敗した島では腐食した建造物の残骸を撤去したり、菌のこれ以上の成長を阻止するべく、原因となる敵を排除する必要があります。その後、プレイヤーの手で植物や作物の種を植えることもできます。


汚染を除去した後は島にある瞑想サークルを使うことで、プレイヤーは“命の風”となり、島を飛び回ることで島全体が活性化。荒れ地だった島に草木が生い茂るようになります。こうして島が完全に回復すると、資源の採集が可能になるほか、生き物たちも姿を見せるようになります。


また、さらに規模の大きな「生命の木」の島に辿り着くこともあります。島の周りには生命の苗木の島が点在していて、苗木の島を先に回復させることで木の奥に進めるようになります。
生命の木のなかには巨大で入り組んだ洞窟があり、洞窟の奥では高度な知識をアンロックできるようになる「インサイトポイント」を獲得できます。


島と島を繋ぐ「風の航路」の追加

生命の苗木の島を復活させることで、新しい要素である「風の航路」を利用できるようになります。これは島と島の間を繋ぐトンネルのようなもので、他の島へ迅速に移動が可能となります。なお、キャラクターのグライダーではなく、島を操作して移動する場合のみ風の航路は使用できます。
新しい敵菌株の登場

アップデートでは敵として、新たな菌株の「スポートックス(Sportox)」と「フロゲード(Flogade)」が追加。「スポートックス」は胞子の攻撃を使った攻撃を仕掛けてくる菌株で、煙のような胞子雲の攻撃に触れてしまうと継続的なダメージを受けるほか、グライダーの使用も一定時間不可能に。

もうひとつの菌株「フロゲード」はレッドクリフに繁殖しており、粘着性のある“焦土”を展開してきます。焦土に触れてしまったプレイヤーは大きなダメージを受けるだけでなく、その後も継続してダメージを受け続けます。

また、今回のアップデートでは戦闘や報酬に関するバランスも見直され、新しい体験やチャレンジ、そしてさらなる報酬がプレイヤーを待ち受けています。島ごとに汚染されたコアを発見し、最後にノードを破壊することで菌の侵食を阻止できます。

新しい道具と武器

また、新たな敵の脅威に対抗するべく、強力な道具や武器も追加されています。「ウインドストーン」を用いた道具は通常の石で作った道具よりもより多くのダメージを与えられるほか、コンボを繋げやすくなるといったメリットもあります。
ウインドストーンのクリスタルはハリケーンに襲われた難破船で入手可能なアイテムで、難破船を発見するには「失われたアトラス」を使用して位置を特定できます。

さらに、レアな「ギザギザ骨」を使用することで、より強力な道具を作成できます。ギザギザ骨の道具は現状で“最強”の道具であり、コンボの最後の攻撃が非常に強くなるといった特徴を持っています。

研究テーブルと醸造ラボ

菌に対抗する手段は道具だけではありません。腐食した島を探索するなかで、プレイヤーは「アノマリー」と呼ばれる資源を採集できることがあります。このアノマリーを拠点に持って帰り、研究テーブルでほかの資源と組み合わせることで、菌に対する技術がアンロックされます。
さらに醸造ラボをアンロックすることで、殺菌剤や治療薬といったアイテムも作成可能に。殺菌剤を武器に塗布して威力を高めたり、治療薬で戦闘を有利に進めたりと、探索をするうえで重要な要素となっています。

ワールド生成システムの刷新

今後、さらなるコンテンツを追加する際にユーザーのワールドをリセットする必要がなくなるように、ワールド生成システムも改良されます。新しいワールド生成アルゴリズムではバランスが見直され、探索密度が上昇したほか、探索に“作業感”のある退屈な島が排除されるようになります。
さらに、「Bloom & Blight」では今回紹介した要素だけでなく、UIの改善やQoLの向上、チュートリアルの強化、クエストの追加など、ユーザーのフィードバックに基づいたさまざまなアップデートが実施されます。
『Aloft』のコンセプトはどこから?現在の開発進捗は?開発Q&Aセッション

プレゼンの後には、本作の開発陣に対するQ&Aセッションが開催されました。
――『Aloft』の浮島を船にするという発想は、どのような経緯で生まれたアイデアなのでしょうか。
Manuel Bergeron氏(以下、Manuel):私たちがサバイバルゲームを作ろうと考えたときに、まず「既存のゲームと異なることを試してみよう」と考えていました。
従来のこのようなジャンルでは冒険パートがあって、自分の拠点に戻ってくるというパターンが多いのですが、私たちは「拠点を一緒に持っていけたらどうだろうか」という発想からスタートしました。
冒険を進めるにつれて集めたアイテムや宝物を自分の島に貯めて、それを島ごと次の拠点に持っていけるというアイデアです。

――「Bloom & Blight」アップデートでは多くの改善がされていますが、今後の開発の方向性や、早期アクセス中の完成度などを教えてください。
Manuel:早期アクセスのフェーズにおいては、私たちがしたいことの60%くらいは完成していると思います。ただ、今後もまだまだコンテンツを追加する予定です。
今回のアップデートは大きな一歩ですが、今後改善していく部分もあります。例えば、リワードシステムであったり、カスタマイズの自由度や柔軟性、世界を語る物語(ロア)部分などをもっと改善し、追加していきたいと考えています。

――本作は現在早期アクセス中ですが、これまでどのようなフィードバックが多かったでしょうか。また、日本のプレイヤーからの反応など、日本のプレイヤーに対して印象的なエピソードなどはありますか。
Nicolas氏(以下、Nicolas):アーリーアクセスでも高評価を得ており、良いフィードバックを頂いています。特に挙げられるのは、「この世界に住む人々についてもっと知りたい」というフィードバックと、色々なものを作るのが好きなプレイヤーが多いということです。今後は、建築好きのプレイヤーのためにもっとアップデートをしようと考えています。
日本のプレイヤーについては、私達は日本語を話せないため、直接の対話はしていませんが、Twitchで日本のストリーマーを見ると非常に楽しんでいる印象です。
Manuel:また、現在ゲーム内には一つの大きなリヴァイアサンが存在し、治療して復活させるというプレイヤーの目標がありますが、今後さらに関連したコンテンツを追加する予定です。

――「Bloom & Blight」では新たなシステムやコンテンツが多数追加されますが、開発チーム“最もエキサイティング”だと思う追加要素はどれでしょうか。
Nicolas:私の印象に残っているのは、島を回復させるプロセスです。以前までのものはシンプルすぎたと感じていましたが、今回のアップデートでは体験を強化しています。また、ゲーム内の世界自体も根本的に設計を見直し、今後新しいアクティビティやコンテンツを追加しやすくなっています。
くわえて、プレゼンでは音楽がうまく聞こえなかったかもしれませんが、世界と音楽が調和した、全体的に統一感のある体験になっていると思います。

大型アップデート「Bloom & Blight」も配信された『Aloft』は、PC(Steam)向けに現在早期アクセスを実施中です。













