Game*Spark読者の皆さん、レア社は好きですか? レア社の作ってきた2Dプラットフォーマーは大好きですか? 筆者は彼らに育てられたといっても過言ではないほど、遊び倒してきました。
今やインディーシーンでは毎年のようにフォロワー作品が生み出されており、今回も『スーパードンキーコング』ライクな一本が登場しました。
その名も『Windswept』。アヒルとカメを操作して、シビアなジャンプアクションが楽しめる世界に飛び込みましょう。あの頃の秀逸なプラットフォームデザインはしっかりと踏襲していながら、ただのパロディに留まらないオリジナリティを感じる一作でした。
カラフルで優しいドット絵と、容赦のない難易度をご堪能あれ 『スパドン』ライクな2Dプラットフォーマー
本作はマーブルとチェッカーというアヒルとカメが主人公のジャンプアクションゲーム。荒しに流されて家に帰れなくなった二匹が協力しながら旅をする物語です。といっても、導入のムービーは数秒で終わるので、起動して即座にアクションパートに入ってくれるのが嬉しいですね。
90年代バディ・プラットフォーマーへのリスペクトを公言しており、中身はスーパーファミコンの『スーパードンキーコング』シリーズそのもの。ありとあらゆる点をオマージュしているため、あの頃ハマっていたプレイヤーなら一瞬で操作やルールを理解できることでしょう。

本作はふたりのキャラクターを入れ替えて進んでいきます。共通アクションは(Xboxコントローラー基準で)Xボタンで攻撃、Aボタンでジャンプ、Yボタンでタッグチーム(『スーパードンキーコング』のチームアップに相当するアクション)、Bボタンで入れ替えです。
固有アクションとしては、アヒルのマーブルはチャージ攻撃とグライドが、カメのチェッカーはボディスラムができます。
これらのアクションを駆使して、さまざまな仕掛けを解き、敵を倒し、複雑で危険な地形を乗り越えていくことになります。特にタッグチームで相棒キャラを上や左右へ飛ばす動きは、とても強い懐かしさを覚えました……。

道中にはさまざまなコレクティブがあり、寄り道要素として機能しています。ステージ中に隠されているCOMETという5種類の「コイン」と、それらを集めると解放される「隕石」。そしてボーナスステージで手に入れられる「月」に、かなり奥まったところに隠されている「雲」。そして、ある程度高いところからゴールすると貰える「風車」。どれもこれも良い位置に置かれていて、収集欲をそそられます。
ボーナスステージもまた、既視感のある設計です。制限時間以内にコインを集めたり、敵を倒したり、ゴールまで目指したり……どれもステージの延長線にある仕掛けですが、ひねりがあって面白いですね。唯一、パズルを解くボーナスステージだけはオリジナリティがあり、このゲームの仕様をよく理解していないと解けない仕掛けが用意されていました。

Xボタンの攻撃中は空中にいてもジャンプできる判定が残っていたり、高いところからゴールしたあとは音楽に合わせてキャラが踊ったりと、徹頭徹尾『スーパードンキーコング』を意識した作りになっています。
壁に塗られた蜂蜜にくっついて進んだり、タル爆弾に飛ばされたりするステージや、騎乗して操作できるアニマルフレンド的な動物キャラクターなど、何から何まで似せています。
ここまで同じだと流石にどうなの? というご意見も出てきそうなので、オリジナリティを発揮している点もご紹介していきましょう。

まず第一に、アクションの組み合わせはかなり独創的です。
カメのマーブルはボディスラム後の好きなタイミングで攻撃を入れることで、左右一方向に一直線に飛んでいくことができます。この空中スライド攻撃(筆者命名)中にジャンプボタンを押すと、空中からいきなりジャンプが可能で、自由な移動が叶います。ちょうど漢字の「凹」みたいな軌道を描くイメージです。
このムーブはタッグチーム後にも行うことができ、鈍重なカメとは思えないほど機敏で多彩なジャンプアクションができるのです。

本作にも『スーパードンキーコング2』のロストワールドのような、収集物を払うことで解放されるシビアな隠しステージがあるのですが、そこの入り口であの『Celeste』を彷彿とさせるパロディがあり『スパドン』とはまたちょっと違った激ムズ精密プラットフォーマーをやりますよ、というメッセージを感じます。
制約の中でシビアなプラットフォーマーをやる『スーパードンキーコング』っぽいメインステージと、昨今のインディーアクションの潮流である『Celeste』的な隠しステージ……そのちょっとした違いを体感できるという意味では、なかなか面白い試みではないでしょうか。

他には、キャラクターの可愛さが挙げられます。クレムリン軍団もアイコニックな連中でしたが、本作の敵キャラもかなりキュートです。
ランプという蛾の商人の下に行くと、敵キャラクターのミニチュアを売ってくれて、ループアクションを眺めることができます。モンチ、ゲッソリトンボ、サラマンサーあたりは必見の可愛さです。ヌルヌル動くドット絵もGOOD!
そして、これはオリジナリティとは異なりますし、ちょっとマイナスに感じたポイントですが、音楽はおとなしいものが多かった印象です。さすがにデビッド・ワイズやイヴリン・フィッシャーといった大御所の名曲に比べると、展開の面白さやステージとの親和性がなく、BGM目的で楽しむには難しいものがありました。

とはいえ、全体的には満足感のあるプラットフォーマーに仕上がっていました。かなりの要素は名作から借りてきているとはいえ、プレイヤーを楽しませる仕掛けはしっかりと用意されています。表示されている収集物以外にも隠し要素がありそうなポイントも、ゲーマー心をくすぐられます。
この手の2Dプラットフォーマーに目がない人にはぜひオススメしたい一本です。

タイトル:『Windswept』
対応機種:Steam/Nintendo Switch/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One
記事におけるプレイ機種:Steam
発売日:2025年11月12日
著者プレイ時間:8時間
サブスク配信有無:なし
価格:2000円(2025年11月26日まで1700円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
ほとんどの要素は『スーパードンキーコング』だけど、細かい部分にオリジナリティが光る作品スパ!











