プレイヤーが用意された世界で自由に生活できるゲームというのは魅力的なコンテンツです。ひたすら己を磨いたり、NPCと交流したり、ときには犯罪者として権力に背いたりと、さまざまな生き方を楽しんでいくことで、世界の姿を自分なりに捉えていくのも醍醐味の人地と言えるのではないでしょうか。
パブリッシャーWorldMapとWhisperGamesは、個人ゲーム開発者Tatamibeya氏が手がける新作RPG『歴史の終わり』を2025年12月10日にSteam早期アクセスでリリースします。本作は、中世風の世界を舞台にしたサンドボックス型ストラテジーRPG作品です。
プレイヤーは無名の浪人として、迫りくる世界の崩壊を止めるために、多彩な勢力や人々の思惑が交錯する世界を旅していきます。NPC達は自分の考えで行動しますが、交流の中で影響が思わぬ波紋を拡げることも。プレイヤーの選択と決断で、盗賊・騎士・商人、そして王まで、さまざまな人生も待ち受けています。


本稿では、およそ3年の歳月をかけて制作された期待の作品『歴史の終わり』の先行プレイレポートをお届けします。
最後の長命種に課せられた使命
ゲーム内ではまず、プレイヤーの分身となる主人公のキャラクターを作ります。キャラクターメイクでは名前と能力、ワールドシードを設定可能。能力は統率・武力・知性・政治・直感・魅力の6項目があり、キャラクターの方向性で数値がランダム設定されるほか、10ポイントだけ自分で割り振ることもできます。
ゲーム本編は、主人公が育ての親である老人の元を離れるシーンから始まります。老人はこの世界を見てきた長命種であり、主人公は偶然拾われた“最後の長命種”として、残された100年の寿命で世界を生き延びていくこと、近づいている世界の崩壊を防ぐことを託します。また、ここでチュートリアルとして基本操作や戦闘などを学ぶこともできます。


世界には盗賊がいるだけでなく、やがてどこかの勢力に属した際に誰かと敵対することもあるでしょう。戦闘はアクション方式で、WASDでの移動とダッシュ、攻撃やガードを駆使して戦います。敵のフォーカスやパリィ、アイテムでの回復などもあるので、実戦形式のチュートリアルでしっかりと身につけましょう。
老人と別れた後は、その遺言に従い世界に住む魔女アシュベリーの元へ。アシュベリーからは、名声や金の稼ぎ方や士官の方法など『歴史の終わり』で生きる方法を教わるほか、ゲーム内でまずは目指すべきことをクエスト形式で提示してくれます。初回プレイではこのクエストに従って士官や出世を目指すのもおすすめです。



こうして何の力もないまま過酷な世界へと旅立った主人公。この先に待ち受けるのは、果たしてどのような運命なのでしょうか。次項からは、筆者の初回プレイの経験を交えながらゲームを紹介していきます。


盗賊に追われながら配達生活へ
筆者はまずキャラクターメイクで完全ランダムを選び、武力(個人戦闘能力)と魅力(NPCとの交流で有利になる)が高めになった主人公でスタート。初回プレイなのでチュートリアルに従いつつ、まずは世界を放浪して色々な町や村を巡ってみることにしました。
町や村には領主館や酒場、交易所、道具屋、ギルドなどの施設が存在していて、買い物やクエストの受注などもできます。酒場ではNPCと交流して仲を深めたり、クエストに必要な情報を聞き出すことも可能です。重要なのが交易所で、旅に絶対に欠かせない食糧や、資金源となる名産品の購入もできます。




筆者は最初の街に到着して酒場で飲んでいた騎士や盗賊と交流します。NPCに1ディナール(通貨)でお酒を奢ることで、思想や能力値などを聞き出せるほか、少しずつ好感度を上げていけます。酒場で盗賊のエド・ザンテにお酒を奢りながら会話し、その後は町で発生した買い物クエストを受けて、いよいよ冒険が始まります。
しかし、町の外に出るなり街道で盗賊に襲われるという事態が発生。いくらかのお金とアイテムを奪われ、体力や士気も大幅に減ってしまいました。その後も食糧不足で倒れる、別の盗賊に追いかけられるなどのハプニングが続きながらも、なんとか目的の町へと到着。最初の町へと戻り、無事にクエストを完了しました。




クエストは町で発生するものだけでなく、ギルドで受けられるものもあります。ギルドでは手紙や商品配達、名物の購入、借金取り立てなどの種類がありますが、まずは簡単な配達でお金と名声を稼ぐことに。裸一貫の状態で配達から地道に稼いで行くゲームは最高ですね!筆者の好きな『ルナティックドーン』『ジルオール』などの作品を思い出します。




お金と名声を稼いで士官生活へ!
配達生活の中で、不安定な世界で一人旅することは自殺行為に等しいものと学び、酒場で人を雇いました。酒場では歩兵・弓兵・担夫を雇うことが可能で、雇える人数は統率や主人公の立場によって変化します。兵士はそのとおり戦闘向きで、担夫は部隊の積載量をアップする効果があります。
ゲーム内でとにかく重要なのが食糧の調達です。それぞれの町はそこまで離れていないものの、世界の情勢によっては“交易所で食糧が売っていない”ことも珍しくありません。また、食糧の価格も変化するので、なるべく安く大量に買える場所で買い付けておくのが賢明です。担夫がいると食糧も多く積めるのでオススメです。




序盤はとにかく配達の仕事を重ねて世界を巡りながら、お金と名声を稼ぎつつ交友範囲を広げていきます。配達の際にはその町の名産品を交易することでお金をさらに稼げるので忘れないようにしましょう。また、仕事をこなして名声を稼げば、各勢力への仕官ができるようになります。
仕官は各勢力の収める土地で行えますが、王の直轄地でない場所を選べば、その勢力内の別派閥に所属することも可能です。今回のプレイでは騎士として生きる道を選び、たまたま酒場で皇帝と知り合った縁もあることで、ルシュ帝国の正統派閥への仕官を目指します。しかし、まさかの仕官直前に皇帝が没するという事態に。




もちろん今更決めた道を変えるわけにも行かず、ルシュ帝国の次期皇帝ボルベーゼ・ルシュへと仕えることに。こうしている内に世界の状況を示す「世界崩壊度」は増え続け、着実に終わりの時が近づいています。


「歴史の終わり」
騎士となることで、プレイヤーは主から領地の開発や治安維持といった内政、戦争時の侵略や防衛といった主命を受けることになります。主命を受ける際には資金が与えられるほか、立場が騎士となったことで雇える部下の人数も増え、自由は多少奪われるものの生活は安定していきました。
主命を達成して功績値を稼ぐことでプレイヤーの地位も向上していきます。また、名声を稼げば同じ勢力内に自分の派閥を持つ事もできるようになり、在野のNPCを臣下として雇用して仕事を与えられるようになります。もちろん独自派閥となることで、他の勢力内派閥やNPCとの関係も変化していきます。





ボルベーゼ皇帝に仕えながら各地で内政や戦争に加わり、確実に地位を上げていくことで主人公はついに領地を賜ることに。家臣になれば皇帝が開戦しようとする際に反対意見を出すことも可能なので、なんとか世界の平和を維持するように頑張りましたが、ルシュ帝国が全勢力に宣戦布告される、内乱で別勢力ができるなどトラブルは続きます。
「世界崩壊度」は人々の憎悪や世界の分断などを考慮して上がっていき、最終的に1500に達するとゲームオーバーになります。最終的に今プレイでのルシュ帝国はほとんど陣地を失いながらも戦乱を続け、最大勢力となった他国家も憎悪度を上げていく一方。初回プレイではあっさりと世界が崩壊してしまいました。





筆者は崩壊度が1400を超えた辺りで己の無力を知り、自分の領内の統治やお嫁さん探しに奮闘。無事に結婚したところで、静かに世界の崩壊を見る最後を迎えました。ゲームオーバー後はアシュベリーからアドバイスを貰えるので、今度こそ世界の安定を目指しましょう……。



『歴史の終わり』はサンドボックス世界を舞台に、プレイヤーが好きな生き様や歴史を作ることができる作品です。その上で「世界の崩壊を防ぐ」という大きな目的があり、その手段として成り上がっていくための努力や“とある謎解き”なども必要になっていきます。
ほとんど何もない存在から始まり、地道にクエストをこなしていく中で色々な人物と知り合い、その中で生きる道を見つけるのはロールプレイとしても魅力的。『Mount & Blade』『ルナティックドーン』などの作品が好きな人であれば、確実に「ハマる」要素が詰まっていると思います。



プレイ中は知り合ったNPCの情勢などが表示されるのですが、時代とともに裏切りや結婚、死亡、など、さまざまな情報が見えますし、その生涯も閲覧できます。筆者も臣下に愛想を尽かされて派閥を変えられたり、混乱が続く世界での安定がどれだけ難しいかを痛感させられました。こういったNPC情勢を見て楽しみ、さらに介入できるのも本作の魅力だと思います。
今回は先行プレイでゲームを遊ばせてもらいましたが、大きな不具合や不条理はなく最後までたっぷり楽しめました。Steam早期アクセスでも主要な要素はプレイ可能で、今後はバランス調整やコントローラー対応などを目指していくようです。もちろん、キーボード/マウス操作でも快適にプレイ可能です!













