
『ペルソナ3』『ペルソナ4』『ペルソナ5』シリーズの楽曲が「PERSONA SINGERS(ペルソナシンガーズ)」によって生披露され、ときにはダンサーたち「PERSONA DANCERS(ペルソナダンサーズ)」の華々しいダンスが場をさらに彩る……そんなゲームBGMとエンタメの垣根を飛び越えた空間を生み出しているのが、通称「ペルソナライブ」です。
回を重ねるごとに演出はどんどん豪華になっていき、同じ楽曲を披露しても、毎回異なるアレンジになっていたりダンサーズがキャラクターに扮したり、いつも新鮮な感動を運んでくれるペルソナライブ。
そして2025年12月には、ペルソナライブではなく「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」が公演されました!! 今回は“ライブ”じゃないぞ!

本コンサートは12月2日から12月5日と、なんと連日4日間にかけて新宿文化センターと神戸国際会館の2か所で開催され、最後は神戸公演で終了しました。
本稿では、ペルソナライブ愛好者で、音楽のジャンルではビッグバンドが抜きん出て好きな筆者による公演レポートをお届けします。神戸公演では終演後、嬉しいお知らせもありましたよ!
好きが全部コラボしている……!超豪華座組に開幕からひれ伏す
「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」は、本場ニューヨークのスタイリッシュなビッグバンド・サウンドでアレンジされた『ペルソナ5』の楽曲が、日米の腕利きプレイヤー総勢約30名によって演奏されるもの。世界的トランペッターでゲーム楽曲も多数奏でているエリック・ミヤシロさんも参戦しています。
シンガーにはもちろんLyn(稲泉りん)さんが迎えられ、その圧倒的歌唱力の高さをビッグバンドに負けない声量で披露されていました。

筆者はもちろん『ペルソナ5』大好きで、音楽ジャンルはビッグバンドを好んでいます。ビッグバンドとなると、やはりエリック・ミヤシロさんのトランペットが好きだなぁ……という人間で、まさに好き×好き×好きのコラボレーションのような、夢みたいな座組です!
ゲームで何百時間も聞いたユーザーが多いであろう楽曲群は、今回のためだけにグラミー受賞アーティストのチャーリー・ローゼンさんがアレンジしたもの。ローゼンさんは「Last Surprise」をビッグバンド・アレンジでカバーし、2025年のグラミー賞にノミネートされたという実績を持っています。
コンダクターおよびMCもローゼンさんが担当されており、日本語と英語を交えたトークで『ペルソナ5』やゲームへの愛、観客への感謝の言葉、奏者の紹介などを茶目っ気たっぷりに仕上げたトークがなんともユニーク。
また演奏中は指揮するだけでなく、しっかり楽器も演奏したり各奏者へ絡みに行ったりと、思わず「こんなに激しく動き回れるコンダクターが居るのか……!?」と驚かされてしまうお方でもありました。これぞ愛溢れすぎる故の行動と称賛したくなる、観客を楽しませることに全力を尽くす姿に感動です。


生楽器の演奏で伝わってくる“感情”
ペルソナライブの主体はあくまでシンガーズでしたが、今回の主役はビッグバンド。楽器の方ですね。セットリスト(※記事末記載)を見ればわかるように、ボーカル曲以外もかなり多く演目採用されていました。
聞き慣れた楽曲たちはビッグバンドというオーセンティックなスタイルになった途端、普段と全く違う顔を見せます。原曲のスタイリッシュさはそのままに、トランペットやサックス、トロンボーン、ギター、ヴァイオリンらが一斉に咆哮した瞬間の音圧と言ったらもう! まるで怪盗団、いや、ビッグバンド奏者たちからの「総攻撃」を食らったかのような衝撃が身体を走りました。

特にアレンジで印象に残ったのは、やはり「全ての人の魂の詩(Aria of the Soul)」でしょうか。お馴染みのイントロが流れ始めたため、すぐにこの曲が来たとわかったものの、ステージにはLynさんはもちろん、コーラスの姿も見られない。
そんな中でステージ前方に現れるエリック・ミヤシロさん……ここで「もしやあのコーラスをトランペットで再現するのか!?」と思ったら、本当にそうだったのです。

息遣いが躊躇に出るトランペットだからこそ、息継ぎや声量をコントロールする生身の人間のようなコーラスを担える……そのことを再認識させられる1曲になっていました。筆者がビッグバンドを好きな理由って、その楽曲の悲しみや力強さ、喜怒哀楽の感情が奏者の吹き方を通して直に伝わってくるからなのです!
特に「Butterfly Kiss」は、生楽器の表現力を得て、楽曲が本来持っていた色気がより鮮明になったようなアレンジになっていました。それはもう、思わず涙が出てしまうほどの切なさをも運んできてくれます。


Lynさんの歌唱曲は「Wake Up, Get Up, Get Out There」をはじめ、コール&レスポンスも見られた「Life Will Change」、明智吾郎との思い出がしみじみと蘇る「No More What Ifs」など。
一部楽曲ではLynさんの掛け声に合わせて観客全員も立ち上がり、手拍子やハンドサインを通じて最骨頂の盛り上がりを見せていました。何より、楽器の圧倒的な音量に負けない声量に文字通り吹き飛ばされてしまいます……!

そしてラストのアンコール楽曲は、やはりローゼンさんにふさわしい「Last Surprise」。楽曲終盤ではドラムのジャレッド・ショーニグさんが自身のソロパート中に仮面を被り(!?)、脱いで捨て去るというパフォーマンスも披露。なんて早業! 観客を聴覚だけでなく視覚的にも沸かせ、どこまでもサービス精神に溢れた演奏者の皆様でした。

音楽という名の「オタカラ」を抱えて―2026年夏の再演も行くしかない!!
最高の音楽を届けるという「予告状」を突きつけられた開催発表から数か月。いよいよ迎えた公演日で、筆者は好きな要素尽くしだった本コンサートという「オタカラ」を手に入れてしまいました。
本稿執筆後も、まだしばらく余韻から抜けられそうにありません。もう十分に心酔していると思っていたのに、改めて心を『ペルソナ5』とビッグバンドに頂戴されてしまいました……!

そして記事冒頭でもチラリとお伝えした神戸公演終了後の“嬉しいお知らせ”とは、2026年夏に本コンサートの再演が決まったことです。終わって早速「もう一度聞かせてほしい……」となっていたのに、もうその機会が決まっているだなんて素晴らしい!
本稿を読んで行かなかったことを後悔した方も、今度こそ聴ける大チャンスです。「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」2026年夏の再演を楽しみにしておきましょう!
セットリスト
Overture
Wake Up, Get Up, Get Out There
Life Will Change
Butterfly Kiss
Tokyo Daylight
全ての人の魂の詩(Aria of the Soul)
Beneath the Mask
Have a Short Rest
Will Power
Rivers in the Desert
Colors Flying High
Tokyo Emergency
Break it Down
Layer Cake
No More What Ifs
Life Goes On
The Whims of Fate
Take Over
アンコール
星と僕らと(Hoshi To Bokura To)
Last Surprise













