2月5日に配信された「Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ」にて突如発表・配信された『スーパーボンバーマン コレクション』。スーパーファミコン時代の5作品とファミリーコンピュータ時代の2作品の計7作品を収録し、シングルプレイも対戦もギャラリーも楽曲……と、ぎっしり内容が詰まったコレクションとなっています。
本記事では、「ボンバーマン」シリーズプロデューサーである松尾達則氏に実施したインタビューの内容をお届けします。

新規ユーザーと昔からのファン、両方の存在が企画実現につながった
――自己紹介をお願いします。
松尾:本作『スーパーボンバーマン コレクション』ではプロデューサーとディレクターを兼任しました。また直近の作品では、『スーパーボンバーマン R オンライン』や『スーパーボンバーマン R 2』も担当していました。
――本作の開発は、どういったきっかけでスタートしたのでしょうか。
松尾:「ボンバーマン」は誕生から40年以上経っている、パーティゲームの始祖のような位置づけの作品です。長年愛されてきた反面、そのゲーム性は完成されきってしまっており、どう拡張するかがなかなか難しいという課題も抱えています。
「スーパーボンバーマン R」シリーズで多くの新規のお客様に遊んでいただいたので、今回のコレクションによって、違った魅力を感じてほしいと思ったのが企画立案にいたったきっかけです。「R」の3Dグラフィックの「ボンバーマン」を遊んでくれた方に、ドットという異なるアプローチもできればなと。
また、『スーパーボンバーマン R 2』発売後のアンケートにてユーザーの皆様から「スーパーボンバーマン」シリーズの5作品を遊びたいというお声をたくさんいただき、感銘を受けたというのも大きいです。

――新規ユーザーと昔からのファン、両方の存在が企画実現に至ったのですね。「Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ」で発表後、即サプライズ配信となりましたが、ユーザーからの反応はいかがでしたか。
松尾:非常に大きかったです。さまざまなSNS投稿や動画を拝見しておりまして、「懐かしい」「昔よく遊んでた」「出してくれてありがとう」といったお声をいただいて、出せてよかったと感じています。
――『がんばれゴエモン』などKONAMIさんの他のIPの復刻は前々から予想の声が大きかったですが、「スーパーボンバーマン」シリーズの復刻は予想していない人も多かったかもしれませんね。
松尾:『がんばれゴエモン大集合!』が先に発表されたので、「ボンバーマン」も来るんだ」というお声も結構ありましたね(笑)。
――今回、スーパーファミコン版を全作品収録した狙いを教えてください。
松尾:「ボンバーマン」の特徴といえば、格子状のフィールドで戦うバトルモードがあり、それぞれストーリーがあり、と色々違いはあるのですが、やはり5作品すべて持っていた人は本当に少ないと思います。シリーズ作品を1、2本ほど持っていて、友達や家族とずっと遊んでいたという人が多いのではないかと。
だからこそ、「ボンバーマン」の魅力は人それぞれだと思っていて。そうした方々をなるべく多くカバーできるように、スーパーファミコン時代のものを全作品収録したんです。逆に、これまでプレイしたことのない「ボンバーマン」シリーズの作品に触れてみる機会になるという楽しみにもなっていれば嬉しいですね。
――おまけとしてファミリーコンピュータの『ボンバーマン』『ボンバーマンII』が収録されています。これらが入った理由は何でしょうか。
松尾:「ボンバーマン」シリーズの歴史を感じてほしかったからです。ファミリーコンピュータのクラシックな『ボンバーマン』、『ボンバーマンII』も収録することで、いろんな面を楽しんでいただけたら幸いです。

スーパーボンバーマンは「友達や家族と遊んで面白い」を追求したゲーム
――「スーパーボンバーマン」シリーズはどのような進化を辿ったゲームだと思いますか。
松尾:やはり、パーティゲームとしての面白さが一番の魅力だと思います。個人的な推測ですが、当時の開発現場でも、「いかに友達や家族と遊んで面白いか」を追求していたタイトルなのではないかと考えています。第1作目はやや大味なところもありますが、ベースは出来上がっていて、『2』になってゴールデンボンバーが登場して、勝ったプレイヤーが次のゲームで金ピカかつ最初からアイテムをひとつ持った状態になり、積極的に狙うという面白さが生まれて……。
『3』ではさまざまな性能を持った乗り物キャラ「ルーイ」が登場、『4』は少し変わり種で、他のプレイヤーを投げ飛ばす「ボンバースロー」や突き飛ばす「ボンバープッシュ」が登場しました。『5』ではやられたプレイヤーが外から攻撃できる「みそボン」でプレイヤーを倒すと復活できるようになり、完成形となりました。このように、対戦ゲームとしての進化が5作品をかけて培われていったのだと思います。
――シングルプレイモード(NORMAL GAME)についての魅力も教えてください。
松尾:そうですね……ボスが難しいです(笑)。ボスはそれぞれ有効な戦術が異なるので、それを探りながら倒すというのが魅力ですね。
今回全作品をプレイしてみたのですが、はじめの方は簡単に倒せても、だんだん難しくなってきて……。『5』のボンバーワンという犬のボスがいるのですが、なかなかの強敵なんですよ!ただ、今作は巻き戻し機能もあるので、なんとかなるかもしれません。
――(笑)。今作は巻き戻し機能もあるので、なんとかなりそうですね。ビジュアル的に強烈なボスもいますよね。
松尾:ピエロとか、太陽とかね……(笑)。いまだに「ボンバーマン」と言えばあの2つのボスが語り草になります。

思い出を大切にした“粋”な演出
――コレクションとしては、スーパーファミコンのソフトパッケージを開封して、カセットを見て、説明書を見て……と、まるで実物を手に取っているような演出が粋でした。
松尾:先述した通り、皆さん「ボンバーマン」に対しては個人的な思い入れを持ってくださっている方が多いと思います。その中には、カセットに対する思い入れみたいなのもあったと思うんですよね。裏に名前が書いてあったりとか。説明書を読み込んだりとか……。
そういった思い出を感じていただくことで、当時家族と楽しんだとか、友達と喧嘩したとか、そういった記憶も呼び覚まされるのではないかと思いましたが、結果として皆様にご好評いただけており、入れてよかったです。

――タイトル画面などの「PRESS START」の文字が、「PRESS +/-」など、現代プラットフォームにあわせて打ち直されているのも驚きました。
松尾:全プラットフォームにあわせて書き直しています。すこしグニャグニャとした書体になっているものもあるのですが、それもしっかり再現しています。制作メンバーには細部までこだわりたいとお願いしやっていただきました。

――ギャラリー機能も充実していました。いずれもハドソン(現KONAMI)時代のものだと思いますが、大切に保管されていたのですね。
松尾:そうですね。私も初めて見た資料ばかりで、驚きでした。説明書や攻略本に掲載されているキャラはいるのですが、敵キャラの資料は貴重です。ドットで出てくる印象とは違って、本当はこんな姿をしていたんだ……と。

実は今回、ギャラリーに収録しているファイルを持ってきました。

――これはすごいですね!綺麗に保管されていますが、実際収録するにあたってスムーズにいったのですか。
松尾:いえ、なかなか苦労しました……!元々は紙に描かれたものを写真に撮って、ポジフィルムという媒体で保存されているんですが、データ化して、ゴミ取りをして……という作業がどうしても必要だったので、大変でした。


――ポジフィルム……!時代を感じます。「ボンバーマン」IP全体についてもお訊かせください。近年は「R」シリーズが出て、今回「コレクション」も出ましたが、現代のゲームユーザーにとって、「ボンバーマン」はどういった立ち位置にあると思いますか。
松尾:やはり歴史のあるシリーズなので、昔からプレイしていただいている方も、「R」シリーズから始めたという方も、本当に幅広い世代のユーザー様がいると思っています。世代が違えば、好むゲームの傾向も違ってくると思いますが、そんな方々が一緒になって楽しめるようなゲーム、というのが「ボンバーマン」の魅力です。この立ち位置は、今後も維持していきます。ただ、オンラインゲーム好きなど最近のユーザーさんの嗜好にもあわせて、さまざまな方向性を探っていきたいですね。
――Nintendo Switch 2 Editionのおすそわけ通信やSteamのRemote Play Togetherで気軽に対戦できるので、あらためて対戦の魅力に気づくユーザーもいるかもしれませんね。
松尾:やはりオンラインで対戦できるのはご好評いただけているところなので、最新の機能も駆使しながら、多くの方に触れていただけるようになればと思います。
――より若い世代についてはどうでしょう。子供の頃に「ボンバーマン」を通ってこなかった、という方もいると思います。そんな方々に向けて、魅力を伝えるとしたら、どんなところがありますか。
松尾:ゲーム性がシンプルで、見ているだけでもわかりやすいというのは大きなポイントだと思います。1画面固定なので、パッと見ただけでもすぐに状況を把握できますよね。
ただ、始めるのは非常に簡単な一方で、「勝ち方がわからないゲーム」でもあります。どうやったら上手く勝てるのかを見せることは、今後の課題にもなるかなと思います。負けるときの最大の原因は自爆ですからね(笑)。攻めれば攻めるほど、負けるリスクも高くなるので、とにかく逃げまくる戦法もありますから。

――誰とやっても差が出にくいのは面白いポイントですよね。今回はスーパーファミコン向けタイトルが中心でしたが、まだまだシリーズにはたくさんの作品が眠っています。今後、『コレクション2』や、タイトル追加などはありえますか。
松尾:皆様からのさまざまなご意見に耳を傾けながら、今後の方向性を探っていければと思います。
――最後に、本作をまだ買っていない方に向けて、アピールメッセージをお願いします。
松尾:「ボンバーマン」はかなりわかりやすいパーティゲームです。ひとりはもちろん、家族や友だちと遊んでも楽しめますし、ニンテンドースイッチ2やSteamではオンラインでも楽しめます。ぜひ、わいわい盛り上がれるタイトルとしてプレイしていただければと思います。
――ありがとうございました!
『スーパーボンバーマン コレクション』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2/ニンテンドースイッチ向けに配信中です。
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