
個人クリエイターの峠タカノリ氏は、3Dレールシューティングゲーム『士機(SIKI)』を、現在Steam早期アクセスにて配信中です。
本作は、90年代にアーケードで流行っていた3Dシューティングゲームを美少女ゲームとして復活させた作品。大日本帝国海軍が存続する世界線における近未来を舞台に、プレイヤーは空戦人型ドローン「士機」を操作して、さまざまな戦場で敵性部隊を駆逐殲滅していくことになります。
2026年3月20日より、Steamにて早期アクセスをスタート。現在ユーザーレビューでも“やや好評”を獲得しています。
Game*Sparkではリリース当時に連載【ゲムスパロボゲーカタログ】にてプレイレポートも掲載しており、今回はそんな本作をさらに深掘るべく、峠タカノリ氏へのインタビューを実施しました。
今回は本連載の特別版として、スペシャルインタビューを掲載。ゲームの世界設定や同氏の経歴、目指すものなど、非常に濃密なお話を聞かせていただいています!
美少女STG『士機(SIKI)』開発者・峠タカノリ氏インタビュー
――まずは峠タカノリ氏の自己紹介をお願いします!
峠タカノリ氏:峠タカノリと申します。左利きで血液型はO型、今はコンビニ店員をしながらゲーム制作などを行っています。
コンビニで働いているのにも理由があって、僕は元々漫画家を目指していたんです。若い頃は応募して新人賞なんかも獲って、やれるじゃん!と思って上京したんです。それでアシスタントなんかもやっていたんですけど、なかなか難しくて。
その時に働いていたコンビニの店長さんが、「月刊コンビニ」という雑誌に寄稿していたんですよ。それで、店長さんから「峠くん漫画描くんだね」って話になって、その雑誌に連載を持たせてもらえるようになったんです。
月刊コンビニでは結構長く連載させてもらっていたんですけど、コロナ禍などの理由もあって雑誌が廃刊してしまったんです。でも、月刊コンビニと同じ時期にイカロス出版というところでもやらせてもらっていて、そちらでは単行本なども出させてもらいました。
その月刊コンビニで連載している時期は、「現役コンビニ店員の漫画家」という肩書きでやっていたんです。なので、現在も継続してコンビニでバイトしている感じですね。
――『士機(SIKI)』は、2024年にゲームを作ろうと決意したことから始まったプロジェクトです。その開発経緯について教えてください。
峠タカノリ氏:イカロス出版でも、やはりコロナ禍などの理由もあり、だんだん仕事が縮小していきました。
小さい頃から漫画家を目指してきた人間だから、漫画連載がなくなったらどうなるんだろうと最初は不安でした。ショックで自殺しちゃうんじゃないかと。でも、実際は連載が終わったら「もう描かなくてもいいんだ!」って腹の底から喜びが湧いてきたんです。
でも、これまで漫画を描いてきた分の時間が空いてしまって、とても暇になってしまったんです。それで、僕は小学生の頃からゲームを作りたいという夢もあったんで、じゃあ実際に作ってみようと思いました。これがだいたい2年前のことですね。
それで、フリーで使えるUnityやBlenderなどを練習として触り始めました。最初はゲームを完成させるまでいかないまでも、僕のやりたかった世界を動かして公開できたら楽しいかな、という気持ちで作っていました。
――当時のXでは、美少女キャラクターなどを作っている経緯を投稿していますね。
峠タカノリ氏:少し話は戻るのですが、イカロス出版は2000年くらいに“ミリタリーと萌え”を融合させたコンテンツを出して、色々な反応がありながらもヒットしたんですよ。
その頃の僕はまだ月刊コンビニでの連載もしていない状態で、色々な出版社に持ち込んで断られてしまって。それで、じゃあもうやりたいようにやってやる!と考えて、ミリタリーと美少女を融合させた作品をホームページで公開したんですね。それが「電算連合艦隊提督 桜花」というサイトです。
この作品の世界観は『士機(SIKI)』にも繋がっています。大戦で大日本帝国が敗北することなく現代にも残っているという設定で、連合艦隊を制御するのが人型というもので、女の子の形をしています。機械の電算能力と、人間の言葉で伝える能力を持つ彼女たちが提督となるという感じです。
その活動がイカロス出版の方の目に留まって、「新しい雑誌を作るので、よかったら描いてみませんか」と言われたのがホームページを作ってすぐの2000年はじめくらいですね。
その頃は僕もあまり絵が上手とは言えず、市ケ谷の喫茶店で編集長さんから延々2時間ぐらいおっぱいの描き方のレクチャーを受けて、そのご縁もあってイカロス出版の雑誌に載せてもらうことになりました。
イカロス出版の編集長さんからは、その後も20年ぐらいご指導を受けました。彼がいなければ、僕はここまで女の子をうまく描くことはできなかったと思います。

――やりたいことが形になって漫画家としての経歴にも繋がったんですね。
峠タカノリ氏:今だと萌えとミリタリーの組み合わせって『艦隊これくしょん』みたいなゲームや色々なアニメでたくさんありますよね。でも「桜花」って2004年に作ったホームページなので、実はそのあたりのコンテンツよりも早いんです。
「桜花」では、いろいろなイラストや設定、キャラクターの日記なんかをコンテンツとして公開していて、ありがたいことに当時から結構な方にも閲覧してもらっています。
先ほど『士機(SIKI)』と「桜花」の世界観が繋がってると言ったんですが、実際のところは少し複雑で、地続きではなく“世界観は同じだけど時間軸が異なる世界”の話なんです。登場する機体(女の子)の設定も少し違います。
「桜花」が好きな人には『士機(SIKI)』の設定が違うことでショックを受ける人がいるかも知れませんが、別の時間軸のパラレルな物語ということです。
――なるほど。
峠タカノリ氏:まず「桜花」の世界では、艦隊の指揮を行う将官機というのが存在していて、膨大なデータ処理をサポートするために佐官機というものが生まれました。
次に生まれたのが兵型というもので、これは考える力を持たない機体なんです。兵型は自分で思考できないから、敵に動きを読まれたら簡単に撃墜されてしまう。かといって佐官機が外部制御しようとしても、ジャミングされたら無効化されてしまう。
それで、佐官機と兵型の間を取り持ち、なおかつ戦闘と指揮能力を持つ尉官機というのが登場します。尉官機は前線で兵型を指揮しながら分隊・小隊単位での行動を行う機体で、敬意を込めて「士機」と呼ばれています。兵士の「士」と機械の「機」ですね。
『士機(SIKI)』に登場する女の子達は、航空機なので全員尉官機なんです。大尉や中尉クラスの、最前線での活動能力を持つ「士機」なんですね。

――設定の細かさに驚かされます!
峠タカノリ氏:ここはもうオタクなんで、めちゃめちゃ考えちゃいますね。
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