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『Call of Duty 4』開発者インタビュー クロスプラットフォーム対戦はNO!

WWIIを舞台にしていた過去のシリーズから、現代戦に土俵を移すことになる[b]Call of Duty 4[/b]。今回は開発者インタビューをお届け。ゲーム内容の詳細はもちろん、いよいよはじまったMicrosoftの“Live Anywhere”への厳しくも説得力のある発言が飛び出し、海外では

PC Windows
WWII、第二次世界大戦を舞台にしていた過去のシリーズから、現代戦に土俵を移し、そのリアリスティックなスクリーンショットが続々と公開されているFPSロングシリーズの最新作、[b]Call of Duty 4[/b]。前作Call of Duty 3は、Treyarchというスタジオが開発を担当していましたが、様相ががらりと変わりそうな次回作では、衝撃的なデビューを飾った第一作目とその続編を手がけたInfinity Wardに再びバトンタッチされます。

今週はじめGameSpotオーストラリアでは、そのInfinity Wardスタジオのお頭であるGrant Collier氏へのロングインタビューが掲載され、シリーズのファンには喉から手が出るほど楽しみな新作の詳細はもちろん、いよいよはじまったマイクロソフトの新機軸サービス“Live Anywhere”への厳しくも説得力のある発言が飛び出し、海外ではちょっとした話題になっていました。

以下、そのインタビューの内容をご紹介します。


* * *


[b]GameSpot AU:[/b] Infinity Wardが最後に手がけたXbox 360版のCall of Duty 2は、マイクロソフトの新型ゲーム機にとって、キーとなるローンチタイトルでした。当時のチームにはどんな苦労やプレッシャーがありましたか?

[b]Grant Collier:[/b] あの時は本当に大きな苦労がありました。それはある種の自主課題のようなもので、開発陣にとって、ローンチタイトルを市場に送り出すということは、無数に存在するデベロッパー中からステップアップを試みることができる数少ない行為のうちの一つであり、一躍有名になることができる可能性を秘めています。

たとえばあなたは、Bungieがヘイローより以前に手掛けた作品を思い出すことができますか?彼らは、かなりたくさんやっています。素晴らしい仕事をしてXboxのローンチタイトルを成功させたことこそが、彼らをとんでもなく有名な存在にしたのです。他にも無名な開発会社が同じことを成し遂げ、メインストリームに登場した例はたくさんあります。それは、我々に与えられたとてもエキサイティングな好機でしたし、その機会を浪費するつもりはありませんでした。



[b]GameSpot AU:[/b] では、Call of Duty 4ではそれ以上のプレッシャーがありますか?

[b]Grant Collier:[/b] 外から見えるプレッシャーと、我々が内部でお互いに感じるプレッシャーの度合いは一致するものではないと思います。外部の人間が我々の開発プロセスを見たら、おそらくひどくショックを受けることになるでしょう。なぜなら、開発チームではない誰かがやってきてちょっとしたアイデアを出そうものなら、彼らのアイデアは一発で否定されて打ちのめされることになるからです。開発チームには、常に自分のアイデア改善・改良し続ける不屈の精神が求められます。アイデアを出す、ボツをくらう、それを繰り返しながらアイデアを改善していくのです。それを何度も何度も続けて、やっと最終的にあなたのアイデアが受け入れられ、実際にゲームに取り入れられることになります。100個のアイデアがボツになったって?じゃあ採用されるのは101番目のアイデアだね!

我々は自分自身に厳しく、実際には決して届くことができないような高い位置にハードルを設定しています。ですから、外からのプレッシャーに動じることはありません。

[b]GameSpot AU:[/b] Call of Duty 4では、ゲームの舞台が現代戦に変わりました。第二次世界大戦が舞台になっていた過去の作品では実現できなかった事は何ですか?

[b]Grant Collier:[/b] 私たちは、様々な場面で登場させることができる、とにかく記憶に残るようなキャラクターが欲しかったんです。例えば過去の作品では、冬の場面があったとしたら、(キャラクターは)ロシアにいる必要があります。場面が砂漠だとしたら、イギリス軍と一緒に北アフリカにいなければなりません。プレイを新鮮なものにするために、常に新しいステージに移動していかなければなりませんが、(第二次世界大戦の設定では)ステージや場面が変わると、そこにいたキャラクターはすべて後ろに取り残されてしまいます。

現代戦では高速の移動手段がありますが、より真実味を保たせるため、ユニットを素早く移動させることで、私たちはCall of Dutyが常にグローバルな戦争を描けるように、また説得力のある強いキャラクターを生み出すことが妨げられることのないように望んでいました。

さらに、新しい悪役を登場させたいとも考えていました。第二次世界大戦では、既に完成された悪役、“ナチス”が登場するため、それ以外の何か別のものを作り出したりすると、それはばかっぽい存在になってしまいます。たとえば、よくある不特定なナチスの悪党や、メカ・ヒトラーだとか。また、現代戦における新型の武器は、モジュール的な機能によって様々なパーソナリティーを与えることが可能です。反対に第二次世界大戦の武器で出来ることといえば、ライフルにスコープを取り付けるくらいしかできません。



[b]GameSpot AU:[/b] ですが、なぜ今になってキャラクター性を重要視するのですか?あなたがたが手がけたCall of Dutyの初期二作品は、(舞台や登場人物が異なる)キャンペーンをベースにしたものでしたが、それでも十分に売れました。

[b]Grant Collier:[/b] なぜなら、我々はチーム内で(目標とする)バーをさらに持ち上げたからです。もうそういったゲームはとっくにやり終えました。その類の範囲内では他よりも優位に立つことができたのです。そこで、新しい戦略を選び、自分たち自身をこれまでにない方向へと推し進めているのです。

[b]GameSpot AU:[/b] では、Call of Duty 4にはプレイできるキャラクターが何人いるのでしょうか?

[b]Grant Collier:[/b] Call of Duty 4では多国籍に及ぶ活動が描かれるため、複数のキャラクターが用意されていますが、そこに現実味を持たせる配慮ももちろんあります。もしあなたがヘリを攻撃するCobraのパイロットだとしたら、その人物は陸上の偵察部隊である人物とは異なります。キャラクター達は切り替わりますが、プレイヤーは主に二人のメインキャラクターを演じることになります。でも、映画のスターがカメオ出演するように、それ以外のキャラクターが陰で活躍することもあるでしょう。

プレイヤーは過去15年間の時間を遡ることになります。それは、物語を盛り上げる手段でもあるのですが、ステージの場面が度々移り変わることが可能です。Call of Duty 4の悪役であるZakhaevと、Call of Duty 1に登場したCaptain Price、二人の関係を描いたストーリーも用意しました。Captain PriceはCall of Duty 1で死んでしまいましたが、Call of Duty 2でもまた登場しました。そこで我々は、今回舞台となる現代でも彼を投入すべきだと考えたのです。彼のカイゼル髭は愛らしいですからね。ミッションの中には、プレイヤーがPriceと協力して、コンサート会場でZakhaevの暗殺を試みるという場面もあります。そこでは、二人のキャラクターがなぜお互い強く憎みあっているのかを知ることができるでしょう。



[b]GameSpot AU:[/b] Call of Duty 4はXbox 360とPCで発売されますが、なぜLiveクロスプラットフォーム対戦を導入しないと決断したのですか?

[b]Grant Collier:[/b] マイクロソフトはLive AnywhereをCall of Duty 4でやってほしいと連絡を入れてきました。ただ、メッセージが残されていただけですが。実際に電話を受けて話したわけではありません。私たちは、Xbox 360バージョンの開発に大変な労力を費やしたことに関して話し合いました。Xbox 360バージョンには、キーボードとマウスの操作による高い正確性を持ったPCバージョンにはないたくさんの追加要素があります。Auto-Aim(自動照準)や、Movement Compensator(画面端に行くと動きが自動的に早くなり、中央付近ではゆっくりになってターゲットしやすくなる移動補正)などです。

Xbox 360のプレイヤー同士が対戦していた場合、お互い同じ本体とコントローラーを使っているため、アドバンテージとなるのはそのプレイヤーの腕(スキル)だけです。PCではどうでしょうか、あなたは対戦相手がどんな環境でプレイしているのか知るすべはありません。彼は何世代も前のマシンを使用しているかもしれません。または設定を低くしているだけかもしれませんし、あるいはグラフィック設定をほとんどオフにしている可能性もあります。もしかするとデュアルコアやクアッドコアのマシンでビデオカードが何枚もささっているなら、それは大きなアドバンテージです。つまり、対等な対戦環境はまずあり得ないということです。

[size=x-small]パッドでもマウス+キーボードでも大きなアドバンテージは生まれないと言われていたLive対応タイトル第一弾のShadowrun。[/size]


Live Anywhereは、いくつかのゲーム、ポーカーやテトリスみたいなゲームにとっては素晴らしいものだと思います。しかし現実問題として、ファーストパーソンシューティングやリアルタイムストラテジーゲームにおいて両サイドのプレイヤーを同じ場所に放り込むのは、本質的にアンバランス。いつだって誰かがRTSをプレイするときは、クリックしてドラッグしてユニット全部まるごと選択したら、あとはあなたの建物をクリックして木っ端微塵にするだけ。その間あなたはコントローラーを握ってただ座っているしかありません。あなたの反応時間はまったく異なるのです。それなのになぜ、プラットフォームの違う両者を互いに戦わせようとするのでしょうか?

Live Anywhereはグレートなアイデアで、ある種のゲームにとってはとても良いものだと思います。でも、Call of Dutyはそのようなゲームには当てはまりません。

* * *


以上がインタビューの全容。

Xbox 360とGames for Windowsにおけるクロスプラットフォーム対戦への否定的な発言は、確かに最もな意見だと受け取ることもできますが、実際のところまだ対応タイトルがほとんど存在しないのが現状。例に挙げられたFPSやRTS作品が今後も加わわっていくのであれば、コントロールやハードウェアの違いから生じるアドバンテージの差は、なんらかの形で改善が必要になるかもしれません。

また、Call of Dutyのようなビッグタイトルがクロスプラットフォームへの対応を断念したことで、他の新作タイトルにもこうした波が広がってしまうようなことがあると思うと、ちょっと心配になりますね。しかし、開発者にとっては、マルチプラットフォーム対応でゲームを開発し、さらにそれをクロスプラットフォームにも対応させるのは、とんでもなく大変な作業であることが今回のインタビューからも垣間見ることができます。

Call of Duty 4は、2007年Q4、10月頃(!?)に発売予定。対応はプラットフォームはWindows PC、PLAYSTATION 3、Xbox 360の三つです。[size=x-small](ソース: [url=http://www.gamespot.com/news/6172634.html?om_act=convert&om_clk=newstop&tag=newstop;title;10]GameSpot[/url], イメージ: [url=http://www.flickr.com/photos/visionofheaven/520175874/]Flickr[/url], [url=http://www.gamesradar.com/us/pc/game/images/index.jsp?releaseId=20070214121215902085&page=1]Game Radar[/url])[/size]

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