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もしあなたがリアルで死んだら、誰がそれをオンラインゲーム仲間に知らせるのか

ネットの向こうにいる顔も知らない相手が親友になることだって珍しくない最近のゲーム環境。でも、もしあなたがリアルで突然死んでしまったら、ネット上の仲間がそれを知るすべはあるのでしょうか?

ゲーム文化 カルチャー


オンライン対応が当たり前の時代になり、そこで生まれる人とのつながりも重要性を増している最近のゲーム環境。ネットの向こうにいる顔も知らない相手が親友だったり、ギルドやクランがもう一つの家族のようになることだって珍しくありません。でも、もしあなたがリアルで突然死んでしまったら、ネット上の仲間がそれを知るすべはあるのでしょうか?

AP通信の記事では、MMOゲーマーの父親を亡くした娘が、父親のオンラインゲーム仲間に本人の死を伝えようとしたストーリーや、オンライン死亡届とも言える新たなネットサービスが紹介されています。

アメリカの人気MMORPG World of Warcraft(WoW)のプレイヤーだったJerald Spangenbergさん(57)は、ゲーム中の冒険は途中のまま、ある日大動脈瘤によって突然意識を失い、息をひきとりました。娘のMelissa Allen Spangenbergさんは、その事実を父親のゲーム仲間に知らせたいと考えましたが、WoWを運営するBlizzardは、たとえ家族が相手でも、ゲームにログインするためのパスワードを提供することはありません。

しかし、Spangenbergさんは、偶然にも父親がゲーム内で所属していたギルドのメンバーとコンタクトするのに成功。三週間後に死亡の知らせを受けたギルドメンバーの一人は、ひどくショックを受けたと言います。

“彼はちょっと休んでいただけだと思っていました。ログインしなかった本当の事実を聞いて、私は信じられないほどショックを受けました。誰にもそれを知るすべがなかったのです。”


大手の医療センターに勤め、突然命を落とす患者を毎日見ているというDavid Eaglemanさんも、この問題についてよく考えた一人です。

“もしあなたが急死したり予期せず昏睡状態になってしまったら、大切なパスワードの情報や、どこに何がしまってあるのかは、あなたの頭の中だけに残されてしまう可能性もあります。”


Eaglemanさんは、こうした問題の解決策にもなりうるDeathswitchというウェブサイトを自ら立ち上げました。このサイトでは、登録したユーザーのパスワードやアカウントなど重要な情報をEメール形式で保管。指定したサイクルで本人に確認メールを送り続け、ある一定の回数返信を行わないと、そのユーザーが死亡したと判断し、あらかじめ登録しておいた知人や家族に保管しておいた情報を送信してくれるそうです。

他にも、本人が死亡した後に、関係者が認証を行って情報にアクセスするSlightly Morbidというサイトや、情報のアクセスに死亡証明書が必要になる同タイプのウェブサービスが存在。まだビジネスモデルとして成功していなくとも、オンラインゲームやソーシャルネットワーキングの世界がさらに一般的になって、そこでやり取りされる人間同士の交流や情報の価値が高まれば、いずれ需要が増していくかもしれません。

オンライン上の仲間に、自分の死を知らせたいと思うゲーマーは果たしてどれくらいいるのでしょうか。ゲーム中のアイテムやキャラクターを、誰かに“遺産相続”することだって可能になりそうですね。(ソース: The Associated Press: Deaths of gamers leave their online lives in limbo via Digg)

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