『Ant Simulator』のリードプログラマーEric Tereshinski氏から、2人の元同僚の開発資金の不正使用を理由に開発中止が伝えられてましたが、その当事者である2人の元同僚が海外メディアGame Informerの取材に応じ、氏の説明を「完全に嘘だ」と反論しています。
渦中の人となっているのは、ETeeski LLCで財務を担当していたTyler Monce氏と、ビジネス戦略を担当していたDevon Staley氏の2人。Tereshinski氏の主張を「完全に嘘だ」と否定したMonce氏は、レストランやバーで資金を利用したことについて、ビデオゲーム会社のビジネスとしても非常に合理的に使われたと報告。使用したのは会社の運営資金であり、過剰に使ったわけでもないと述べ、全てをIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁、日本の国税局に相当)に報告していると弁明しました。
また、Tereshinski氏が金融データへのアクセス権を持っており、横領する機会は存在しなかったと説明。会社は2015年11月までは上手くいっていましたが、感謝祭後にTereshinski氏は会社の銀行口座やソーシャルメディアアカウントなどを完全に支配し、ETeeskiのウェブサイトのトップページは2人の顔写真に変更されたそうです。Monce氏はこの出来事について、彼が全て取得したくて我々を切り離したかったのではないか、と語っています。
2人の証言によると、Tereshinski氏は自身の銀行口座に会社の資金を移動させていたとのこと。この資金は上記のビジネス以外にも、外部開発者によるゲーム開発支援のために使われており、Tereshinski氏が主張する、「全ての資金が高価な娯楽のために使われた」との言い分は「完全に嘘だ」とMonce氏は改めて強調しました。
また、彼らはPS4の開発キットを取得するため、2015年3月にGDCのソニー開発ブースを訪ねたと伝えています。2人は開発キットの入手の準備を整えていましたが、Tereshinski氏が開発環境の整備に1000ドルを投じたにも関わらず、開発は遅れてプレイアブルデモ版を提供することが出来なかったと報告。そこで資金の大部分が使われたと明かしています。
一方で、2人は会社に在籍していた20ヶ月の間、合わせて5000ドルの投資をしていたとのこと。これはTereshinski氏の投資額以上だったと伝えており、この他にもTereshinski氏の友人から小さな投資が行われていたようです。Monce氏は「私は彼(Tereshinski氏)がキャッチーな見出しで、私達が酷く見えるような奇妙な物語を作りたかったのだと思う。」と述べ、「これまでの所、その効果は出ているようだ」と語っています。
お互いの主張がぶつかり合う事態に発展したETeeski LLCの資金騒動。どちらが真実なのかは今のところ本人達しか分からないことですが、Monce氏とStaley氏はTereshinski氏に対して法的措置も検討しており、法廷闘争へと発展する様相を呈しています。クラウドファンディングで集めた資金も関わっているだけに、大きな注目が寄せられています。
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