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【特集】Steamで人気の宇宙4X『Stellaris』序盤プレイガイド―高い完成度と中毒性!

『Hearts of Iron』シリーズや『Crusader Kings』シリーズを手掛けた、Paradox Development Studioが送る新作4Xリアルタイムストラテジー『Stellaris』。2016年5月10日にPC/Mac/Linux向けにリリースされた本作のプレイレポをお送りします。

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デフォルトの種族一覧、この一覧はあくまでプレイヤー用に用意されたものなので、ゲーム中は様々な種族と巡り合う
  • デフォルトの種族一覧、この一覧はあくまでプレイヤー用に用意されたものなので、ゲーム中は様々な種族と巡り合う
  • 外見設定が生物群ごとなのは珍しい作り
  • ワープ方式設定、それぞれに長所と短所がある
  • 星系の設定画面、星の数はジャンル最大と言うわけではないものの十分な数が設定できる
  • メイン画面
  • 銀河全体マップ、ズームイン・ズームアウトはもちろん完備
  • 銀河全体マップである程度寄った場面。船や艦隊の有無や、どの資源がどこにどれだけ眠っているかや既に採掘ステーションが立っているかまで分かるようになっている
  • 星系の詳細マップ中では自軍の船の勇姿もバッチリ見られる


『Hearts of Iron』シリーズや『Crusader Kings』シリーズを手掛けた、Paradox Development Studioが送る新作4Xリアルタイムストラテジー『Stellaris』。2016年5月10日にPC/Mac/Linux向けにリリースされた本作のプレイレポを最序盤のガイド形式にてお送りします。

自作が楽しい種族デザインシステム

まずはゲーム開始前、4Xジャンルではお約束の初期セッティングです。本作の種族はゲーム的な特徴以外の部分も比較的詳細にカスタム可能なので、こだわりやすく感情移入を助けてくれます。また、ワープ技術が複数の中から選択できるのはユニークな点です。ワープ技術によって星系間の移動のルールが変化するため、ゲームの進行度合いが進んできたら、自分だけでなくAIのものにも気を払い、それぞれにあった戦略を心がけましょう。


デフォルトの種族一覧、この一覧はあくまでプレイヤー用に用意されたものなので、ゲーム中は様々な種族と巡り合う


外見設定を生物群ごとから選べるのは珍しい作り


ワープ方式設定、それぞれに長所と短所がある


星系の設定画面、星の数はジャンル最大と言うわけではないものの十分な数が設定できる

リアルタイム進行ながら分かりやすいUI


メイン画面

ゲームが始まると、こちらのメイン画面が表示されます。ゲームのほぼ全ては同様の画面で進行することとなります。一見するとデータ量が多いように思えますが、基本は右のアウトライナーと、左下の各惑星や艦隊へのコマンドパネル、上部の帝国全体に関わる項目へのアクセスとリソース類の表示、そしてお知らせ類と、必要な物のほとんどは特定の場所に集約されています。リソースもエネルギー(Energy Credits)、鉱物(Minerals)、影響力(Influence)の3種類に大別されており、一旦把握してしまえば迷うことはありません。
これらは、各研究領域の進行速度や、保有可能な惑星数、運用可能な艦船量など、数値で把握しておきたい他の項目と共に画面上部に表示されています。画面右のアウトライナーでは、植民星や艦隊へのアクセスだけでなく、現在進行中の建設船や探査船の行動の進捗も確認できます。休眠状態になっている場合、赤色のアイコンになっているので、なるべく遊びを少なくしておきましょう。

最初に気をつけることとして、本作は『Civilization』の様な4Xストラテジーですが、一般的な4Xとは異なり、ターン制ではなくリアルタイム進行となっていることです。スペースキーで常時ポーズが可能なので、何かをするときには意識的にポーズ状態にする事を心がけておくと、気がついたら無駄に数ヶ月を過ごしてしまった……などということを減らせます。
また、星系内部の詳細マップより、銀河全体を俯瞰するマップの方が状況が分かりやすいため、基本的にはそちらに切り替えてプレイすることをオススメします。本作の数少ない欠点ですが、詳細マップと全体マップがマウスホイールでシームレスに切り替えできないため、切り替えホットキーであるMキーを覚えておくと良いでしょう。


銀河全体マップ、ズームイン・ズームアウトはもちろん完備


銀河全体マップである程度寄った場面。船や艦隊の有無や、
どの資源がどこにどれだけ眠っているかや既に採掘ステーションが立っているかまで分かるようになっている


星系の詳細マップ中では自軍の船の勇姿もバッチリ見られる

研究可能な技術はランダム、プレイごとに変わる戦略を見極めろ

まずは何はなくとも研究を進めるのが肝要です。画面上部のフラスコアイコンをクリックして研究ウィンドウを出しましょう。本作の研究は1種類を集中して研究するのではなく、物理・社会・技術の3系統をそれぞれ1つずつ同時に進行させる形になっています。ここで本作最大の特徴となるのが、研究終了の度に、都度ランダムで選択される3種類の選択肢から、次に研究を行う技術を選ぶことになることです。本作ではこのおかげでいわゆる「定石」を作るのが困難になっており、毎回新鮮なプレイングとなるのが魅力の一つです。中には稀に出現する「レア」研究もあり、よりユニークな技術を研究することもできます。強力かどうかは状況によりますのでよく吟味して研究を行うのをオススメします。


研究画面。レア技術にはきちんとレアと表示されている模様

ここで注意する点ですが、各領域に適切な“リーダー”が設定されているかを確認して下さい。特に科学関係のリーダーがいずれかの研究領域に配置されていない場合、当該の研究の進捗には大きなペナルティを受けてしまいます。リーダーを雇うには、画面上部の銀河系のアイコンより帝国の概要を出し、下部にある“Leaders”タブからリーダー一覧に切り替えて行います。リーダーの種類には、研究や探査船の運用に必要な科学者以外にも、艦隊運用に有用な提督や、惑星の統治者、惑星の占領や防衛に重要な陸軍の将軍が存在しています。それぞれのリーダーの雇用には大量の入手方法がないリソースである“影響力”を用いますが、ゲームは数十年に及ぶ長期間となる上、様々なアクシデントや加齢で各リーダーを失うことも多々あるので、常に最低限後任を雇えるだけの“影響力”は維持しておきましょう。


リーダー画面、個々のリーダーには基礎スキルの他に長所や短所などの特徴が付いている

領土を早期に広げ有利になるためにも、別惑星への移民は早く行いたい所です。まずはなるべく早く“New Worlds Protocol”を研究すると良いでしょう。移民船の作成条件はこの技術の研究となっています。 また“New Worlds Protocol”やその他の技術の中には“勅令(Edict)”を利用可能となるものがあります。勅令は影響力を1月ごとに消費して特殊な効果を得るものです。いつでもON/OFF出来る上に、同系統の物以外は複数を同時に使え、得られるボーナスや副作用も大きな物が多いので何かに特化したい時などはとても有用です。勅令の利用は画面左上のアイコンより政府の概要ウィンドウに移り、“Policies”タブより選択します。ここでは占領下などの他種族への対応なども設定でき、いずれは利用しますが、しばらくはそのままでも問題ありません。


最初に開発しておきたい“New Worlds Protocol”


“Policies”の設定画面、序盤で使う事は少ないが覚えておくといいだろう

最序盤で研究の次に重要なのは、周辺の惑星や星系の探査を行う探査船の建造と出航です。これは画面左下のパネルの1番、惑星パネルや、画面右のアウトライナー、及び惑星の直接選択などで出せる植民星ウィンドウからの作成となります。下の“Spaceport”タブより“Build”を選択して船を作成後、同じくアウトライナーや直接選択などで科学船を選択し、“Assign Leader”となっている部分をクリックして乗せる科学者を選択しましょう。科学者が乗っていない探査船は主な機能が利用不能となります。科学者と探査船は一対のセットとして考えておきましょう。


船の建造画面


本文中では触れていないがもちろんお約束として船の設計要素もある。
船体を決めてモジュールスロットにモジュールを埋めていく


惑星地表にも様々な建築を行い、より生産性を高める事ができる。
各マスに居住している住民は種族や政治形態で様々な付加価値を持つ

次に、探査船を再び選択し、左下のコマンドパネルから“Survey”をクリックして対象の惑星や星系をクリックするか、対象の星系を右クリックして“Survey System”でその場所への出航と探査が開始されます。星系を対象とした場合は星系内に存在する全ての対象の探査を自動で行ってくれるので、そちらを使っていくのが基本です。すべての準備が終わったらスペースキーを押して、しばらくは研究や探査の進捗を待ちながら画面を眺めていくこととなります。


探査船のコマンドパネル。基本的に行える行動はここに集約されている

ここまで最序盤のガイドをお送りいたしましたが、本作ではチュートリアルやTIPSが親切に完備されており、これらを含む基本的なことは、殆どマウスカーソルを画面各部に乗せて出てくる解説や、画面上部のボタンからアクセスできるシチュエーションログ機能を参照しつつ進めていくだけで理解できる構造になっています。その各部に行き届いた親切さと、リアルタイム進行であっても十分管理可能な、適度な複雑さも本作の魅力です。

ランダムイベントやフレーバーテキストも豊富

他にも本作の大きな魅力として挙げられるのはランダムイベントが豊富であることです。ランダムイベントから派生する内容も多く、中には特殊な技術研究を行って、成果を得られるものもあります。場合によっては、特定の条件を満たした科学者を乗せた船を長期間特定星系に配置させる必要があるため、必要ならば科学者の増員も考えないとなりません。これらランダムイベントは関連したフレーバーテキストも中々楽しませてくれるのが嬉しい所でしょうか。


基本的なランダムイベントの一つ、アノマリー。科学者と探査船を用いて調査する事で様々な利益が得られるが、失敗すると船や科学者を失う事になる場合も


ランダムイベントの中には特定条件の科学者が必要なものも

MODフレンドリーな構造に、Steamワークショップ対応で広がる楽しさ

本作はゲーム中のほとんどの箇所がModding可能な様に、データ類は構造が公開されたテキスト形式のスクリプトファイルで構成されており、種族などだけでなく、新たな技術やゲーム内イベントなども追加可能な作りとなっています。MODの導入も起動時に表示されるランチャーで使うMODを指定するだけという簡単さ。それだけでなくSteamワークショップにも対応しており、既に1500を超える大量のMODが公開されています。中には何処かで見たようなキャラたちの姿も……。


勝利条件は非常にシンプルなものが2つのみ。少々寂しい所ではあり、DLCやパッチに期待したいところ

全体的に親切で分かりやすく、痒いところにも手が届く作りとなっている本作『Stellaris』。Paradox開発の他の歴史ゲームに慣れ親しんでいるプレイヤーであれば、本作はあくまで4Xジャンルの範囲内に収まっていることなどは少々淋しいところであるかも知れませんが、その分ローンチの時点でも、バグも少なければバランスも中々に練られている印象を受け、完成度の高さが伺えます。各部の親切さは本作を、4Xジャンル初心者がターン制ではないリアルタイム制という、少し風変わりなタイトルに挑戦するにも最適な一作としています。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

『Stellaris』はSteamにてPC/Mac/Linux向けに3,980円にて販売中です。オリジナルサントラや、ゲーム中使用可能なクモ型異星人の外見を含む「Nova Edition」は4,980円、更に小説やアートブック、PC用壁紙なども特典として付属する「Galaxy Edition」は6,980円でそれぞれ販売中です。
《Arkblade》

関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

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