気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Terry Cavanagh氏開発、PC/Mac/Linux向けに2019年8月14日リリースされたローグライクダイスゲーム『Dicey Dungeons』開発者へのミニインタビューをお届けします。発売から時間が経っていますが、日本語版のリリースを目前に控え、ご連絡いただきました。
本作は、ダイスを振って敵と戦うローグライク。ランダムで生成されるダンジョンに配置された敵を倒しながら、キャラを強化しつつフロアを踏破して最深部を目指します。記事執筆時点では日本語未対応ですが、近日中に日本語が追加されるとご回答いただきました。Game*Sparkではプレイレポートも掲載中です。
『Dicey Dungeons』は、1,520円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Terry Cavanagh氏(以下Cavanagh氏)こんにちは!本作のデザイナーのTerry Cavanaghです!アイルランド出身のインディーゲーム開発者で、本作以前には、『VVVVVV』と『Super Hexagon』を作りました。
――本作はいつどのようにして開発が始まったのでしょうか?
Cavanagh氏本作の開発はゲームジャム(注:決められた期間内にゲームを作るイベント)から始まりました。そのゲームジャムのテーマが7日間でローグライクゲームを作るというもので、当時私は別の大きなプロジェクトの真っ最中だったこともあり、これは新しいアイデアで小さなゲームを完成させるという良い息抜きになりました。ただ…最終日になっても、ゲームを完成させることができなかったのです。すごくすごく完成させたかったということもあり、私はこの開発を続けることにしました。するとどんどんどんどん巨大化し…結局、私にとって歴代で一番大きなゲームとなってしまいました。
――本作の特徴を教えてください。
Cavanagh氏本作のゲームシステムとプレイ感覚という点で、一番の特徴はランダム性をかなり変わった方法で採用しているということです。他の多くのゲームではしばしば、敵を攻撃しようとする際、その成功判定やダメージ判定にランダム性が出てきます。しかし本作ではこれと逆なのです!プレイヤーはサイコロを振り、出てきた数字を見てから、攻撃するのか、防御するのか、ストーリーを進めるのか…と、何をするのか決めるのです。
(あと、本作にはMarlowe Dobbe氏によるかなり変わったキャラクターデザインや、Chipzel氏によるゲームショウスタイルの素晴らしい音楽もありますよ!)
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Cavanagh氏メインで影響を受けたのは、私が大好きなゲーム『Dream Quest』です。このゲームはアートスタイルが一般受けしないためか十分な評価を受けていないのですが、このゲームの特徴はそのアートではなく、そのシステムと様々な遊び方ができるという点なのです。本作では6人の異なるキャラクターがおり、それぞれとても異なる遊び方が可能です。それぞれ異なるルールが適用され、異なる装備もあります。このような点が、『Dream Quest』のアプローチから大きく影響を受けているのです。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Cavanagh氏あります!本作の日本語版の開発にはかなり長い間取り組んできました。今後数週間以内に、Steamのバージョン1.8でついに日本語に対応する予定であると発表いたします!翻訳は架け橋ゲームズが担当しました。遅れてしまって申し訳ありません。完全に私のせいです。待っていてくださった皆さん、本当にありがとうございます。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Cavanagh氏『ファイナルファンタジー』シリーズで私が大好きな点の一つが、日本の民話や言葉を少しだけ垣間見ることができるという点です。何かをプレイヤーに教えようとするわけでなく、昔の民話に忠実なわけでもありません。しかしアイルランドでそれをプレイしていた子供の私は、その言葉やモンスター、私が大好きな小さな瞬間の数々に、遥か遠くの文化を感じることができたのです。
そしてこの経験が、本作にとても大きな影響を与えました。いくつかのモンスターや瞬間は、アイルランドの民話や物語、伝説からインスピレーションを受けています。なので、もし本作をプレイしていただけたら、アイルランド神話に影響を受けた部分にも目を向けてみてください!そして、私がこれらの要素を入れた理由が、私の大好きな日本のゲームの影響によるものだということも知っていただけると嬉しいです。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に250を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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