【ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術】第1回『モンスターハンター:ワールド』 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術】第1回『モンスターハンター:ワールド』

新連載「ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術」第1回は『モンスターハンター:ワールド』を例として、英語プレイのコツやローカライズの味わい、練習問題などをお届け。

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UIも日本語とは微妙に違う
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  • こんなところも表記に違い

「ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術」第1回目に取り上げるタイトルは『モンスターハンター:ワールド』。英語に言語を切り替えてのプレイでもっとも慣れやすいジャンルはアクションゲームです。物語の読み取りはまた別ですが、実際のプレイに当たってはほとんど英文を読むことなく進められます。基礎に不安があっても「日本語のない英文のみの環境」は作れるので、これから英語力をつけたいというときの、最初の一本におすすめします。

Let’s Play in English:アイコンで楽々解読! 全然読めなくても問題なし


言語学習において最も重要なのは、とにかく目にする回数を増やすこと。単語帳で暗記した程度では身につきません。作品世界の固有名詞と同じように、自分のゲームプレイで何度も目にしていれば自然と覚えられるのです。『モンハン』シリーズはアイテムの全てに個別のアイコンが割り振られているので、経験者であれば説明文を読まずとも十分管理できるでしょう。あとは日本語でわかっているアイテム名をそのまま置き換えていくだけです。


このときに注意したいのが、英語名は1単語ごとに分解しないこと。全て固有名詞と捉えて丸暗記した方が効率がよいです。語学では「イメージとセットで覚えること」が大事なので、先に英単語を訳そうとせずに、貫通弾=「Pierce Ammo」、回復ツユクサ=「Vitalily」と、まずは「アイテム名」と「効果のイメージ」を覚えていきましょう。


基本的にクエストは単独で進行しますが、ストーリー中盤の山場、ゾラ・マグダラオス誘導作戦では矢継ぎ早に司令官の指示が飛んできます。内容を理解し、即座に動くためにはそれなりのリスニング能力が求められます。どこに行き、何を使うか、他のゲームにおいても聞き取り必須の内容なので、単語を覚えてしっかり耳を鍛えましょう。 

ローカライズの違いを味わう:ネコ喋りは「ミャ」


『モンハン』シリーズのマスコットといえばアイルー。本作でも調査団の仲間として働いてくれています。日本ではネコキャラの語尾に「ニャ」をつけるのが定番ですが、英語でも同様のネコ喋りはあり、主に「meow」「purr」の2つが使われます。


「meow」は日本語で「ミャ」を使うのと同様、マミムメモの発音の時に組み込むのでわかりやすいですね。「purr」は喉を鳴らす様子を表していて、「pro」「par」などを巻き舌っぽく読むようです。上の場面だと「improved」が「impurr-oved」になっています。ちなみに、日本語でもそうでしたが、料理長はこのようなネコ喋りはしていませんでした。

挑戦!「モンスターハンターの言語」リスニング


『モンハン』シリーズに欠かせないのが、作中独自の言語体系である通称「モンハン語」。当初からムービーシーンで使われ、『ストーリーズ』では、物語全体で人物が会話するようになりました。今作『ワールド』では日本語吹き替えとともに「原語」として音声を切り替えられます。

実はこのモンハン語、フランス語をベースにしており、発音がカタカナ読みになっているものを直すと意味が通じる部分もたくさんあります。例えば、『クロス』の主題歌「トラベルナ」の場合、“ヴィラデ デブーラ ベルナ”の日本語訳は「始まりの村ベルナ」となっています。そのため、この部分の元は”La village du debut”と読むことが出来るのです。

『ワールド』でも「モンスターハンターの言語」にしていれば、プレイヤーへの呼びかけで「アーダー!(相棒)」「シソドレ!(五期団)」など、自然と覚えた言葉があると思います。今作では全てのカットシーンがリプレイ可能なので、その気になれば聞き取って単語帳も作れます。リスニングの特訓として挑戦してみてはいかがでしょうか。

押さえておきたい単語集:生物学の用語が盛りだくさん


生態調査がテーマなだけにそれに関係する言葉もたくさん出てきます。特に「Ecology」は物語の核を成すキーワード。普段「エコ」は環境に優しいという意味合いで使われますが、本来は「エコロジカル」で生態系の循環に沿うものを表します。この作品で「エコ」の見方が変わった人もいるのではないでしょうか。

  • Ecosystem:生態系
  • Nutrient:栄養
  • Endemic life:固有生物(環境生物)
  • Cultivate:栽培
  • Botanist:植物学者
  • Tranquilizer:麻酔
  • Subspecies:亜種
  • Palico:オトモ
  • Wyverian:竜人族
  • Elder Clossing:古龍渡り


今週のキーフレーズ:“If I could only live another three hundred years.”



瘴気の谷と陸珊瑚の台地の関係について語る場面、フィールドマスターが「せめてあと300年生きられたなら命の移ろいを見れたかもしれない」とぼやきます。“If I could only~”の台詞には、竜人族と比べて人間の寿命は短く、全てを俯瞰するにはあまりにも足りないという諦めや悔しさが滲み出ていますね。

“live another three hundred years.”は「あともう300年生きる」ですが、「another」は「もう一つ」というニュアンスで、今の一生の延長となる「more」とは違います。彼女の年齢からして自分の死期を意識しているのかもしれません。

次に“If I could only”を見ていきましょう。「If I」は「もし私が~なら」で仮定文の基本ですね。「could」は「can」の過去形で、「~だったなら」という現実には変更のきかない事柄に対して使う文法です。元の「can」で“If I can live another three hundred years”だと、寿命を延ばす手段があって今からでもやろうと思えば出来る、ということになります。しかし実際には無理なので「If I could」の過去形なのです。

「only」もまた重要で、これは「唯一の」と訳す形容詞ではありません。ここでは文を強調する副詞で、「~さえあれば」の意味合いです。逆に300年で無ければ難しい、それ以外の条件は意味が無いということを強調しています。

人間の一生を使い切ったとて、生態系の驚異“An ecological marvel”は到底解き明かせないという、フィールドマスターの人生観が垣間見られる今週のキーフレーズでした。最後に、来週までの宿題をお届けします。英語力に自信がある方やこれからゲームプレイを通して英語を学んでいきたい方は、回答をコメント欄にお寄せください。正解は次回掲載時に発表します。



練習問題:以下の文章を英訳しなさい。


  1. 麻酔弾を持っていれば、モンスターを捕獲する。
  2. 滅龍弾を持っていれば、リオレウスを狩れていた。
  3. ボクがヘヴィボウガンを使えてたら、あのクエストは完璧だったニャ。
《Skollfang》

好奇心と探究心 Skollfang

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